「緑の家」はA、B共に耐震等級3が標準に

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住宅業界では耐震等級3が一般的になるだろう。業界情報誌でも強くPR。

数年前から「緑の家」では積雪が1mを超える地域でもほぼ全棟で耐震性能が等級3以上となっている。積雪1mでの耐震等級2は、雪の降らない関東の等級3と同等であると以前ブログで紹介した。つまり積雪1m以上ある地域の等級3はそれ以上の耐震性を示す。

先日設計を終了した「京極町の家」だけは耐震等級2である。この理由は屋根勾配が45度も有りほとんどの雪は落ちるはずであるが、法律上の決まりで積雪荷重を最低限の1mとすることが出来ないため。京極町では落雪出来ない屋根は積雪2.3mで設計する必要がある。雪が滑り落ちる屋根は2.3mから減じて最低1.4mにして構造計算を行わなければならない。

「緑の家」の標準が耐震等級3になった訳は・・・

やはり4年前の熊本地震の影響が大きいだろう。
震度7クラスが2度来る可能性が示されたこの地震で、構造の専門家は地震後の余力が必要であるとの認識になった。正しく構造計画された等級2であれば震度7クラスでも半壊は免れると思うが、2度震度7クラスが短期間にくれば半壊以上、倒壊もあるかもしれない。

そこで「緑の家」のポリシーである、

安全(耐震)・耐久性 > その他の性能(間取り、デザイン、温熱など)

であるためBグレードでも耐震等級3を標準としたいと思っていたところ、ここ数年前からの建て主さんのご要望も「耐震等級3」が必須とのこと。渡りに船であり現時点で何も指示がなければBグレードでも耐震等級3を標準としたい。Aグレードは従来どおり耐震等級3が標準のまま。

となると・・・

2階の天井上(つまり屋根下)の桁上全面に28mm合板が貼られる。

ほとんどのプランで構造用合板28mmを2階の天井上にはることになり、価格上昇は必須となる。よってBグレードの価格を少しアップせざるを得ないので皆様にはご了解を頂きたいと思う。とうぜん吹き抜けがない、1階の間仕切りが細かい、大空間(自由な間取り)がない場合は2階上の構造用合板を貼ることがないので今までどおりで問題ないが、大きい空間や吹き抜けがある場合は2階天井上に合板合板設置の上、基礎アンカーボルト等が増えるので少し価格が上がる。合板と貼り手間など含め1~2万/坪アップとなる。

等級3の目に見えるメリットは耐震等級2と耐震等級3では地震保険の減額幅が違う。耐震等級3になると一般住宅の保険料のほぼ半分である事に対し、等級2であると30%オフに留まる。

あの熊本地震を素直に受け入れれば耐震等級3は建築士として当たり前の対応だろうと考える。

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