昨年より少ないのに高い電気代 続き
何故ペアガラスを使うのか?

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近所のセルフスタンド。ハイオク179円と私にとって運転人生で最も高い価格。

誰もが感じるガソリン価格の高騰。田舎であればあるほど車移動が生活の一部。仕事に行くにも車で30分走る人も多いだろう。となると否応でも無くガソリン価格が気になる人が殆ど。

するとEVならいいかとの話もある。EVなら昨今のガソリン価格の上昇でも直接影響はまだない。それも賢い今後の選択肢だろう。15年前にガソリン価格が高騰した折にプリウスに乗っていて、燃料代は大変助かった記憶がある。しかし当時のプリウス病にかかり、燃費ばかり気にしすぎて運転がつまんなくなってしまった事があるので、EV車はまだ乗るつもりは全くない。なぜなら自身の性格上どうしても充電場所が気になるため、プリウス病と同じように運転にいらぬ気を使うはずで、運転がたのしいと思うような車の選択が大事なのに燃費や充電ポイントやそれを「待っている人」にもに気をつかうような事はもう二度としたくない。充電ポイントのEVに対する割合が現在のガソリンスタンドの倍(急速充電器数がスタンドの給油2倍以上の割合)になれば乗ると思う。

さて・・・昨日超高断熱住宅なら樹脂サッシペアガラスからトリプルガラスに代えても燃料代(電気代)は数パーセントしか変わらないと申し上げた。そのエビデンス(根拠)は下の通りのシミュレーションである。

大野町の家の年間冷暖房費の比較。全てトリプルガラスからペアガラスにしたとき2%の124kwhの差。冬期日射取得熱の入りやすさを無視しても1.3倍の164kwhとなりそれでも大きな影響はない。
シミュレーションした大野町の家(新潟市)

ピンク色の網掛け部分が年間の電気使用量の差である。僅か2%下がるだけ。電気料金にして35円/kwhなら年間4500円である。仮に30年でも13.5万。もし電気料金単価が明日から倍の70円/kwhで30年間続いても27万である。30坪の家の樹脂サッシペアガラスから全てトリプルガラスに仕様アップすると25万~30万ほどかかる。つまりペアガラスとトリプルガラスの差分は30年の償却期間となる。これで雪国の新潟県新潟市のシミュレーションだから関東など冬期晴れる地域は確実にペアガラスLow-Eの方がトータル的に見てもお得感がある。壁や天井、基礎など半永久性能で且つリフォームで簡単に断熱強化できないところは、目一杯の断熱性能をとり、開口部のようにガラス自体に20~30年の寿命ががあり、15年後にも取り替え又は付け足しができるところは樹脂サッシペアガラスでもよい。当然トリプルサッシの価格が下がれば直ぐに標準採用する。このような判断で「緑の家」のBグレード標準は未だにペアガラスである。一方Asグレードで使うフレームまで断熱材が入っているトリプルサッシは、フレームの結露が抑えられるので、冬期RH45%を維持できる可能性がある。そのため家では湿度を少し高めに過ごしたい人には、電気代とコスト云々できめず、フレームまで断熱材が入った超高性能トリプルサッシ(Asグレード標準)を選択すればよい。一方普通のトリプル入りサッシはではRH40%以下としないと冬期は結露の恐れが高くなり、その性能の中途半端感が否めない。このように超高断熱住宅の仕様優先順位は、トリプルガラス化より基礎の正しい高断熱化だったり、壁の高断熱化が優先されると考えている。特に太平洋側地域ならペアガラスでも良いだろう。但し将来容易にサッシを取り代えられることを前提にする計画としてお薦めしたい。

今後世界の化石燃料情勢は高騰こそあるが大幅な急落はないと考えられる。暖房も冷房も今や電気が主となるが、その電気代が今後も高くなることは「緑の家」の超高断熱推進理由である。それは13年前から全棟G3並みの基準で設計しており電気代の高騰は折り込み済みであるが、実際その状況になるとやっぱりきつい。10年前に省エネ基準で建ててしまった住宅は今後、暖房費におびえながら冬期を迎えなければならないが、その点「緑の家」のオーナーさんは幸運だろう。

さてこれも私は随分前から申し上げているが温暖化(脱炭素の理由である)より間違いなく寒冷化が怖い。将来温暖化すればラッキーでこのまま平穏気候ならスペシャルご褒美と思い、寒冷化する事を前提にした家をつくるべきだと思う。13年前からG3程度の家を作り続けてきた「緑の家」では、今後も20年後を先取りした家造り提供したいので、目一杯の断熱材はもちろん、寒冷化になった時の積雪にも耐え、当然耐久性もある「緑の家」をお薦めしたい。これが「緑の家」にとって次の20年後を目指した「無難な」家造りとなる。また大きな家ではそこに小さな冬期居住区画とそれ以外の季節の区画で仕切れないかな・・・と思っている。

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コメント

  1. H.K より:

    大野町の家の写真、白と木とコーナーサッシのシンプルに広がる空間にぽつんと浮いているような照明、美しいです。
    ブログの内容と関係ないコメントで申し訳ありません(笑)