ゼロエネルギーハウス着工とその解説

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昨日は大変寒かったですね。皆さんお疲れ様です。

完成スタディー模型。耐震等級2、Q値0.99 何れも国認定。長期優良住宅の小新ゼロエネの家。

吹雪のなか地鎮祭が執り行われて、いよいよゼロエネルギーハウスが着工です。

ゼロエネルギーハウスとネットゼロエネルギーハウスが今年度はあり、前者が国交省、後者が通産省の補助金事業です。同じ性能の家なのにどうして管轄が違うのかが不思議です。

このゼロエネルギーハウスはエネルギー削減率が123%にもなる大変高性能な家なのであるはずが・・・

実は大きな評価方法の問題がありQ値0.99では123%よりもっと削減率が大きくなるはずです。

それは・・・

↑が「緑の家」SSプランの性能Q値0.9w/m2Kで国の定められたプログラムで算出した削減率です。赤丸に注目ください。
Q値0.9としたとき省エネ量が78.3GJで太陽光発電パネルが5.9KW乗せて削減率123%。一方・・・


こちらは「緑の家」のSプランでQ値1.8w/m2Kで太陽光が7kw乗せた家のエネルギー削減率が122%と先ほどのSSプランの家とほぼ同じです。つまり太陽光を1.1KW余計に乗せるとQ値1.8から0.9にした効果があるとの計算結果です。

ちょっと待ったーー(古い)

実はある絡繰りがあり、それでこの結果になっております。

上の結果を算出する前の予備計算プログラムを紹介します。↓

↑これはQ値1.2の時の計算過程です。

↑これはQ値0.9の時の計算過程です。この国が定めたプログラムでは、Q値を1.2以上に上げても、エネルギーは少なくなりません。赤い矢印が削減量ですが全く同じです。つまりQ値を上げても削減量に差がないことになります。

これは・・・

このプログラムが一定の条件下で行っているので、あるところで線引きをしているためでしょう。しかし実際に建つ家は、新潟県であればQ値が少なくなればなるほど暖房にかかる費用が減ることは、経験上わかっています。関東では冬にお日様があるのでQ値を上げてもその効果が薄くなると想像できますが、新潟県ではお日様が「いない」(笑)ので暖房費はQ値に比例することになります。

太陽光発電パネルの1.1KW増しの金額は、パワコン10万とパネル55万で65万程度ですが、SプランからSSプランの家の差額は150万にもなるでしょう。ですが実際はその差額以上の価値はあります。太陽光発電パネルは新築後いつでも設置可能ですが、超高断熱は新築時にしかできません。それに太陽光パネル設置は穴のない屋根にわざわざ穴を開けて設置する事が多く、15年後の雨漏れのリスクが高まります。是非選択を間違わないで頂きたいと思います。

私の家は22年前に建てたQ値1.9程度の家ですが、今思う事はもっともっとQ値が高い家にすれば良かったということです。当時は灯油40円/L、今は110円/Lですね。と言う事は20年後は200円/Lで電気代も1.5倍にはなりそうです。

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