Q値0.83W/m2k・・・なぜ断熱性を最高レベルまで上げるのか?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Q

値1.9で築20年の拙宅。もっと良いQ値にしたい・・・。

Q値0.83w/m2k・・・最近オーブルデザインでは断熱性能を新潟県内最高値までに高めております。
どうしてそこまでQ値を高めるのか?

これは5年ほど前から何度も申し上げておりますが、将来のエネルギー高騰(石油、ガス、石炭の取り合いによる高騰)を予測して、今家を作るならQ値をできるだけ上げた家造りをしましょう!との想いです。

私は家造りの技術者で、所謂プロです。家造りを生業にしてから早24年経ちます。また自分の家を作ってから20年経過します。自分の家はQ値1.9w/m2Kで、今で言う高断熱高気密です。家中暖かく快適な家ですが、何時も冬が来るともっと断熱性を上げておけば良かったと思います。

20年前の灯油の値段を覚えてますか?40円/Lですよ。今は93円/L。およそ2.3倍。当時の高気密高断熱住宅はFF式ストーブで1台で家中暖められる、それも灯油だから安い価格で・・・と言って勧めてきました。しかしそのまま、まだ灯油で暖房していたなら当時より2.3倍も高い暖房費です。
つまり当時Q値1.9w/m2Kの家を建てたつもりが、20年後は実質Q値3.6W/m2Kの家に変わったと同じ感覚となるのです。

なぜあなたは、高気密高断熱の家を建てるのでしょうか?

私は何時もその回答は、
「家中暖房するときのランニングコストを下げるため」
といっております。快適性ではありません。それは・・・

Q値が2.7で上手に暖房計画された家とQ値が0.9の家の快適性はあまり変わりません。

Q値2.7とQ値0.9では暖房費が3倍以上違うだけなのです。Q値1.8の家とQ値0.9の家では暖房費が2倍違うのです。ここがポイントです。

今Q値1.8の家で年間暖房費が10万かかったとしましょう。しかし20年後エネルギー高騰して電気代が倍になったら20万かかるのです。一方Q値0.9の家では5万しかかからない暖房費が、10万になるだけ。つまり今のエネルギーの値段なら5万の差が、20年後は倍の10万の差になり、エネルギー高騰の影響を受けやすくなるのがQ値が低い家なのです。原発事故が起きた今、日本の電気代は確実に高騰に向かいます。

そして間違って低いQ値を建築してしまった最大の問題が、

建築した後では、断熱性のアップはとても難しく現実的では無いことです。外壁を全てはがし、サッシを取り替える・・・、床下の断熱材のさらなるアップ、特に気密性のアップはとても現実的ではなく、不可能といって良いほど難しい工事です。自然素材に内装壁を変更することや、床面積を増やす事は簡単だけれども、断熱性と気密性のアップは尋常ではありません。だから新築時に行うしか無いのですね。

仮に30才で家を建てて20年はあっという間に経ちます。私がそうですから・・・。例えば30年ローンを組んだとして、20年後の50才まだローンが終わっていないのに、周りの新築住宅はQ値1.2位が当たり前・・・。このとき自分の家と比較してどう思いますか?老後を暖かい家で暖房費を気にすることなく過ごしたいと思いませんか?また家を新築することができればラッキーですが・・・。

今、太陽光発電パネル設置に150万かかるとします。私ならこの150万は断熱性アップに使います。太陽光発電パネルはいつでも後付け設置可能なのに対し、断熱気密は新築時でしかできないからです。これは実際高断熱高気密の家に20年住んだ経験者からの誠意あるアドバイスです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする