ドレーキップ窓と庇は無難な象徴

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南側にも窓は沢山あるが、全て遮熱型ガラスで紫外線95%カット。

先週長岡市に建築中の「緑の家」の防水検査と気密シートのチェックに長岡千代栄町の家に伺った。

足場に上がって最初に思ったことは・・・「良い色だな」と思った。これは外壁はいつも白なのだが、屋根が初めて使う新ガルバニュームのSGL「シルバーブラウン」で、これが白い外壁と似合う。今後お勧めしたい色。

新高耐久性ガルバニュームであるSGLの中でも屋根にふさわしい耐摩鋼板のシルバーブラウン。少し高いが屋根は耐摩鋼板なら人が靴で上がってもほぼ心配はいらない。

同じガルバニュームでも「耐摩」がつくと表面の傷がつきにくい素材となるが、雪国以外あまり一般には浸透してしない。雪下ろしがあった雪国ならでは配慮であったが、屋根を造るとき、私たちが検査するときに人が靴のまま屋根に乗っていても気にならい鋼板屋根。

本題に入る前に・・・

長岡千代栄町の家は、耐雪2.5mの耐震等級3という頑強な建物性能で、Ua値0.22W/m2kと等級7をクリアーする。その一方「緑の家」としてはBグレードがベースになっており、そこにサッシのグレードを上げて0.22w/m2kになっている。先回のブログで紹介したAグレードでUa値0.19w/m2kであっても下のとおり

Ua値0.19w/m2kなのにBEIは0.65と控えめ。これは日射熱取得0.7と低いこと、給湯器がガスであることが大きい。

BEI(基準に対する設計の割合)が0.65とGX志向型住宅の基準ギリギリに対し、断熱性能が低いBグレードの0.22W/m2kのほうが余裕を持ってクリアーするという不思議さ。これは日射熱取得性能だけでなく、換気とエコキュートと南側の開口部の大きさが原因となっている。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSCF1973.jpg
家中のガラスは方位に限らず遮熱型ガラスを仕様となる。

それでも開口部のガラスは日射熱取得型より遮熱型ガラスをよいと判断して標準として使っていく「緑の家」の決意は固い。

さて・・・本題だが、「緑の家」では10年以上前からドレーキップという窓だけを使っている(や無得ない状況以外)。

ドレーキップの窓。フレームが大きいが、可動部ならこのくらいはほしい太さであり30年間気密を維持するにふさわしい。

こちらの長岡千代栄町の家でも同様であり、操作するたびにドレーキップ窓がやはり最高と思っている。

なんといってもメカ好きな心をくすぐる2つの開き方であるが、窓をほとんど開けない「緑の家」では説得力がない。

サッシの横側を見ると、SUSのバーで囲まれている障子だとわかる。これでしっかり3点留気密となる。

しかしその2つの開き方を可能にするために、サッシの周囲には頑丈なSUS製のバーで取り囲まれる。これが他に見られないサッシの枠の仕様。

下部の気密留金物部分。

自邸は訳あって開き戸の大窓となっているが、操作するたびに開き戸の華奢な閉まり具合に対し、ドレーキップのがっしりした安定感はうらやましいと思う。検証をそのうち行いたいと思うが、経年劣化ではこちらのSUSバーで囲まれたドレーキップのほうがよい気密性を維持すると思われる。

またこちらのサッシは全て「UFシリーズ」で樹脂のサッシ枠内部にまで断熱材が詰め込まれている最高品質の樹脂サッシ。建設地である長岡市は新潟県でも有数の豪雪都市になり、サッシ枠に雪が積もると枠の熱伝達率が急激にあがり、サッシ枠の結露発生率が高くなるため、予算が許せばこのようにBグレードであっても窓だけは最高断熱性能をもつUFシリーズがよい。

UFシリーズは、サッシの枠にも断熱材が入っている。

私はもう10年前からこのドレーキップが高気密高断熱住宅の定番品種になると思っていたが、世の中の主流にはなっておらず一部のマニアックな人だけに受けている。これは引き違いサッシの気密寿命が低いということまだ体感していないためであろう。建築後20年目の考えた時に高気密住宅では引き違いサッシは鬼門となり、この引き違いサッシから気密は破壊される。そんなことを世の中が実感するまであと10年かかるのだろう。そう考えると「緑の家」この無難な仕様は20年先を行っていると思う。当然私は32年前から高気密高断熱住宅に住んでいるのでわかっていただけの事。

そして同様に窓上の庇の同様である。

長岡千代栄町の家はBグレードながら窓は仕様はAグレードの取り換え型を選択しており、窓の位置はこのように外壁より一歩下がった位置に設置される。ここで重要なのが庇の納まり。「緑の家」では庇の納まりが2種類あり、Bグレードの主に簾の保護のためにつける庇と、Aグレードのようにサッシ自体の防水性を高めるためにつける庇がある。今回はAグレードの庇のため、その上部おさまりは屋根と変わりない納まりで、雨水は庇上に流れるようになっている。ここに意外と手間がかかるが、サッシ周囲からの漏水は最も多い雨漏りの一つ。よってここに手間をかけ防ぐことで無難な雨仕舞が可能。

庇廻りの納まり。耐雪2.5mのため屋根の出は小さく、庇が大きいことが特徴。

最近の家は庇がない家が殆どであり、たまに庇があっても後付け庇でありサッシの防水性を守る機能ほとんどはない。一方このような先につける庇は、屋根と同じ納まりを取るので、屋根と同様の防水水を屋根と同様の年数維持できる。派手な事ではないが、このような目に見えにくいところこそ、高耐久性住宅として価値があるといえる。

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