トイレ用の換気扇とサイクロンフード

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トイレの換気扇が壊れたので取り寄せたトイレ用のファン。「緑の家」でもこのパナのファンが標準(人感センサー付)ですが、この取り扱い説明書を見てびっくりしました。

お手入れのページを見ると・・・

なんと、

ユーザーが3ヶ月に一度ブレーカーをOFFにして換気扇の蓋を取外し、電気シャッターユニットをはずし、その内部のプロペラの軸をつまんでプロペラを外して、中性洗剤を使って3ヶ月に一度洗って下さい・・・とあります。

文を読んだだけでも息が切れそうなのに、普通は高い位置(床から2.2m)に設置してある換気扇を3ヶ月一度分解してメンテナンスして下さいと書かれても・・・なかなか無理です。

このようなファンは、プロペラにゴミが付くと軸受けが摩耗して故障します。よってメーカーさんの気持ちでは、出来るだけゴミを排除して欲しいとの願いがこの取り扱い説明書に書かれております。

蓋とシャッターを外した所から説明どおり写真をとると・・・
こんな感じ。

以前のプロペラは取りはずし不能で洗うことができない。

「緑の家」のお引き渡し時には、

「このファンは外側にフィルターが有るのでそこを掃除機でなでて掃除を月一回行って下さい。」

と申し上げており、数年に1回は蓋をはずして内部の汚れを見て頂く事を推奨しておりました。

だから・・・3ヶ月に1回の分解は・・・厳しい。

しかし取り扱い説明書をよく見ると、

標準使用時間が想定されており、

トイレなら2614時間/年と・・・結構使う前提です(1日7時間・・・w)。

「緑の家」は使った時だけ最大15分動く仕様で、短いときは6分で止まります。

よって年間使う時間は600時間/年・・・。

汚れは時間に比例するので、計算すると「緑の家」の推奨分解メンテナンスは4年に一度となります。これなら今までの想像どおりです。

さてこのパナのファンは様々な工夫がされており、流石換気扇メーカーの巨人です。

内壁が汚れにくくなる逆流防止用ゴムパッキン(矢印)。

比較的消費電力が少なく気密性もある電気シャッター

なんと言ってもこれ!
掃除機で表から吸い取るだけの逆転発想のフィルター。

「緑の家」では特に換気扇とエアコンは拘りがあります。シンプルで安価で基本性能が良いこと・・・です。

次は「緑の家」のダクト換気に使うサイクロンフードの事・・・。

このサイクロンフードは最近の換気扇部材で最もすばらしい部品だと思っております。

機能はそのまま形になってこそ美しいと思いますが、まさしく中の機能を知らなければ変な形のフードだね・・・で終わります。

このフードは100Φ用と150Φ用があり、通常は100Φで十分なのですが、風量の大きい時には100Φでは圧損が大きすぎるので150Φを使います。ではその境は・・・

ということでケィ・マックさんに伺うと、

赤文字と青いハッチングは私が書込みしたもの。

直ぐに送られてきました。

なるほど・・・100Φは80~150m3/h(これ以上は圧損が高すぎる)までとしてそれ以上は150Φが良さそうです。ただしフード、ダクト等圧力損失計算を行う事が重要です。

流量があまり少ないと旋回流ができないので効果が全く無くなりますから注意しなければなりません。

この捕集率実測で使った2.5Φの発泡スチロールを発泡倍率60倍で計算すると、蚊の半分くらいの重量で0.001g(1mg)。このくらいなら一番問題となる羽虫も補修可能でしょう。何事も裏付けが大事です。

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コメント

  1. Asama より:

    最初に・・・ありがとうございます。はな様への返信を造るときにダクトレス換気をネット検索してコピペされた画像見つけました。

    >キッチン排気を強運転にした場合、逆流が発生するのではと考えております。この対策としてはやはりコメントにあるように、連動する給気扇にするしかないのでしょうか。
    返信したとおり
     「局所換気扇が作動したときに家の中の負圧が大きくならないように連動する給気扇(所謂同時給排気)か、給気口が一時的に大きくなる仕組み(キッチンのレンジフードをONしたときのように連動する電気シャッター付きの給気口など)を」
    です。
    >ブログではトイレの排気を90m3/hとしている事に驚いております。ダクトレスで静圧を確保できる換気はどのような製品があるのでしょうか。

    これも先回返信したリンク先の一番下の図(P-Q曲線)にあります(製品も)。
    https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2021/04/29/post-32751/
    お伝えしたとおり、トイレの換気量が120m3/hが一時的に増えても、その時の差圧の最大が30Paなので弱運転で使用してもP-Q曲線から排気量がわずかにとれる事(逆流なし)が読み取れます。強運転なら逆流はしないどころか余裕で排気量を確保できます。

  2. はな より:

    返信ありがとうございます。詳しく説明して頂き、感謝します。
    排気側の換気扇を静圧が確保できるものにする必要があるという事ですね。現在トイレはパナソニックのパイプファンを検討していますが、キッチンの換気扇が近くにあり、キッチン排気を強運転にした場合、逆流が発生するのではと考えております。この対策としてはやはりコメントにあるように、連動する給気扇にするしかないのでしょうか。また、ブログではトイレの排気を90m3/hとしている事に驚いております。ダクトレスで静圧を確保できる換気はどのような製品があるのでしょうか。

  3. Asama より:

    はな様

     コメントありがとうございます。

    >家は負圧になっているという事でしょうか。

    はい、そのとおり少し(10Pa~30Pa)に負圧になっております。
    「緑の家」では24時間換気は第一種換気システムで、一般時には内外圧力差はほぼ「0」ですが、局所換気扇をONしているときだけ負圧になります。

    >どこかの吸気口で逆流したり‥という事にはなら無いのですか。

    給気口からの逆流はありえなく逆に給気流量が増えます。一方排気口からの逆流も「緑の家」ではありえませんが、巷で壁に設置する所謂ダクトレス換気では逆流している可能性は高いでしょう。「緑の家」が使う換気扇はダクト式と個別式の2種類があります。ダクト式は静圧が大きいので(200Pa以上)トイレの換気量120m3/hが増えたくらいではほとんど流量は変わらないでしょう。個別型も先ほどのダクトレスとは違い、静圧がキッチリ出せる換気扇を使っているので排気側から逆流はありません。

    >吸排気を考えたときに、局所的に可動するトイレ等の排気をどのようにコントロールされているのか気になります。

    局所換気扇を使っているときに給気口から給気が増える事は真冬以外特に問題ないと思いますが、排気口からの逆流で給気されるのは問題でしょう。ですので排気換気扇のファン(モーター)が逆流を起こさないようなしっかりと静圧が確保出来る換気扇を選定する必要があります。もしそれが出来ない場合は、局所換気扇が作動したときに家の中の負圧が大きくならないように連動する給気扇(所謂同時給排気)か、給気口が一時的に大きくなる仕組み(キッチンのレンジフードをONしたときのように連動する電気シャッター付きの給気口など)を設けないと、ご指摘のように家の換気計画が崩れることになります。特に気密性能が高い住宅ほど影響を受けます。

    そのことは↓で記載しております。ご覧ください。

    https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2021/04/29/post-32751/
    https://arbre-d.sakura.ne.jp/blog/2018/07/06/post-17551/

  4. はな より:

    初めてコメントさせて頂きます。いつもブログにて勉強させて頂いております。有益な情報ありがとうございます。トイレの換気について気になりました。パナソニック製ファンが標準で最大15分動かすとの事ですが、その間、家は負圧になっているという事でしょうか。どこかの吸気口で逆流したり‥という事にはなら無いのですか。家全体の吸排気を考えたときに、局所的に可動するトイレ等の排気をどのようにコントロールされているのか気になります。是非教えて頂けると幸いです。