「 2008年09月24日 」一覧

太陽光発電パネル設置とペイ期間について。

ここ数年、大手ハウスメーカーの営業攻勢によって太陽光発電パネルの認知度が大変高まったが、「光熱費ゼロ」などと大々的に広告するので大きな誤解も生まれた。光熱費がゼロとなるのは、25年以上経ってから。25年間は、光熱費をまとめて新築時に払っていると考えたほうが正しい。それは・・・

太陽光発電パネルの設置費は1kwあたり70万位。標準的な3kw設置だとおおよそ210万円の設置費用となる。これを回収出来るのは、25年から30年となる。それは・・・

新潟県での太陽光パネル3kwの発電された電力を現在の買取金額にすると年約7万分。単純に設置した費用210万を7万で割ると=30年。そこに、現在の補助金で一番高額なNEDOのシステムと組み合わせたときのもらえる額は、実質70万。すると210万-70万=140万が実際の設置費用。だから 140万/7万=20年。しかし運よく太陽光発電パネルが壊れなくても、インバーター変換機の寿命は10年だから2回は交換すると20万かかる。また、発電効率は表面のガラスの汚れで著しく落ちるので90%の発電効率とすると、(140万+20万)/(7×0.9)=25.3年となる。

したがって、実際は25.3年経ってから初めて利益を生むので、25年から光熱費が7万で済む住宅であれば光熱費ゼロとなる。しかもこれは補助金を70万もらったとき。もらわなければさらに10年間かかり、35年目で初めて元が取れる。だから太陽光パネルの設置の動機は、「化石燃料の負荷低減のためあえて高価な機器の導入した」という高い意識感である。あとは25年間太陽光パネルが壊れずにしっかりと働いてくれるように神様にお祈りすることが重要。

緑の家でも太陽光発電はお勧めしたいが、決して最優先ではない。というのは、上の理由のとおりである。こういう置き型設備は後工事でも問題ない。最先端技術はあるとき急激に価格下がることがある。その時に設置してもまったく問題ないが、家の構造はそうは行かない。しっかりと今、断熱気密の高い家を造っておかないと、後では非常に工事が厄介になる。だからお勧めする優先順位は最優先ではない(気持ちは最優先にしたい・・・)。

ちなみに太陽光発電のことについては、実際設置され、かつ科学的経済的にも分析しているこのサイトがとてもわかりやすい。そこには、日本の今の太陽光発電パネル設置政策は、「国民よ、損を承知で投資せよ!とか「おだてて屋根に上らせ、そのあと梯子をはずす」と皮肉っている。これは現在の太陽光発電によって作られた電力の買い取り価格は、数年前成立した現在の法律のままだと将来半額以下(24円/kw→11円/kw)になる。すると回収年月がさらに倍になり50年間は回収無理ということも考えれる。

現在、設置を計画している建て主さんもいらっしゃる。是非(電力会社保護のような)法律の改正を望む(ドイツのように倍くらいで電力を買い取るような改正を!!そうなると相当設置を考える人が増えるはず)。