15年経た「緑の家」の定期点検で・・・その2 レベル

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レベルで基礎の傾きを正確に計測する。

先日ある家の10年目の定期点検に伺った。10年目は有料点検となり2つの大きな検査項目がある。一つは専門業者さんが屋根に上り修繕箇所がないかを見る目視。もう一方は基礎が水平に保たれているかを測定する計測。

こちら側は一部平屋部分がある建物荷重が少なめのところ。

新潟県の場合その多くが地盤改良を行なう。これは新潟平野が河川の氾濫でできた肥沃な大地のため、その地中には未だに有機物が多く混在しており、これらが分解されるにつれて空隙がうまれ、所定の地盤の長期許容応力度が得られなかったり、中長期で不同沈下の恐れがあるためである。地盤改良を行なうと保証があるが当時の地盤保証は10年がおおく、その10年になる前に地盤によって基礎の傾きが発生していないかを確認する。もし規定以上の傾きがあれば、調査して地盤保証で修繕することになる。よって本来10年より前にメンテナンスすることが原則だが、何も住んでいて問題ないので違う件で気がついたときに連絡を受けることが多い。今回はトップライトのメンテナンス案内でそのついでの検査となった。

長手方向で20mちかくある建物。

さて計測すると、最大の傾きは1/1000であり、他は1/1000未満となる。これは品確法で定める(技術規定で国の告示)中古住宅の6/1000以下は無論、新築時の規定値である3/1000未満も当然余裕でクリアーする。また基礎にもヒビはまったく見られずよって問題く健全である。
一方このようにミリ単位で測定すると、平屋部分が2階建て部分より沈下せず、重い2階部分がより沈下する傾向にあり、最大変位1/1000であるがこのあたりは教科書通りの挙動となっている。

こちら側が総2階部分。

築15年後に建物の健全化をみること・・・これは省エネや高気密高断熱などの温熱性能維持より先にある基礎・・・「緑の家」が第一に優先性能とする耐震性と耐久性の担保である。

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