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エネルギー問題と建築士

日本の家庭は他先進国から見るとエネルギーを使わない優等生。

これは昨年ブログにも書いている。

だから地球規模の温暖化防止対策を日本の家庭が努力しても効果は薄い。

それはわかっている。他先進国との比較も大事だけれど、

比較ではなく、自分の感覚を研ぎ澄ましたい。

高気密高断熱住宅に住んで約20年。

Qt値が約1.8w/m2kの性能だけれども、それでも暖房費は大きい。

また、暖房の燃料はつまるところ殆どが化石燃料とウラン。

しかしこの二つは日本にはほとんどなく全て輸入。

だからもっとエネルギー消費をなくしたい。なぜなら・・・

暖房や給湯はエネルギー損失が大きいと感じる。

心が感じるのである。

だから、もっとQ値を高くし、損失をなくしたい。

給湯で捨てている熱を回収したい。

そう思ってSSプランを造った。

ドイツは暖房に相当エネルギーを使っているから

パッシブハウスがある・・・と聞いた。日本の家庭は優秀だし、

標準が関東(温暖地域)だから、

そう力を入れなくともよいのでは・・・という。

比較ではなく、エネルギー資源がほとんどないこの国住んでいて

冬、日射がない新潟だからこそ もっと暖房エネルギーを

減らしたいと感じるのである。

エネルギーは準寒冷地に住む我々には一番重要な問題。

豪雪地、新潟では凍死という死の恐怖を拭い去れない。

心が寒さから開放され豊かになるためにも

この恐怖を住まいで遠ざけたいと感じるのである。

その昔、東北や北陸では凍死者(冬を越せない者)が大勢いた。

夏が越せなかったという人は少ない。

この感覚は、冬でも路上生活できるほど寒くない、

冬に日射に恵まれた関東の人にはわからないかも知れないが、

「理解」はできるはず。最初から思考を停止させてはいけない。

島国日本。今後の世界情勢を考えると、

家はその島国の中で自立可能なように日本にある資源で

日本の人は暮らしていけるように目標を立てたい。

自分で使うエネルギーや資源は、

全て身近なところで間に合えば、とてもそれは豊かである。

50年以上使っていただける長期住宅を考えるときに、

避けては通れない問題である。

ただ単に太陽光発電等の電気が主流になるだけの

予感では、我々建築士は仕事をなしていないと言える。

この国を引き継ぎぐものに、目標や光を指し示したい。


リビングは要らない!そのとおりです。

そのとおりとすんなり受け入れられる家族論でした。
今日、上野住宅建材さん主宰の講習会での「家族論」は、少なくとも拙宅にはぴったりのお話でした。その内容とは

1.リビングなんていらない。

2.プライベート仕切り、及び個室必要なし!!

3.超個室化万歳&個と世間がつながる家!!

4.家族に団欒は空想!!

5.ラボ付住宅は重要!!

と普通にこのまま聞いたら「アホですか?」と思うような内容です。
しかし拙宅は実はこのとおりのプランで、そのまんまです(笑)。

実は今まで拙宅のプラン又はお手伝いした家については公開してませんでした。建築士なのにこんな非常識なプランを考える人に設計などお願いしたくないだろうな と思ったからです(お手伝いした家についてはプライバシー問題)。
ところが・・・今日の講師の南先生のお話で、この考えのほうが生活に対し正直にプランしていると考えが変わりました。

拙宅は
1階はサブキッチン付き土間10帖+たたみ6帖で、この空間がラボ(研究室)になっています。庭から巾2.6mの開口部でほとんど段差なし入れる空間です。玄関は通りません。月2回ほど妻が友人と大勢で(8人以下)手仕事をするときはここを使います。ですので普段はここを使うことはありません。だから断熱区画を施してあり、この部屋だけ寒くしたり暑くすることができます。
他に1階は風呂、洗面所、トイレ、クローク6畳でトイレと風呂に戸があるだけで、洗面所に戸はありません。

2階は32帖ワンルームです。ここにメインキッチンが設置され、大きなダイニングテーブル2.1m×1.1mがドンと置いてあります。このダイニングテーブルは数年に1回位置が変わります。そのほかパーティションで妻ベットと娘部屋が軽く仕切られ、ここも1年に1回は配置替えがあります。個室はありません。
リビングはなく、ダイニングの横にちゃぶだいがあり、そこに長さ2.2mのソファーベットが2台が並びます。食事はこのちゃぶだいかダイニングテーブルで、その時の事情でどちらかになります。
少人数(友人4人程度)の集まりがあるときはこの2階の空間で行います。無論、妻ベットや娘の部屋が見えてます。また、本や物が多いながら適材適所にしまわれている不思議な空間です。またこのダイニングから屋上菜園に直行でき、食事にあわせパセリや飾りつけ葉っぱを取ってきます。

部屋の壁は全てシナベニア。「緑の家」の定番の白い壁ではありません。しかし明るいのは、海に面して大きな窓があるためでしょう。狭いながらも居心地は最高です。

隠すことができない家なので、思いやりが自然に生まれます。着替えているときはそちらに行かない配慮とか、静かにしてほしいそうなときは、1階のラボへ行くなど・・・。

内容の1.のリビングはないですし、2.の個室はありません。
3.4.の超個室化というのは、ご飯を食べ終わったそれぞれ好きな場所で好きなことをします。だから個室「化」であって個室ではなく、間違ってもリビング?に集まって団欒などありません。で、各人の外とのつながり(携帯、メール、ネット、外出)は個々の自由です。5.のラボも重要です。これは手仕事の会を主宰している妻の空間です。普段は使いませんが、いつ人が尋ねてきてもよい空間となってます。最後に超個室化に旦那の個室化かラボが必要です。私の場合はそれが自宅外の事務所で、好き勝手なことができます。超個室化万歳です。

どうですか?今日の勉強会の内容のとおりですね。
この家で19年間暮らしてきました。あるときは全く仕切りがなく、ダイニングにベットが置いてある状態でよく人を招いてましたし、あるときはクロークにベットがあったりしてました。つまりそのときに応じて間仕切り位置を変化させてきました。
こんな家を薦めることはタブーだと思ってましたが、これが変化に対応できる家と今日実感しました。リビングがなければ団欒ができないと思っている方は、それが空想だと思ってください。リビングは名ばかりで、家族同士無言でも一緒にいる時が団欒なのです。子供が小さいときはダイニングであったり、寝室であったりしてその時(年)に応じて変化してます。ここがリビングと言う概念は捨てたほうが、きっとよい家ができます。きっと・・・。そしてリビングと部屋数がないのは、コンパクトな家になります。逆を言えば40坪以下の家では使わないリビングは無駄です。

とこんなことを建て主さんに薦めたら「アホですか」と言うことになると今まで思っていましたが、今日からは堂々と勧めてみます。
これが現在の核家族の日本人に合っている気がします。特に優れているのは無駄がないためローコストででき、変化に対応可能だということです。元々日本人の会話は「めし」を食べるときだけであって、リビング(居間)という部屋で会話はありえないでしょう。

こちらは1から5とり入れたI邸。リビングはなく、こだわりのラボ兼ダイニングスペース。2階ながら直接外からの出入り可能

そうそう、広い庭も絶対に必要です。これは今日のお話でありませんでしたが、講師の南先生の家の「蛍が飛ぶビオトープ」は大変有名ですから・・・。

最後に誤解しないで頂きたいのは、この家族の根底に信頼と愛情がなければいけません。好き勝手ばらばらではなく、各個人を認め合って尊重する姿勢があるから可能なのですね。


ネットは簡単に削除可能。その① これが一番の問題。

よい家を建てるには、正しく情報を処理できる人、企業、会社をパートナーにすることが一番重要であると思います。既に商品が完成している建売住宅は、他の購入品と同じようにそれだけを評価すればよい家を手に入れることが比較的簡単に可能です。
しかし、まだ世の中に存在していない注文住宅の場合、設計図さえも世の中にまだ存在していないわけですから、その設計図からスタートです。設計図とはどの世界でも最も重要な行為成果物で、ここで間違っている情報で設計すると、完成した家も数年で価値のないものが出来上がります。

さて、ここから本題ですが今はインターネット全盛で、ほぼ全ての製品の仕様説明がネット上から見れますが、これをいちいちペーパーにダウンロードしてみている人は少ないですね。ここが問題です。
建設会社のHPへ行くとめまぐるしく商品が更新がされていて、一ヶ月前に見た仕様やデーターがきれいさっぱり削除されております。一ヶ月間には
「私の過去の経験やいろいろを調べた結果、基礎は○×という基準、施工にしましました」

と書かれていたはずなのに、もうそのページが削除されています。多分間違いにきづいたのでしょう。
人間ですから間違いはあります。その間違いを誤魔化さず訂正線などで直し、理由や場合によってはお詫びすればよいかと思います。まるっきり削除では、誠意のかけらもありません。勉強が足りません。そんな会社に、50年も維持する家を頼むことができますか?

ここに大きなインターネットの問題があります。簡単に今まで主張が削除できるのです。全く反対のことが書いてあっても証拠はありません。
過去のHPを違うサーバーにコピーでもしてあれば、ITの最大長所「コピーの無限可」がいかされますが、よほど問題(裁判や犯罪)でもなければそんなこといちいちしている人はいません。

とにかく、家造りでよいパートナー(企業や人)を見つけるには、書物(パンフレットではない)を出版し容易に削除できないようなっている仕組みか、過去のホームページやブログを一切削除しないで、公開している人や企業がよいですね。
住宅産業だけです。過去の家造りや、新商品(新仕様)が出ると前の仕様を削除する企業は・・・。
出版物は簡単には訂正できませんから慎重によく調べ、時には第三者から精査してもらいます。ですのでネット情報とは違い、ある程度正しい情報が発信されます。
正当な理由もなしに今日から家の仕様が急に変わりますといわれたら、それ以前に建てた人はどう思うのでしょうか?
正当な理由とは法律が変わったとか等で、その理由を明確にする必要があります。特に構造や断熱に関わる数値(基礎、コンクリート、木軸組、性能評価)などです。


寒くなるとストーブが気になりますね。

最も大きいクラスの薪ストーブでダッジウエスト社製のセコイアです。これは今秋に竣工した家の写真です。
これより小さいものにセネカがあり、両方とも外気導入口を持つ薪ストーブです。
高気密住宅では特に重要な外気導入口についてはいろいろなサイトでその必要性が述べられていますのでここでは割愛いたします。
このストーブを最初に設置したのは、17年くらい前だったと思います。その当時外気導入口付きのストーブはあまりなく、数種類だったと記憶しております。
現在は国産ストーブでも外気導入口付き機種が販売されておりその認知が進みました。

さて、「気に入った薪ストーブがあったのに外気導入口がない。」と言うことであきらめる方もいらっしゃると思います。
その時は、ストーブの近くに別に穴を設けてあげれば、ないよりは随分よくなります(そもそも外気導入タイプでも、半分から70%の空気を外気から取り入れ残りは室内の空気を使う機種がほとんど)。

このストーブは新潟県内で今夏竣工したS邸のストーブですが、ストーブ本体に外気導入口がありません。しかし建て主さんはどうしてもこのデザインとオーブン機能にほれ込み、なんとかならないか?と要望されました。そこで、このストーブ真下に、スイッチで開閉する100φの穴を設けました。
薪ストーブを使うときにそのスイッチをつけると、穴が外部とつながる単純な仕掛けです。
単純ですが、このパイプの周りを断熱材でしっかり覆ってます。これが無いと外気で冷やされ、床下、及び床で結露してしまいます。
あたりまえですが、こんな小さな事象でもきっちと設計します。多分一般の家では床下が低いため結露しているかどうかも確認は難しいでしょうが、緑の家はいつでも床下が見れるので、直ぐにわかります。

よってストーブはお好みで選んで頂いてもOKですが、写真ように周囲の耐熱壁や床の不燃材はこのくらいはほしいですね。よく雑誌や写真で見かけをスマートにするため、ストーブの周囲に少ししかないものを見かけますが、使いにくくて仕方ないと思います。
特に床の不燃材は仕上げは大きいほうがよく、一時間に一回は行う薪入れで、薪自身の粉のような皮が落ちたり、砂が落ちたり、また燃えている火の粉が落ちる場合もあります。
また半日分の薪置き場も必要ですから、写真のような大きさくらいは必要です。

今回の両宅では、薪ストーブはあくまでも補助(週末用)で、主暖房はエアコンや床下暖房です。薪ストーブはそんなにエコでないことと、燃料代も結構かかりますから趣味的要素が高い暖房器具です。

ちなみにこちらのストーブがほぼ100%外気を使って燃焼するスキャン製薪ストーブです。薪ストーブ中ではとてもコンパクトですが、Q値1.9W/m2kの家のため必要にして十分の能力です。ちなみにこの家の吹き抜けだけでも20帖を超え、気積では57坪(114帖)の空間を暖めますが、十分暖かいです。


長期優良住宅の補助金100万円が申請が延長に!

延長になりました。

当事務所の「緑の家」でも利用させて頂いている長期優良住宅(現在着工中の家あり)の100万円の補助金が、申し込み延長になりました。11月15日時点で補助金枠5000件に対し2900件の申し込みしかなかったので、延長になったとのことです。
画期的なことは理由があれば5月末までご入居であれば大丈夫ということ。雪の多い季節になる新潟県では大助かりです。
この補助金は、先の先導的モデル事業とは違いほぼ100%(申し込み総数が5000件で打ち切り以外)もらえるので安心感があります。
緑の家では標準仕様のSプランで該当します。補助金がなくて困っていた皆様には。大変なクリスマスプレゼントですね。

上は前回の参考書類です。

当事務所のスケジュールでは1月に実施設計が終わらなければならない事になりますが、今年中に基本設計が終われば何とか間に合う予定です。詳細はお問い合わせください。

多分来年度も100万の補助金はありそうです。国会の予算審議が終わる3月ころまでは確定すると思いますが、準備するに早いことはありません。


電気自動車も家と同じように超断熱化するのか?

新潟の家はQ値0.9W/m2k以下を勧めている当事務所ですが、電気自動車も近々に超断熱化するのではないかと思います。
自動車産業のほうが、住宅産業より進歩しているイメージがありますが、ガソリンから電気に燃料が変わる事で、家のような断熱部材が使われる予感がします。

自動車のガソリン効率は15%以下だそうで、つまり85%は熱として大気中に捨てています。今の車は、この大きな排熱を冬の暖房用としてを活用している時期があります。
スキー場などで経験する零下10度と雪の付着。これを除去するのに暖房は最大で利用しますが、排熱なので存分に暖房エネルギーが使えます。
一方電気自動車の場合、電気効率が80%を超えるので排熱がほとんど出ません。ですので暖房するためにヒーターやエアコンを追加装備しバッテリーの電気で暖房しなければならないでしょう。すると走行に使われる電気が減るので、できる限り暖房で逃げる熱を減らす必要があります。
車は機能上トーメイなガラス=ウインドウが多くつかわれます。その全てが一枚ガラスであり、また走る特性上ガラスの表面熱伝達率(ガラス表面から大気中に逃げる熱)は相当大きく、暖房した熱が非常に多く逃げてます。
そこでガラスを今の家と同じように「LOW-Eペアガラス アルゴンガス入り」等になってゆくと想像できます。(但し着氷雪の融解熱をどう供給するかが課題。逆に全く融かさないとかもある)また、ボディーも断熱材がキッチリと入り、換気も熱交換型換気になっていくと容易に考えられます。
気密性だけは家より数段優れているので変化はないでしょう。これは現時点でも時速100km=風速27m/sで走行しても隙間風を感じないので相当気密性があると思いますが、一度測ってみたいですね。

夏は超断熱化によって熱くなりがちですが、冷房を始めれば超断熱のほうが効率よく冷房できます。問題は駐車時の温度上昇です。いかに畜熱量を減らし、すぐに室内表面温度を下げることができるが重要になるでしょう。そのためにもプリウスが現在オプションで選べるような、屋根にソーラーパネルを乗せその発電力で駐車時の換気を充分行い、室内温度上げない工夫があるのですね。
逆を言えば、車の屋根程度のソーラーパネルでは、換気扇を回すくらいの電力しか得られないということで、バッテリーへの充電はまだまだ先の事です。

蛇足ですが、ガソリン自動車の効率は良くて15%。一方電気自動車の効率は80%で、仮に火力発電で全て電力を賄うとして発電効率を37%とすると0.37×0.8=0.3となり30%の効率ですが、停止時のアイドリングストップや停止動作時のエネルギー回収をいれるとガソリン自動車より3倍くらい効率がよくなるという試算があります。つまりエネルギーが1/3でよいためCO2の排出量が少なくなります。これが巷で言う「環境に負荷が少ない」と言われる所以です。電気自動車で同じ距離を走った場合、CO2を出さないのではなく1/3になるという事です。


無農薬、無肥料、無耕起の畑。自然の中での芋掘りと芋料理

畑には今期初の氷がはっているほど寒い早朝の金山海岸です。
海からまさしく今雲が造られてます」。すごいですね。理科の教科書よりこの風景を見れば、冬型の気圧配置で雪がふる理由がわかります。

さてそんな中、芋掘りが行われました。

天候は晴れ!!
最高の日よりです。
突然のインフルエンザでキャンセルがありましたが、それでも20人弱の人出で芋は1時間で掘り上げる事ができました。
ありがとうございます。

その後は早速芋尽くし料理で・・・

ごちそうさまでした。
みなさん遠いところから、ありがとうございました。

 


新潟での自然素材・・・床は無塗装

この写真は緑の家でよく使うヒノキの床板の8年経過した写真。

こちらは新潟市で竣工当時の松の床板。無塗装ですが、8年たつと上のようにぴかぴかになります。素材は違いますが、針葉樹である松やヒノキ、杉には、木本来が持っている脂(ヤニ)があり、その脂と人間の足の摩擦(分泌類を含む)で表面がピカピカになります。

広葉樹であるカリン、梨、桜、カバ、ナラ、ケヤキ、タモ等では、この脂がないので無塗装ではぴかぴかに成ることはありません。そればかりか、カサカサになり、ざらざらとささくれができます。したがって、床に使う場合は人間が故意に油(オイル)成分を補給します。拙者が小学生だったころ、小中学校では、ナラの床が多かったので、一年に2回以上は油をわざわざ床に塗る日がありました。今の学校はリノリウムやPタイルなのでないでしょうね。40代以上の人は懐かしい油の匂いはまだ記憶にあると思います。

近年は自然素材ブームなので天然木の床を使っている家が多いのではないでしょうか?その多くが間違った使い方や認識をしています。
例えば、針葉樹である松やヒノキの床に蜜蝋ワックス系を塗る行為。これは大変な間違いです。そもそもワックスとはローソクの「蝋」と同じで、常温で固体です。ですので表面に蝋を塗ると薄い膜ができ、「木」本来の吸水性や温かみを阻害します。蝋は蜜蝋であっても床に絶対塗ってはいけません。一度塗ると、2年に一回は塗りなおさないと、表面のうすい蝋が所々はげ、剥げたところだけに汚れが集中して染込み「まだら汚れ」となります。これが一番みっともない汚れ方です。私共事務所では、12年間一度も蜜蝋ワックスをお勧めしたことがありません。今後もないでしょう。これは過去に蜜蝋を塗った木が、不自然で汚れがひどくなる事を経験したからです。欧州で蜜蝋が床のオイルに混入されているのは、彼らは靴や室内履きを使う習慣のため、素足で歩くことがないからです。結果、足からの分泌類は木に補給されず、自然に艶は出にくいし、靴は汚れを持ち込むので汚れやすい蜜蝋でもOKなのです。
針葉樹系の床は間違いなく無塗装が理想的です。木自身の脂でゆっくりと光るその艶は、人工で造ったつやとはちがう品のよいものです。
また温かみがなくなるというのは、無塗装ではどんなにつるっとしても表面がでこぼこしてます。そのため、手や足で触れても密着せず空気が間に挟まります。これが温もりと感じるゆえんです。ですのでその表面のでこぼこをなくす蝋成分を塗ったとたん、冷たく感じます。一度お試しください。目に見えないでこぼこが如何に木の温かみの貢献しているかわかります。
建て主さんが、感覚的に自然素材の木がいいね!という事は問題ありませんが、木のプロである施工会社の人がこういった基本的な木の事も知らずに自然素材がよいと宣伝したりするのは勉強不足としかいいようがありませんね。

さて、今は針葉樹の木のことでしたが、最近は広葉樹の木のほうが多く床に使われていると思います。広葉樹とはカリン、梨、桜、カバ、ナラ、ケヤキ、タモがあります。こちらは脂がないので最初からオイルを塗る必要があります。もともと針葉樹より硬い木がほとんどなので木の温かみが落ちますので、オイルを塗ってもそう印象はかわりません。しかし裸足で歩く場合の床は、ワックスは避けオイルのほうが肌触りやメンテナンスはよいです。スノーボードやスキーをする人なら想像できると思いますが、蝋は水分をはじきます。つまり肌触りにとっては最低な条件です。


早速、ありがとうございます。

ようこそ!スパイラルゲイトへ!
昨日「おいも掘りとおいもづくし」のお誘いの企画をブログを載せました。
早速夕刻に、以前家造りのお手伝いさせて頂いたA様から早速ご連絡いただきました。ありがとうございます。あまりに早かったのでびっくりしました。
ブログにお越し頂き本当に感謝です。

私はよいご縁に恵まれており、数年前にA様の家造りをさせて頂いたおかげで現在の超断熱SSプランがあります。重ねて御礼申し上げます。
天候予報では当日は曇りですが、土が長雨で緩んでいるので長靴やお子様の着替えは必要になるとおもいます。また、直ぐ前に海があるので、そちらでも遊ぶ(3週間前には子供たちは泳いでいた??)事ができます。
スパイラルゲイトには、電気も水道もない原始的な場所ですが、ある程度「泥んこ」になっても、集合場所(スパイラルゲイトから徒歩1分)の建物にはシャワー設備もあるため、ご帰宅時の車内で親御様のご心配事も生じないと思います。お持ちしております。


こんな時期だから「住宅完成保証」をお勧めします。

昨年のリーマンブラザースの破綻から世界的な不景気となり、日本も景気が大きく後退しています。大手会社はようやく景気が上向き兆候がでたものの、地方の中小零細企業はなかなか明るい話がありません。
特に建築業界も悪く、新聞紙上で中規模の建設会社や住宅会社の破綻が伝えられております。確かに10年前のバブル直後は超大手ハウスメーカーの破綻もあったくらいですから。

最近聞いた話では、
「住宅の新築工事を契約したその月に工務店が倒産してしまい、その契約金1200万がなくなった。いま処理をしているけれど建物は始まったばかりなのに・・・」
という話です。一般工務店さんのお支払いは本来なら、ほとんどが出来高払いという現場に見合った金額を払う仕組みです。確かに着手金は慣例で1/4になる工務店さんもありますが、これも話し合いで出来高払いに変更可能です。
また、こんなご時勢は住宅完成保証制度」という保険を利用するのがよいと思います。私共も今後はその保証に入る又は入っている施工会社を薦めて行くようにしたいと考えてます。
ただ保険ですから当然「掛け金」が請け負いに金額に上乗せされます。多分一軒当たり6~12万になりますので今まではあまりお勧めしませんでした。が、このご時勢、私どもでもどの施工会社がいつ倒産するということはわかりません。住宅の請負契約は金額が大きく、損害が大きいのでやはり転ばぬ先の杖は必要で、仕方のない経費だと考えております。

ちなみに「完成保証」とは・・・
契約してからその家が完成するまで、仮にその施工会社が倒産しても、保険会社が次の施工する会社を見つけて、金額増がおきないのように完成させるという保険です。建て主さんにとって面倒なことがおきにくい保険です。無論財団法人が保険窓口です。詳しくはここです。

当事務所もこの秋より景気の影響を受けつつあります。が、そこは専門の設計事務所の強みで、仮に廃業があっても倒産がない仕事が設計事務所です。これは税理士事務所や設計事務所等は商品や物品を仕入れて売るという形態ではないため銀行からお金を借りる行為がないので、所謂「倒産」が普通(大きい会社は別ですが)はありません。
また、建て主さんにとって成果物納入後のお支払いがほとんどなので万一何かあっても被害は最小限度で、そこが施工会社と違うところです。

こんな話題ではこんな時期にもっと寒くなりますので少し楽しそうな明るい話題を。
今週の22日(日)に寺泊の拙宅の近くで私がお手伝いしている無農薬、無肥料、無耕作不耕起自然農風の「スパイラル・ゲイト」で「芋ほりとさつま芋づくし」を行います。一応お子さんには芋ほりを、大人にはゆるい時間を過ごしてもらおうということで、妻が企画開催します。もうちょっと余裕がありますので、ご興味のある方は、お問い合わせください。
最近拙者が特にナチュラル指向にはまっているのは・・・このガーデンのせいですね。ゆっくりした時間ですごして頂きたいので、午前中の芋ほり以外の時間の決め事はありません。ここにその企画のリンクをおきます。
一応天気予報では曇りとなってますが、晴れる(雨と風がない)こと祈ってます。

ちなみに不耕起とは、その名のとおりで土を耕しません。表面の雑草を削りとる程度です。後は植物根によって数年かけて土の奥からふかふかにする農法のことです。凄い手抜き農法(笑)です。と思われがちですが、実は一番土と植物との対話が必要な農法です。
写真がその畑でとれた芋です。しっかりとした根ですね。当然虫食いに弱い品種や肥料がないと育ちにくい作物は植えません。多少虫がついても大丈夫な品種(数は多く取れない)や、昔から日本で育てていた作物が中心です。もともと素材が持っていた味がします。
潮風が先週大変強かったので、現在の地上の作物が塩もみ状態ですが・・・でも芋はお楽しみです。
2009.1120誤字等修正しました。


粟ヶ岳は初雪です。

今朝の粟ヶ岳です。山頂から2/3まで白くなりました。くっきりと線で分けられているようです。下の山は大崎山(標高約120m)。
稜線がくっきりで立体感にどきっとします。


自然の素材で水盤の坪庭

流れ落ちる水の音・・・いいですね。しばし聞き入ります。
人は体の75%以上を水分で構成しているので、素直に染み入る感じの響きです。

石は・・・古くから建築に使われる自然素材です。

電気がない昔は、固い石はきれいに切断などできなかったので、鏨を使った割り肌としてつかわれてました。ですので庶民の家などではめったにない素材です(丸石除)。

電気が一般的になり、石の表面が磨けるようになると、水磨き(本磨き)が簡単にできるようになり、百貨店の床や最近では衣料のシマムラさんの床でも見られます。

石英を多く含む石の耐久性は非常に高く、墓石に利用した場合は、その水磨き表面は長期間(50年程度)ツルツルしたまま継続し、これが石の最大の魅力となってます。同じように釉薬をかけた焼き物(食器、便器等)も比較的長く続きますが、表面が薄いので、ちょっとした衝撃で表面が破壊されます。

何回かご紹介しているこの水盤は、メンテナンスを軽減するために水のはる表面を本磨きしております。ツルツルが長期間続くので藻の除去が比較的簡単です。

水盤は2つのアプローチがあるとおもいます。ひとつは今回のようにツルツル仕上げ、その光沢を長期間維持すること。2つ目は藻やコケをわざと生えやすいようにし(または石自体が生えやすいものを選ぶ)、古びた感じを出した水盤。

両方とも魅力的です。後者もメンテナンスにそう気を使わなくともそれなりの風情を出してくれます。今回は、坪庭ゆえに広がりのある大きい水盤を使うイメージでしたので、前者のツルツルの水盤を計画しました。

自然素材の魅力は、「ソリッド」であることにつきます。
表面だけをきれいにメッキしたまがい物でないソリッドが、
磨耗したり、傷ついたとき、手直しできる安心感があります。

その何回かの手直しを経てようやく図面どおり近くなりました。本来ならもう一工夫ある加工を、図面ではお願いしたのですが、ギブアップのようです。水の落ちた音にそう影響はないのでこれで完成とさせていただきました。
各工事担当の業者さんは、下の図面だけでは完成形が想像できなかったようで、完成して初めてこうなるのか!とうなづいてました。私の頭の中では完成形は最初からあり、それが設計図として表現されます。

水深2cmのゆっくりと循環(10W )する水。
まるで深山の小川のせせらぎ音のようです。
造って頂いた石屋さんの社長さんも完成写真を一枚。
当方強い推薦のメタハラの照明の効果も抜群でした。
(照明は消費電力250Wもあるいので、普段使いは
できませんが、お客様の御もてなしのときに
使っていただければと思います。また4日に一度換水をすれば

夏場でもボウフラは発生しないでしょう)

施工業者
水盤以外の工事 津野建設(新潟市)
水盤 若槻石材店(三条市)


びっくりした。公式のインタビューで私は初めて聞いた。

 「初代プリウスを出した当時、『けっして充電することのないクルマ』と宣伝してきた。しかし、環境問題や化石燃料の枯渇の状況がより深刻になり、充電という手間を惜しまないようになった。それがPHVのコンセプトになった」

これは・・・
トヨタ自動車は12月に家庭の電源から充電できる「プラグインハイブリッド」(PHV)の販売を始めるますが、その開発者の田中義和氏(48)氏の発言です。

今まで環境問題や地球温暖化がハイブリット自動車や電気自動車の背景にあると、様々のところで公式に発言されてきましたが、「化石燃料の枯渇の状況がより深刻になり」という本当のことと思われる理由を?初めて聞きました(私は)。

化石燃料の資源が全くない日本のメーカーの発言ということを差し引いても、世界一の自動車メーカーの開発担当者の言葉だと社会に与える影響は大きいはずですが、はっきりと述べてます。今まで「化石燃料の枯渇が深刻」と国は言った事がありません。
だから家でも「化石燃料の枯渇」というキーワードで住宅を開発、または企画する大手はほとんどありません。だいたいが環境、地球温暖化というキーワードです。
当事務所は2年ほど前から、「化石燃料の枯渇」の時にでも暖かい家に暮らす事を目的に超断熱の家を勧めてます。持続可能な社会のためでもありますが、エネルギーの危機管理は今や企業、国より個人の家のほうが重要です。個人の家は一番寿命が長く、あなたが30年以上は責任を持ち、そして次の世代への社会的資産になるわけですから・・・。
だからエネルギーの無駄遣いは許されません。当事務所のように自然素材大好きな家は無論、ビニールクロスの家でも、大事に使うために家の超断熱がお勧めです。

 

そろそろ真剣に国民レベルで議論する時が来ていると思います。決して恐怖や脅かしではなく、世界が脱石油の産業革命を迎えようとしています。それを地球温暖化防止というきれな言葉だけでごまかしてはいけないと感じます。・・・真剣モードです(汗)


新潟のQ1 超断熱の家 その基礎断熱

上の写真は、現在施工中の超断熱の家の基礎の部分です。
左が断熱施工後、右が断熱施工前。基礎にまで断熱材が被っているのがわかります。
これは熱橋による結露防止とシロアリ防止(予防と駆除)のバランスを考えた計画。
よく見ると、断熱材が下から30cmくらいのところで材質が変わってますね。これは基礎と土台の部分で精度が違うので、柔軟性のあるGWを使い誤差の吸収をしているためです。

熱橋とは・・・コンクリートは断熱材(壁に使用)の80倍も熱を伝える素材。そこにアンカーボルトと呼ばれる基礎と土台を固定する鉄の棒が入っています。鉄は断熱材より4000倍も熱を伝える素材です。そのため外部に露出する基礎から熱を奪われ、それがアンカーボルトを通して暖かい室内につながってしまう現象を熱橋といいます。セキスイ、ダイワホームさん等の鉄骨構造はこの部分の対処に苦労します。

超断熱のような超高性能になると、このアンカーボルト周りを断熱材で覆ってしまわないと「あ」のところで結露する可能性が高くなります。そのためには、断熱材を基礎の外部施工する基礎外断熱が有効です。しかしこれには大きな欠陥があります。それは基礎外断熱は、シロアリの蟻道形成されやすい構造となるからです。仮に断熱材にシロアリ予防材(ホウ酸類)が混ぜてあっても、断熱材と基礎の隙間に蟻道を造ってしまえば土台の木までたどり着くのはたやすいことです。シロアリの少ない北海道ではこの基礎外断熱で大丈夫ですし、そのほうが結露防止として有効です。
新潟県では基礎外断熱はよほど理由がない限りしません。
多少の結露よりシロアリが怖いからです。仮に結露でその周囲木が多少腐朽しても構造に致命的ダメージは与えません。しかしシロアリは構造に致命的ダメージを与え、そして柱や土台にシロアリがいると思うと気持ちよくないものです。そこで上のような構造になります。しかしこの基礎外断熱を行っている会社もあります。将来が不安ですね。

SSプランの床下は真冬でも22度以上で積極的に使用しますので、このような熱橋対策は必ず必要です。超断熱ではこのような洞察力と技術力が設計者に必要です。安易な超断熱発想、見よう見まねでは欠陥が生じることになります。


新潟で標準化するか ファイバーシングル系屋根


写真は新潟市で現在施工中の自然素材超断熱(高気密高断熱)住宅の屋根です。
屋根材についてはこのブログ中でも当事務所の見解を載せてます。

まず屋根材の耐久性ですが、

高温焼き瓦>=銅版>=焼きがわら>セメント瓦=人工スレート=ガルバニューム=ファイバーシングル>亜鉛鉄板 となります。

高温焼き瓦でも、谷と呼ばれる部分があればそこには銅板が使われるので耐久性は銅版葺きと同じくなるときがあると考えてます。

しかし漏水防止性は通常「屋根材」によって変わる事はありません。と言うのは、屋根材の下に必ず防水シートが貼られるため、漏水防止性はこのシートで決まります。
瓦などは強風降雨時は必ず瓦の下に雨水がまわります。この時漏水を防ぐのは「防水シート」と呼ばれるアスファルトルーフィングです。このルーフィングをしっかり貼ってあれば、漏水はありません。所がそれでも屋根からの漏水があるのはどうしてでしょうか?

施工不良は論外ですが、瓦の場合その多くが、釘やタッカー(ホチキス)の穴から浸水です。現在の瓦は、上から釘である程度止めます。その他の屋根材も同様です。その釘穴の周囲から雨が染み込み漏水となります。そこで考案されたのが、ゴムアスファルトルーフングです。このルーフィングは釘やタッカー穴に追随し密着するので容易に漏れません。どんな屋根でもこのルーフィングのおかげで漏水から守られます。だから最近の屋根工事はこのルーフィングを敷くと一段落つき、その後一ヶ月ほっといても雨漏りはありません。もしこの時点で雨漏りしたなら、その後10年以内にその家はほとんど雨漏りします。

では屋根材の働きは・・・
そうです。まずはこのルーフィーングを紫外線から守り劣化を防ぐことです。そして風に飛ばされないように保護し、人が乗っても傷つかないように防水シートを守ることです。昔はその屋根材自体で漏水を防ぐ必要がありましたが現在は、防水シートに頼る漏水防止工法に変わりました。ですので漏水防止性能はどの屋根材でも変わりません。
阪神大震災でもわかるとおり、昔の焼きがわら屋根は、土が瓦の下にありました。この役目は、瓦を密着させると事と、暴風時に漏水した水を吸収し、天井に漏らさないようにする役目もありました。土ですから防止シートのような劣化がなく、屋根材の寿命と同じくらいの漏水防止性能が続きます。ここが昔と現在の瓦屋根の違いです。ですので最近は耐久性=漏水防止性にはなりません。

さてそうなると、屋根材の選択方法はこう考えます。もし暴風時には多少の漏水は許せるなら高温焼きがわらは最高です。しかし漏水は絶対避けたいとなると、銅版葺きに軍配が上がる可能性があります。また価格はガルバとシングル葺きが同じ安価なので、30~40年以上経過したときメンテナンスを考えるなら良い素材です。
さて、その安価なファイバーシングルは新潟県で受け入れられるでしょうか?と言うのは、25年以上前に一度ファイバー(アスファルト)シングルが流行した事がありましたが、突然なくなりました。欠点があったからです。そのころの輸入されたファイバーシングル屋根は、フェルト紙にアスファルトを染み込ませた粗悪なものしか輸入されませんでした。ですので、劣化が大きく数年で色々な問題点が発覚し使う人がいなくなったのです。現在は、旭グラスファイバーという大手会社が、質の高いガラス繊維補強のアスファルトシングル(ファイバーシングルと呼ばれるようになる)を輸入し、劣化の問題は解消されました。が・・当時の苦い思い出はなかなか消えません。ですのでなかなか普及が進みにくいのではないでしょうか?実は同じ現象は10年ほど前にありました。
新潟市は海に面しているため、金属の腐食が早く、ほとんど家は瓦屋根でした。一方長岡市は雪下ろしに強いガルバニューム屋根がほとんどでした。ところが10年ほど前からガルバニューム屋根が海岸地域でも強いことが経験上わかり始めると、一気にブレイク。最近では瓦屋根と同等くらいに見るようになりました。

同じように、このファイバーシングル屋根も数年後ブレイクするでしょう・・・。か?当事務所では既にブレイク中です。


設計事務所の仕事 何がメリット?

設計事務所の仕事で何を大切にしてますか?

と問われたとき、必ず一番は「安全性」となります。

当たり前じゃないか?と言われればそれまでですが、

この建築業界に身をおいていると、要らぬ情報が

入ってきますし、目に付きます。(耐震性がなさそうな家が・・・)

最近瑕疵担保保証の会社が、今まで基礎配筋検査をの
写真を撮影して記録として残していたのに、
「今後写真は省略します」と言って、撮らなくなりました。
これは当たり前のことで、
配筋のチェックは「工事監理者」が行う行為です。
しかし実態として工事監理者は機能しているのでしょうか?
特に一括請負(設計施工とも同じ会社)の場合は・・・。

安全性の一番は「耐震性」です。

先日の記事でご紹介したとおり、耐震性は法律を守って設計すれば

必ず大丈夫でないことを、先日の実大実験が証明してます。

法律はあくまでも「最低の基準」と建築基準法第一条に

記されてます。だか当事務所が大事にしているのは、

技術者としての「工学的判断と信念」です。

その信念で当事務所の耐震性のチェックには

弾性変形内の層間変形角を重要視してます。

弾性変形とは、ゴムに力をかけると変形し伸びますが、

力を取るとほぼ元の形に戻ります。これが弾性変形。

この範囲なら物は繰り返しの力に耐え、急に耐力が

なくなることがありません。

層間変形とは、揺れた時1階と2階にどのくらいの角度

になるかを計算で予想する事です。

オーブルでは1/150以内としてます。

これは1階と2階の高さが3mとしたら、たった2cmのずれです。

「えっ、耐震性があるというのはそういうことではないの?」

と普通の方は考えると思いますが、違います。

法律による耐震性とは「倒壊しない」事を意味します。

半壊でも傾いても倒壊しなければOKというのが

建築基準法による耐震性です。

上の写真はいずれも倒壊していない建物。しかしこれでは全壊です。

自分の家だったらそれでよいですか?

私は不十分と思います。

大きな地震がきたときに、「家に入れ!!」と言うくらいの

耐震性が必要です。そのことでコストは上がりません。

ただ層間変形角1/150を計算をし、

そのとおりに施工すれば大丈夫です。

設計業務を委託されていつも思うことは、

設計図がたくさんあってよかった

に尽きます。設計図に書いてなければ、

「言ったはず・・・」では

水掛論でどちらも気まずい思いをしますが、

設計図にあれば業者さんに「図面のとおりお願いします」

のただ一言。沢山の設計図は本当に重要です。

これがメリットです。


自然な木々 ナチュラルガーデン 続の続 (モダンな坪庭)

ナチュラルガーデンの家は、正反対のイメージの坪庭があります。坪庭のあるプランは長いアプローチと共に建て主さんの当初からのご希望です。
家にお見えになるお客様に、玄関戸までの空間を心地よく感じて頂きたいという、おもてなしの心です。

基礎が高いので、玄関まで階段が多く必要ですが、それを感じさせず奥へと導くアプローチ。
まだ左下の路地草は植えられておりませんが、雰囲気のあるアプローチです(照明の位置は、何度も現地でシミュレーションしました)。

アプローチの左手一番奥に坪庭はあります。当初は普通の緑がある坪庭の予定でしたが、閉鎖された「じめじめ感」になりそうなので計画変更。酸性雨に強い御影石貼りで、本磨き仕上げの大きな水盤を設けました。
この水盤は二つから成り立ち、写真にあるとおり腰掛のような大きな水盤で巾は2.4mになります。
もうひとつの水盤は、床自身が水盤に見立ててあります。小さなプールのような大きな水盤となります。

今日の「主」のもてなしは、紅葉した葉っぱを浮かべてありました。
水盤は顔が映る本磨き仕上げであるため、コケ類が生えてもお掃除が簡単。いつでも清潔に保ちやすいはずです。

「さらさら」と流れ落ちる水の音は、心を落ち着かせてくれます。水はポンプで循環させており、その消費電力も10Wのものをチョイスしました。家中のホタルスイッチの消費電力よりより少ない電力です。ちなみにホタルスイッチは使ってません。

暗くなりがちな坪庭が「きらっと」自然に明るいのは、メタルハイランドという水銀灯を高さ7mのところから真下に照らしているからです。

そして玄関に入るとこのように、窓ガラス越しに月下の水に浮かぶ落ち葉を目にして、・・・しばし無言で眺めます。

PS
家の中央近くの坪庭と言う場所柄、外部ながらユニットバスと同じFRPと言う素材で全面防水を施し、長年の漏水にも万全を尽くしました。そのため坪庭ながらある程度コストがかかり、それをご理解頂けた建て主様には大変感謝いたします。


自然な木々 ナチュラルガーデンの一次工事終了 続き


ナチュラルガーデンの和室前の庭です。

やはり日本人ですね。このコントラストと形には何か言い知れぬ美を感じます。
雨の日の幹や葉っぱの濡れ色がなんともいえません。晴れた日には絶対にない鮮やかな色です。

うっとりするような色彩ですね。
さて、今日はもうひとつの外構工事で坪庭の水盤の手直し工事の立会いのため現場に行きました。そのとき昨日ブログでご説明したコンクリートの水切りのリアルショットが撮影できましたのでご案内します。

雨の雫が笠木先端にあるのがわかります。強く降っているにも関わらず、笠木の直ぐ下はまったく濡れてません。水がよく切れてます。

下から見上げると雫の位置がよくわかります。この切れ位置だから汚くなりにくい打ち放し塀ができます。当たり前の納まりです。

中庭の設置される石の水盤の寸法合わせをしています。

硬い石もダイアモンドカッターでスムーズにカットしてます。この水盤のご紹介はいずれいたしますが、中庭のじめじめした感じを嫌い、明るく清潔感をもってお客様をお迎えしたい玄関を!と考え巨大できらびやかな水盤(巾2.3m)を計画しました。


自然な木々 ナチュラルガーデンの一次工事終了

レッドサンセット・・・名前のとおりの木です。まだ県内の庭には珍しい落葉樹で、植木屋さんのお勧めでしたので、建て主さんが迷わずチョイスされたようです。
最近の家は本当に落葉樹を植える家が少ないです。落ち葉を嫌うからでしょうか?落ち葉も自然現象です。落ち葉から豊かな土が生まれ森になります。近隣の落ち葉が自分の庭や敷地に入ってきたら、土の栄養が来たと喜びを感じます。

写真以上にびっくりするほど、イロハもみじの真紅と外壁の色が似合うお庭の一次工事が終了しました。和風になることを嫌い、雑木(落葉樹が主)類でまとめて、里山を凝縮した雰囲気で計画します。それらしくなるには数年掛かりますが、完成形を創造してグランドデザインをしました。

アプローチに落ちている葉っぱがいいですね。植えたばかりなので、木がまだなじんでませんが、コンクリート打ち放しとの相性もよいですね。コンクリート打ち放しは、よく見かける仕上げですが、大事な工夫がしてあります。それは上の「笠木」と呼ばれる水切りです。写真の丸印のように壁面より上が出てます。これで壁面が汚れるのを防ぎます。
細かいところですが、これがあるのとないのでは、相当違います。
笠木がないとこんな感じです。上端に溜まったの汚れが雨で流れ壁面を伝わると「よだれ」になります。

緑の家の笠木を設けたコンクリート打ち放しの壁。4年経っても新築時のまま。
このあたりが設計事務所の細かい仕事です。普通の会社はこの笠木を設けてませんね。当事務所がこれを指定すると業者さんは不思議な顔をします。

もちろん高さの低いコンクリート打ち放しや、見えにくいところは笠木を設けいませんが・・・。


屋上菜園 秋勝りのトマト

数日前は霰も降ったというのに、立冬の昨日は暖かい一日でした。
拙宅の屋上菜園は秋勝りのトマトがまだたわわに実をつけてますし、花まだまだ咲いてます。
この菜園の管理者の思想で「無農薬、無肥料、不耕起」で造っているので、秋勝りのトマトになってます。一本の木がのびて4m位のツル状になってます。
不耕起農法は最近注目されている農法で、地球温暖化防止にも役立つとされ米国等で少しづつ認知されつつある農法です。
なんでも行きすぎた行為に振り子が揺れ戻して元に帰るように、米国的大規模機械耕作で化学肥料を多量に使う農法と全く正反対のやり方が、一方で行われているようです。
秋まさりとは、植物自身の力でゆっくりと根が深く確実に伸びるため、その伸びきった秋ころが最も旺盛になることが不耕地農法の特徴です。

最近特にお勧めしている緑の家の外壁も、無塗装で本来木が持っている耐久性を長く維持させ、無駄な塗装(後々後悔する塗装)をしない使い方です。普通の外壁材が10年目くらいから見苦しくなるのに対し、10年目ぐらいから本来の木の色となり30年目くらいまで最も良い色、そして状態を維持します。とにかくナチュナルで秋勝り的な使い方です。


自称エアコンマニア エアコンの機能の進化は正しいか?

エアコンは、今や快適な生活を送る上での必需品です。夏は湿度をとり温度を下げ、冬は温度を上げ暖かくします。エアコンが世の中に出てきたのは1952年。この頃は冷房しかできないためクーラーと呼ばれていました。だからエアコンをクーラーと呼ぶ人は45才以上です

13年以上故障なしで事務所で稼働中のRAS-255SD東芝(8帖用)稼働率は年間50%くらいになる。

1961年に暖房機能が追加され、またヒートポンプ式エアコンも同時に発売され、エアコンという名称になりました。更に1970年から壁掛け式の現在あるエアコンになりました(余談ですが、車のエアコンはクーラーですね。ほとんどの車種が暖房はエンジン余熱によるものです。電気自動車はこのエンジン余熱がないので、エアコンをONすると暖房もエアコンですので極端に航続距離が下がります)
ここから既に約半世紀が経ち、当時のエアコンの性能はCOPで2くらいでしょうか?そこから現在は6.7くらいまで3倍以上も性能が上がりました。
私がエアコンを新潟県の暖房器具として使い始めたのは、17年くらい前の以前の職場です。ちょうど高気密高断熱住宅の新しい仕様がほぼ完成し、IBECの気密住宅の評価申請を終えたころです。当時標準で取り付けていたFF式の石油暖房器具(出力6KW)で、40坪位の家が丸ごと暖房できるのがわかってました。そんな中、冷房器具としてのエアコンを考えて調べていたとき、東芝のRAS-255SDという機種が暖房COP4.6を既に出しており衝撃を受けました。
私の学生時代に友人の卒研発表で「理想COP10以上」だったようなヒートポンプに関する発表があり今でも記憶に残っているくらいヒートポンプについては興味がありました。
そんな学生のころ、エネルギー保存の法則で、『ある閉じたの中のエネルギーの総量は変化しない』と習ってましたから、ヒートポンプを1のエネルギーで10のエネルギーを得ると解釈した私は、凄い機械があるものだと勝手に思ってました。実は閉じた系でなないことがわかったのが相当後になってからです。
熱をある系から系へ移動している機械がヒートポンプエアコンですね。生み出しているわけではありませんし(ここがエコの所以なのです)、環境規模から見ればエネルギー保存の法則のとおりです。お馬鹿でした。ただ、低い温度から高い熱をくみ上げることについては、理屈はわかっていても今でも驚きです。

ということで、COPが4.6ということがわかって、当時東芝さんからいろいろ資料をもらいました。気温別COPや、出力別COP(インバーターだったので)などのグラフももらい、新潟でも充分暖房機として使えることがわかり早速各地域の住宅に取り付けました。
思っていたとおり充分暖房可能でまったく問題ありませんでした。だた当時は灯油が安価でランニングコストが灯油を使うより少し高いことだけでした。

当時のエアコン暖房の利点は、いくつかありましたが、その中でもサーキュレーターの役目も兼用できたことが非常に大きい利点です。この利点が今のエアコンにはなくなってしまいました。これは、最近のエアコンが出力応じて勝手に風量を下げ、コンプレッサーが動いてないときは、室内送風機の風量が限りなく0になるからです。すると高気密高断熱住宅では、数台で少ない出力で運転している時があり、その時サーキュレーター代わりとして使えなくなるのです。こればかりか最近は、機械が人を見つけそこに向かって暖かい風を吹き付ける機種まであり、正しい機能の進化とはいえない気がします。エアコン暖房が嫌いな人は、あのなま温かい風が吹き付けられるのが嫌いという人多いはずです。そのためわざわざ当事務所のエアコン暖房マニュアル(こんなもの渡しているのは当事務所だけかな?)には、
「エアコンの風は、人に向けないように設定してください。」と書かれています。また、説明に当たっては、「エアコン風は窓下に向けると快適性がまします。」と言います。

窓周りの断熱性が壁より大幅に低いので、やはりコールドドラフトは発生し不快になりますが、このようにエアコンを使うと、不快感が軽減されることを経験上わかっていましたので、サーキュレーターとしての機能も期待してました。それが今の機種では不可能になりました。残念です。下の写真の機種は最近の製品ですが、これもサーキュレーター機器となりません。その点上の写真の13年前の255SDはサーキュレーターとなり事務所のような低断熱建物では大変重宝します。今後メーカーには、風量を人が調整できるようにして頂きたいと願っております。
2007年に事務所に追加した設置フリータイプの三洋製エアコン約COP6.4(10帖用)年間稼働率60%以上と大忙し。

デザインも重視する設計事務所なのにビルトインのエアコンにまったく興味がないのは、ただたんにビルトインエアコンや天井カセットエアコンはCOPが低いからです。私が最初に入社した設計事務所では、ビルトインエアコンを多用してましたが、ショートサーキットによく悩まされました。今後も暖房は床下エアコン暖房で、冷房は目立たないところに1台設置だけですから、住宅でビルトインの必要性は今後もないでしょう。


薪ストーブでは地球温暖化を防止できない。

最近当ブログに「薪ストーブ 地球温暖化防止」というキーワードで検索しお見え頂く方が多いです。
他の検索結果を見るとほとんど「薪ストーブ=温暖化防止に一役買う」と書かれたページが多いですね。オーブルでは過去ブログにも書いたように、「薪ストーブは地球温暖化を防止しない。」という立場です。
理由は
「日本中の暖房機を薪ストーブに変えると20年弱で日本から木が一本もなくなる」事です。CO2を酸素に変えたり、幹としてCO2を固定化する木がなくなるのです。

明治維新の頃の140年前、薪は日本では暖を取る唯一といって良い資源でした。そしてその薪だけで日本人はそれ以前の長い年月、暖を採って生活してきました。
薪を山から切っては植樹再生等して、循環社会が築かれていました。だからお考えのとおり「薪=循環可能=カーボンニュートラル=温暖化防止」になったと想像します。
しかし、140年前日本人の人口はどのくらいでしたか?約3500万人です。今は1億2000万人です。
140年前は「暖房」してましたか?いいえほとんど煮焚きのみの燃料でした。一部炭として手あぶり採暖として使われてました。今はほとんどの家庭で暖房します。
140年前でも燃料として木材は都市では貴重でした。
今と140年前は暖房として使うエネルギー量がまったく違うのです。だから一斉にみんなが暖房用に薪を使うと直ぐになくなり山は丸禿状態です。

まずは使う暖房の量を減らさなければ「温暖化防止」ではありません。薪ストーブはよい暖房機で、私も大好きですが、誤った情報で推進されることは残念です。
私のある友人には山の麓で暮らし、日々の生活で伐採する木を燃料として使っている人がおり、彼は言いました。「薪は燃やさないと捨てなければならない。だから家は薪ストーブがぴったりだ」。
また違う友人は、「薪が燃えているのは落ち着く。都市で薪ストーブの薪集めは大変だが、好きなものには苦労はない」
この2人は違った理由で使ってますが、それぞれ楽しんで使っています。それでよいと思います。現代の薪ストーブはその位置づけだと思ってます。


一気に普及か?超断熱住宅。大手、特にトヨタホームが宣言!!

オーブルデザインでは、いま一生懸命超断熱の家をお勧めしてます。
が、なかなかそこまでする建て主さんの理解が得られていません。
がしかし、さてこんな記事があります。

「2013年にゼロエネルギー住宅を商品化すると宣言したトヨタホーム。」

大ヒット「プリウス」で有名なトヨタのエコ戦略。そのトヨタの子会社でトヨタホームの出した戦略です。新潟県では無名のハウスメーカーですが、中部では大手ハウスメーカーとして有名です(あのトヨタ自動車ですから)。
そこの社長さんが、この表現で発表するとインパクトありますね~。
オーブルデザインが昨年からこれからは超断熱住宅といっても、
「そこまで必要ないよ」という声もありますが、プリウスのトヨタさんが言うと、
「なるほど!そうか!」と思うのですね。

さて、この記事(インタビュー)によると、
1.家の断熱性を高くし
2.エコ設備を装備し
3.自然エネルギーを利用する

なってます。この3つは世の流れです。
この内 2.は年々変わる新製品に変わる設備に重きを置いても仕方ありません。ある程度考え、そして10年後入れ替えたときに簡単に入れ替えられるようにする空間を用意するほうが利にかないます。←床下空間のように・・・
3.の自然エネルギー利用も同様で、設置できるよう考えれば済むことです。普通はここに自然素材も入りますが、プレハブメーカーはそれができませんので言いません。
問題は 1.のQ値です。やはりこれが一番変更不可。最初からそういう家にしなければいけませんし、建築士の仕事です。

トヨタホームさんのQ値(熱損失係数)は今一番よい自社建物が約1.9W/m2kとあります。これは緑の家のSプランくらいです。これは今では当たり前の性能ですね。しかしそんな性能も表示していない住宅会社が新潟県では大変多いですね。ここは本当不思議な物語です・・。2年後急に「当社の熱損失は○×だ。凄いだろう!」と宣伝するのでしょうか?

更にこれを強化するとトヨタホームさんは言っていますから、多分Q値1.3~1.4W/m2kくらいが2013年の目標でしょう。当事務所は2013年で全ての緑の家を0.9w/m2k以下と思ってます。更に窓を強化するだけで0.8w/m2kになります。この窓は先日ご紹介した
この高性能3層真空ガラスサッシで実現できます。金額は30坪くらいの家であれば30万ほど上がりますが、価値はあると思います。

ミサワホームさんやその他大手さんが実験棟で宣言し始めているゼロエネルギー住宅(超断熱)の先取り、そして更に先行をしましょう。

この超断熱仕様はときっと将来よかったと思いますよ。

追加
ミサワホームさんの未来型ゼロ住宅実験棟は何と「基礎断熱」によるもの。白蟻関係者や床断熱派からあれだけいろいろなことが言われた基礎断熱。オーブルデザインではもう設立時の13年前から標準です。






  

新潟の家 ナチュラルガーデンの庭木の手本

先日ナチュラルガーデンでお手本となる本の事をお伝えしました。この本がそうです。
この本は、10年くらい前に偶然出会った本で、今でも大切に本棚に置いてあります。

生命の森というタイルとですが、内容は新潟県の森について分かりやすく書いてあります。学術的な事と経験上の事が融合しストンと心に響きます。
本物の森は主となる木があり、それを取り囲むように森が形成されており、更地から森ができるまで数百年ほどかかるそうです。
森の初期はおなじみの松林から始まり百年で落葉木がとって代わり、更にその後数百年で主木の森が形成されます。主木といっても一本ではなくその木の種類の事で、例えば「赤がし」などの事です。
日本の庭は、手入れを怠ると日本の気候が木の成長に適しているので、あっという間に荒れます。この荒れが百年続いてようやく本物の森になっていきますが、普通はそこまで待てないので松や椿など初期に形成される森をまねる事が多いです。それを最初から本物の森の構成で植え込むと、数十年で本物の森ができます。この会が手掛けた実例では長岡の川崎小学校の森や三条の川瀬クリニックさんの「樫の森」などがあります。三条の「樫の森」はその名前のとおり、樫の木が主木です。

本物の森はいつも構成が決まってます。まず道路(海岸)から
そで族→マント族→林
ですね。林には主木がありその下や近隣に低木があったりします。こういった森の構成を計画し植え込むことで、本物の森のように木に勢いが生まれ妖精が住むような「気」が感じられるようになります。
逆に林の中にある低木(EX.ミズキや山ぼうし)などは、元々マント族に風から守られ、強い日射からも主木や高木に守られている生い立ち上、風が吹きつける所や、一本立ち、強い日射が当たる所に植え替えると、あまりよい木になりません。そして痩せた木の庭になります。
普通の庭屋さんはこの事をあまり説明せず、この木は風に弱いとは、日に弱いとかで済ませますが、風に弱い場合、他のマント族とのセットで植え込む事で防ぐこともできます。要は早めに本物の森の構成を造れば、見ていて勢いのあるナチュラルガーデンの林ができますね。
だからこの会の手がける庭は、早めにその森の構成を造って植え込み、数十年で本物の森を街の中に造ってしまします。一度本物の森になったその中は、独特の森の匂いがあり、雑草も生えにくくなります。川崎小学校の森は有名ですね。

この本は森を知るための素晴らしい本です。是非一読をお勧めします。ただ残念なことに本屋さんでは置いてません。在庫があれば直接上の写真にある出版所から入手できます。ご興味のある方はどうぞ。


新潟の家 寒い朝の日の結露

寒かったですね(お外は、家の中は変わりないですが)。
今朝は拙宅の西の樹脂サッシで結露してました。ほとんど結露することのない高気密高断熱の住まいですが、11月の上旬と2月ごろの朝の数日だけ結露することがあります。
11月の上旬の結露は、大抵放射冷却のある晴天時の朝に発生するのですが、今年は予期せぬ時期の寒波のみぞれ天候で結露しました。
この季節の家の中では、夏から秋の湿気が自然素材に吸収され、何回も吸放出を繰り返しながら乾いた冬季の空気になる最後の時期で、真冬の家の湿気より相当多い湿気が家の中にあります。それが季節外れの急に冷やされた窓ガラスで結露するのです。
2月の真冬の結露は、強い寒気による温度低下と吹き付ける強風で、ガラス面の表面伝達率が急増し室内ガラス面の温度が低下するためおこります。同じ結露ですが、発生原因が少し違います。


さてお手伝いしているガーデンの納屋外部は完成し、今は内部の棚造りに入ってます。丸い外壁は西洋漆喰です。概ね2回にわけて左官工事したのですが、その2回目の漆喰が少し柔らかすぎて(水分が多く)、小ひびが目立ちます。硬化中の硬さも1回目よりどうも柔らかい感じです。自然素材はデリケートなので素材と会話しながら施工しないと問題が発生します。このときは、同じ会社の製品を2週間ずれで購入したので、同じものと思い込みそのまま施工しました。反省です。


新潟の家 Q値計算の難しさ 本当にその性能?

どうもQ値に対する不信感のある家(会社)があります。その家のQ値は世界トップクラスと宣伝されているのですが、普通のプランならどう見ても考えてもその性能にはならない感じです。

Q値は計算で算出するのが普通で実測で算出するのは極めて困難です。国をあげて研究する予算でもなければ難しいと私の恩師の環境の権威の先生も言ってました。つまり実測であると常に非定常の外部環境にさらされているので、でたらめな数値になります。が、・・・あるメーカーのHPには「測定」とあるのです。
しかも各部位の熱貫流率の明記がどこにもありません。これでは信用しろというほうが難しいです。Q値計算は難しいものではありませんが、その計算している人がちょっとっでもミスするとあっと今に変化します。例えば家の床面積をちょっと大きく捕らえるような事を故意に行えば簡単に0.3くらい変わります。計算は設計者(評価者)しかわかりません。
だからQ値1w/m2k以下の家を作る設計者は、各部位の熱貫流率を表記しております。これを明記する事で大体の精度がわかるからです。その熱貫流率を示さない会社は、??となります。適当でもわかりませんが、現在の社会ではこういった事が許されるから不思議ですね(手すりのない階段など)。

さて、現在建設中のQ値0.98K/m2Kの超断熱の家。
各部位の断熱スペックは

屋根(桁上小屋断熱):高性能フェノールフォーム180mm 熱貫流率0.11W/m2K

壁:高性能フェノールフォーム105mm 熱貫流率0.19W/m2K

床(基礎1):高性能フェノールフォーム120mm+50mm 熱貫流率0.14W/m2K

床(基礎2)中央部:土 熱貫流率0.11W/m2K

床(基礎3)外周部: 熱貫流率0.24W/mK

窓:木製3層LOW-Eガラス U値 1.2W/m2K

窓:樹脂サッシLOW-E アルゴン U値 1.6~1.5W/m2K 

窓付属部品:無し

換気:全熱交換型換気 熱交換率66%

玄関戸:スゥエーデン製木製断熱戸 ガラス無し 熱貫流率1W/m2k

です。これで間柱、柱、土台、桁の断熱欠損を勘案してようやく0.98W/m2kとなります。
 

県内でも複数のメーカーでQ値1以下の家を提供していますが、公の評価をQ値で取得している会社は当事務所だけです(調べた限り)。所謂「設計性能表示制度」で温熱に関する表示の等級4を取得するに当たって、Q値で計算して評価を得ました。
つまり設計者以外の第三者がその計算を精査したということです。

Q値という数値は、国で計算方法が決められています(指針)。計算は単純ですが少し間違えただけで簡単にQ値は変わります。だから皆さん注意を払って各部位の熱貫流率を出し合って、互いに納得しております。

次にご紹介するのは、まじめな設計事務所のQ値0.8w/m2kの家のスペックです。そのHPからは、すばらしい仕事をされているオーラを感じます。

屋根断熱435㎜(EPS50㎜+GW100㎜+ロックウール235㎜+GW50㎜)熱貫流率0.098W/㎡・K
壁断熱 295㎜(EPS50㎜+GWB50㎜+ロックウール140㎜+GW50㎜)熱貫流率0.135W/㎡・K

基礎外周EPS120㎜、土間下EPS断熱200㎜(100㎜+100㎜)熱貫流率0.47W/㎡・K

換気方式は、第1種換気方式、(スウェーデン製熱交換換気装置、熱交換率60%)

窓は、スウェーデン製木製トリプルガラスL0-E、アルゴンガス入り(熱貫流率1.3W/㎡・K)

玄関ドアは、スウェーデン製高性能木製断熱ドアで、更にペアガラスで備えた風除室を装備(熱貫流率1.11W/㎡・K)

このくらい行って初めてQ値0.8です。これ以下の家を作るなら、
窓は最低でも木製トリプルガラスLOW-Eアルゴンで、樹脂サッシは難しくましてやアルミ樹脂サッシでは到底不可能です。また換気の熱交換率も規定の換気量を確保したときの熱交換率で、弱運転等の効率のよい時の数値ではインチキですね。この熱交換換気システムで最高90%のものがありますが、非常に大掛かりでないと達成不可能です。果たしてQ値が0.7とか0.6では上の仕様をはるかに超える家でなければなりません。
はたして本当でしょうか?と思われる建設会社があります。

昨日のブログも件も含め家の設計はその設計者の思想(考え)が全てです。是非納得できるパートナーをお選びください。


ショッキングな映像と実験

2009.11.02、12.24緑字加筆
今日、構造見学会にお越し頂いた皆様、大変ありがとうございした。引き続き明日も行いますので、よろしくお願いします。

さて、本日お越しいただいたE様からのご質問で、
「全く同じ耐震等級2の建物を2棟作って、そのうち1棟はわざと手抜きした施工を表現するため1階の柱根元を基礎とくっつけないようにして、阪神淡路大震災級の地震波を与えて実験したというニュースがあった。結果は、何と施工不良のほうが倒れなくて、正しい施工の耐震等級2が倒壊した。これをどう評価しますか?」

非常に高度でショッキングな内容です。私は始めて聞いたので
「調べてみます」
とお返事しました。

そしてこの手の件は直ぐに調べないと気がすまない人間なので早速調べました。
するとおっしゃるとおりの内容の映像と記事を見つけました。実験している内容もしっかりしており内容は事実のようです。

上のプランの図は下のサイトから

一般に配布されている資料でプランと耐力壁を確認し、当事務所の構造ソフトに入力。確かに若干の差はあるものの現法律の耐震等級2の最低チェック事項クリヤーします。しかしプランを見ると、普通では考えられない構造計画(耐力壁の入れ方)があるのに気がつきます。一番重要な外周の耐力壁が倍率2程度で、その少ない分を内部の耐力壁で補っているようです。これは構造を知っている建築士は行いません。住宅等の小規模建物は外周の耐力壁が一番重要と認識しているからです。多分わざとこの部分を少なくして計画したのでしょう。「今法律で定められている構造方法に問題はないのか?」を確かめるために・・・2009年11月2日に主催者の説明ウェブを見つけ「想定通り」とのことで、やはりわざと弱い構造計画としたとのことです。
日経ホームビルダー2010.1によると、実験の委員長を務めた大橋教授へのインタビューがありました。
それには、「今回の地震波は建築基準法の1.8倍の力を与えた。この建物は建築基準法の1.25倍で造られているので、これで1.25倍(耐震等級2)が否定された事にはならないが、想定より10%くらい耐力が不足している事は、今後の解析課題である」と言う事です。ですのでやはり余力と基本的な構造解釈は必要とかと思います。

更に当事務所では全ての建物を最低基準の構造計算(ルート1)では済ましません。当事務所が行う構造計算ソフトは2次設計(ルート2 層間変形角等)も可能で必ずこれもチェックします。すると、完全にエラーが出ます。1階にいたっては充足率0.78です。これでは壊れても仕方ないでしょう。層間変形角とは、力を受けたとき柱がどのくらい傾くかを計算することです。木造では弾性の範囲1/150(外壁落下損傷を含めた)を超えないようにしております(。つまり柱の長さが2.8mでしたら、上部の横の動きは2.8/150=0.0188で1.9cm以内です。ところがこの実験棟の計算結果は最大で2.46cmとなります。これでは弾性の範囲を超え変形が残り大変形する問題があります。でもこの2次設計は通常の3階建では行わなくてもよいことになってます。ここに設計者の建築思想があるのでしょう?つまり構造の安全はその設計者の思想も重要ということです。また構造計画上問題がある建物は、柱の根元をきっちりと固めないで、力を受け流すほうがよい場合があるともいえます。しかしこれはあくまでもイレギュラーで、基本は構造計画を正しく行い、正しく施工することです。この映像を理由に金物施工不良を「正しい施工」とは思わないようにと願うばかりです。

さて、映像とわかりやすい説明は↓のサイトで確認できます。

http://mokutai-jc.seesaa.net/article/131652975.html

そのサイトのコメントも全くそのとおりだと思います。
興味ある方はご覧ください。
貴重な情報を頂きましたE様にはお礼申し上げます。


ナチュラルガーデン完成間近

イロハモミジ、山帽子、アトラスシーダー、レッドサンセット、白樫、どうだんつつじ、青ダモ、桂、ミルキーウェイ・・・

普通の庭には植えないような里山のイメージでグランドデザインした庭がようや一次工事完成します。一次工事は主木を植え込む工事で、来春マント族などで生垣になるように2次工事が行われます。
建て主さんがチョイスした木々で今回の樹種の中で知らないものが半分くらいあり、これはとても勉強になります。
私の中のナチュラルガーデンは、ある本がお手本です。その本は書店には置いてありません。長岡を中心とした森を愛する会が自費出版した本で「生命の森」というタイトルで新潟県山野草を尋ねる会が出版した本です。その中には森の本来の姿がわかりやすく対話形式で書かれてます。
畳と障子にイロハモミジの陰が映りこみます。本来畳は地面より1.1mくらい上がったところにありますが、それを感じさせないように、庭の土を盛り上げました。
アプローチを横から見ます。まだモミジの姿が馴染んでませんが、その完成風景が想像できますね。アプローチにある柱の柱脚の石も、オリジナルデザインで、すっきりと見せる設計としました。入り口から少しずつ高くなるデザインと質感のコラボレーション。設計で重要な部分です。
石垣と塀、そして屋根が重なり合うアプローチは美しいですね。決して和風ではないのですが、日本人に建築美を感じさせるのは、この重なりですね。
苔むした 石は造園屋さんのお勧め。名前は・・・わすれました。また聞いておきます。
家は木々の緑があって初めて映えます。

緑と共に・・・当事務所の「緑の家」はそれが由来です。


お手本です。綺麗な長期優良住宅の施工。

新潟県で一番多く長期優良住宅を施工されている会社さんの施工現場をご好意で見せていただきました。最初に感じたのは、
「凄く綺麗な現場」だったことです。なぜかなと、ふと見ると足場の下にはブルーシートがきっちり敷きこめられていました。こうすれば落ちた釘や木屑など簡単に掃除可能です。見事です。当事務所は施工はしないのでここまで指示できるかわかりませんが、さすがです、すばらしいです。お手本です。
次に
「通気層に防虫フィルターが施工」されていたことです。この施工は初めてみました。他の会社さんもいらしたので、その方に伺ってみたら、「カメムシやこうもりが入らないため」とおっしゃってました。そうか地域によっていろいろ配慮があるなーと感じました。
設計の計画は当事務所もプロなので負ける気がしませんが、常設展示場などで建て主さんが目で見てわかる物を拝見させて頂くととても勉強になります。同業者に見せることは勇気のいることと思いますが、気にせず公開される気さくな社長さん(もう会長さん?)には大変感謝申し上げます。ありがとうございます。


新潟の家 Q値0.98w/m2kのQ1住宅 見学会 明後日

明後日行われる現場見学会はQ1仕様(Q値が0.98w/m2k)ですので、 半端じゃない断熱材(高性能フェノールフォーム)の量が現場に来てます。
通常の「緑の家」の2倍ですから室内は至る所に断熱材が置かれてます。一枚の厚さは60mmと45mmで、合わせて105mmです。一般的に使われるグラスウールという断熱材に置き換えると、約30cm!!に相当します。このグラスウールで外壁を作ったとすると、約40cmになり現実的ではありません。ですので断熱材を高性能フェノールフォームにすることで外壁厚を10cm減らし30cmにしてます(それでも30cm・・・)。
このように60mmある断熱材です。凄いですね。

これを気密シートが貼られた上に105mm重ねる事で外壁を作ります(気密シートは地震時の揺れを考えた場合大事な部材で、省略しているメーカーが多い中、当事務所では開設以来ずーと入ってます)。
現在この105mmの厚さで外貼り断熱の防火構造認定はIGサイディングくらいしか取れていませんね。新潟でこの厚さの外貼り断熱だけでQ1するのは多分当事務所だけです。
これは、将来断熱材を増やせることができる計画をしているためです。
将来20~30年後のQ値は0.7w/m2kを予想してます。
なぜこんな超断熱性能が必要かについてはこの前のブログにさらっと書いてありますし、この一年のブログ集に細かく載せてあります。ご覧ください。


CO2削減を推進するのはいいけれど・・・。飛行機編

CO2の削減目標を25%と国連で宣言した日本ですが、さてどこまで目標に近づけるのか?・・・今日は家とは直接関係ないですがエコについて先週少し取り上げましたが、エコ=CO2削減であるので飛行機について少し考えたいとおもいます。

 最近海外旅行が如何にCO2を一挙に排出しているかを知りました。拙者14年間くらい海外へは行っておりません。最後に行ったのが、当時の会社の研修でカナダのケベックです。確かに世界の裏側まで13時間くらいで行ってしまうそのエネルギーは凄いものです。
 仮に今、ハワイのホノルルまで飛行機で往復すると1300kg/人のCO2を排出します。これは日本で家庭から排出される一人当たりのCO2に匹敵します。わずか数時間で一年分のCO2を排出する事実に驚きました。
 レジ袋を少なくする等の日常の中の小さな小さなCO2削減よりも、また暖房エネルギーを減らすべく超断熱住宅で暮らすより、一回海外旅行を取りやめたほうがCO2は一気の削減できるこの事実。

日本は現在海外との輸出入で経済が成り立ってますので、今すぐ海外へ行く回数を減らせといわれてもそれは難しいでしょう。しかし、もしCO2による温暖化がとても深刻なら(小学校ではそのように教えていたらしい)、レジャーで海外旅行をする人は温暖化防止に貢献できる他の行動で飛行機分の貢献をする仕組みを義務化(カーボンパスが良いかは不明)するのがよいと思います。
 まっさらな心で真剣に先生から「地球温暖化」について学んでくるのに、その後何も知らないで夏休みに海外家族旅行したなら
「何だ、大人の言っていることは本当ではないんだ。最もらしいことを言っても努力しなくていいんだ」
と感じることになります。
 25%削減という高い目標なら、特に飛行機利用は一番短時間でCO2が排出される行為ですので、真っ先に手を打つという行動があってもよい気がします。飛行機業界が大変だからできないとなれば、経済最優先の以前の米国と同じスタンスですね。
実は拙者は、何となく温暖化というものに名を借りて、石油枯渇の問題を解決しようということが見えかくれするような気がします。いろいろな企業、政府が何とか日本にエネルギーと稀少金属資源を供給できるように日夜努力していると思います。それには大変感謝したいとおもいます。そして近未来には、持続可能な社会になるように皆が同じ意識で目標にむかい努力することを願います。

超断熱をなぜ今行う(薦める)か?はいつも申し上げているとおり、将来の石油等エネルギー枯渇に対し充分対応できる性能の家を造る事が、長寿命住宅の性能だと考えているからです。


新潟の家 超断熱 Q1 自然素材の「緑の家」 来週見学会


来週、超断熱Q値0.98w/m2Kの構造見学会です。出来上がりを考えるとわくわくしますね。
今回の構造見学会は予約制ですが、あと少し空いてますので是非ご予約をどうぞ。こちらです。
arbre@cocoa.ocn.ne.jp
詳しい内容は左バーの見学会にリンクがあります。

現在は外側全てに構造用合板を貼り付け終わって、高性能サッシをほぼ取り付け終わったところです。

内部はこんな感じです。ほぼ木でだけで囲まれておりますが、最終的には漆喰の壁になります。

現場では床下の感じがわかります。排水熱回収タンクも仮設置され何となく地下室のような雰囲気です。


エコ?エコは数値で表そう! 新潟の家 超断熱Q1

最近とにかく「エコ」って文字が多いですね。一番エネルギーを使いそうな車から食品、洋服までとにかく「エコ」。住宅もエコというPRが多いですね。
そんな「エコ」って何?と最近思います。多分CO2排出の事でしょうが・・・。

通常、CO2排出=エネルギー使用量です。
まず新潟県の住宅で一番エネルギーを消費する行為は、何と言っても暖房です。次に給湯。
仮に家がコンクリートで造られていても、鉄でも、木でも建設自体に掛かるエネルギーは、住んでいて使われるエネルギーと比べ凄く小さいものです。数値で示すと、建設、廃棄、修繕で掛かるエネルギーは13%。住んでいて掛かるエネルギーは87%です。これは30年くらいの周期の家のことですから、長期優良住宅みたいに50年以上を考える場合はもっと比率が下がります。
ですので構造材等使用材料でエコを比較するのは合理的または正確性に欠けます。

となると、やはり住んでいてこの家はどのくらい暖房にエネルギーを使う家なのか?または給湯に使うエネルギーをどのくらい削減しているのかが一番重要です。
暖房に使うエネルギーは、その暖房設備方法より断熱性(日射利用を含めた)で決まります。この事に異論を唱える人はいないでしょう?特に冬に太陽がなかなかでない新潟県は、純粋に断熱性で決まります。その断熱性は数値で必ず表せます。それがQ値といわれるものです。

不思議と「エコ」を前面に出している建設会社ほどそのQ値が出ていません。とーーーっても不思議です。そしもっと不思議なのが、それで納得してしまう建て主さんです。今や住宅の性能はほとんどが数値で表せますし、政府もそのような数値で示す性能評価システムを法律で決めてます。どうして「凄く断熱性がよい」とか「むろん高断熱だよ」というあいまいな言葉で納得するのでしょうか?技術者から見ると不思議です?
Q値を示さないで「エコ住宅」とPRするのは果たして本当にエコなのか疑ってしまいます。せめて断熱性を表すQ値と気密性をあらわす実測C値くらいを載せましょう。それが建て主さんに対するエコ評価の誠意ですね。・・・と思ってます。

あっ・・・それから、薪ストーブがエコかという事も正確ではないですね。木がカーボンニュートラルだからという理由だそうですが・・・。
仮に日本国中が石油や電気暖房器具を全て薪ストーブにしたら20年で国内の木を使い果たします。それだけ日本の家で多くの暖房エネルギーを使ってます。現在使わないで破棄している木を使う事はエコですが、それより暖房が少なくて済む超断熱のほうがエコとして正しいですね。


新潟の家 自然素材の「緑の家」の超断熱 Q=0.98W/m2kの小屋裏と窓

今月末構造見学会を予定している超断熱の緑の家は、小屋裏断熱材が施工をほぼ終わりました。ネオマフォームという最高性能の断熱材が180mm敷きこまれてます。これをグラスウール(セルローズファイバー)で換算すると450mmにもなります。設計者もびっくりです。450mmといったら足のひざ下が全て埋まります。もし輻射熱をもっと遮熱したい場合は、この断熱材の上にアルミホイルのような金属テカリがあるシートを貼れば完璧です。

そんな断熱材が敷きこまれても、小屋裏は美しいままです。整然と並ぶ垂木(屋根を支える細い木)は、23cm間隔と一般の2倍の量で施工されます。これは軒の出といわれる、外壁から突き出た屋根の長さが110cmもあり、これを支えるためですね。神社なども軒の出は大きく、垂木が細かく入っている事を思い出しますよね。この長さで夏の暑い日差しが家内部に進入することを防いでます。超断熱では大切な要素です。

さて今日はいよいよ窓の取り付けが始まります。
一部木製の3層ガラスサッシで、内側からメンテが可能なサッシと、オール樹脂サッシのLOW-Eアルゴンペアガラスのドレーキップ窓(内倒し内開き)、引き違い窓の3種類だけを使ってます。ドレーキップ窓を最初に使ったのは既に20年前。夏の夜、開けてあった窓を閉めるとき、普通の開き戸では、一度網戸を開けてから閉めなければなりませんが、ドレーキップ窓はそのまま閉められます。つまり引き違い窓を閉めるように、網戸に付いた虫が入ってきません。そして家の中から窓周りのメンテができます。デメリットは、内側に開くことでスペースが取られることと、雨上がりに窓を開くと、水が床に落ちる場合があることです。

さて窓の性能が大切な超断熱ですが、エクセルシャノンからエクセルウインドスーパーという製品が販売されております。図は全てエクセルシャノンさんのホームページからです。下の画像は、サーモグラフの画像で、色で温度をあらわしてます。
ガラスは真空ガラスという凄いガラスでガラス面温度が壁並みに近づいています(脅威的です)。しかし枠部分は少し温度が上がったものの、以前依然低いままでその面積も大きいことがわかります。何とか枠の断熱改善ができれば夢の窓Q値0.9以下が実現できそうですね。シャノンさん!がんばって安価で発売してください。


太陽光発電パネルによる売電価格 続報!!

数日前のブログにコメントを頂いて、電気を買い取る東北電力のお客様相談室にうかがいましたら、コメントでご指摘いただいたように48円で契約した方は、10年間48円で買い取るそうです。来年契約した方は多分42円(予想)で、その次の年の方は36円(予想)と徐々に下がるようです。
買い取る東北電力さんは、年度により個々に違う単価で買い取るのですね。
イヤーびっくりです。太陽光をつける予定の方なら今年でしょうか?

コメントを頂いた「通りすがり」様には感謝と当方が返信したコメントに対しお詫び申し上げます。  o(_ _)o


新潟の家 エアコンマニアのエアコンの選び方と実情 2009秋

朝日新聞社のネットに
「エコポイント」対象でもある省エネ型の家庭用エアコンについて、経済産業省が省エネ性能の調査に乗り出す。」
と昨日掲載されました。
http://www.asahi.com/business/update/1019/TKY200910190158.html

簡単には、エコポイントがつく省エネエアコンなのに省エネにならない事例があり、これではエコポイントを付けるの意味がない。とのことです。

過去のブログや拙者が3年前に書いた論文ではエアコンは、取り付けるシェルター性能に見合った機種を設置しないと効率が落ち、COP、APFや部屋の大きさで選定するだけでは必ずしも省エネ効果がよいといえない。」と結論をまとめています。ようやく市場でも問題が提起されたようです。エアコンマニアとしてはうれしい報道です。

そもそもユーザーがエアコンを選ぶときは、まず設置する部屋の大きさを考えますよね。8帖なのか、12帖なのか?それから価格や性能、機能を選ぶとおもいます。このとき最初の選定条件である部屋の大きさ(断熱性能による負荷)が間違っていたら、正しい性能を発揮できませんよね。

この部屋の設定条件は1964年に冷房中心で取り決めからほとんど変わっていないのがそもそも問題です。当時の部屋の設定は南側の部屋の設定で断熱性はほとんどありません。そういう部屋で使ったときのCOPが一番よくなるように調整し販売されてます。しかし最近のマンションや高気密高断熱の一戸建てでは5倍程の断熱気密性能があり、小さな部屋機種でも充分冷えますし、北側向きの部屋でも同様です。

仮にJIS9612に規定された平均的な?部屋条件(暖房)でQ値を算出すると、
2600W/20度/10m2=13W/m2kとなります。
個別暖房ながら現在のⅣ地域次世代基準の5倍近い基準です。

しかしユーザーが購入する量販店で店員にエアコンを聞くと、まず間違いなく設置部屋に応じたエアコンを勧められます。いかに断熱性能がよくても店員さんは、カタログ上の冷房推奨設置面積を薦めます。なぜか?

1.大きい部屋機種ほど販売価格(儲けも)が高いため。

2.小さな機種を薦めて万一冷えなかった(暖まらなかった)場合、責任が販売店に来る。

3.ユーザーの使い方が不明のため安全率を高く見る。

4.冷房時の部屋面積で決めたほうが、クレームにならない

この4つの理由でいかに断熱性能や遮熱性能がよくても推奨機種を薦められます。つまり最近のマンション内にある12帖リビングのエアコンを購入しにいくと、店頭では冷房12帖(暖房16帖迄)のエアコンを勧められ設置することになります。しかし本来は断熱性能がよく、6帖用でも充分なのに12帖用のエアコンですから、12帖用の大きすぎる性能のため、エアコンのインバーター制御範囲を超えてON、OFF運転が始まります。するとエアコンのCOPが急に下がり、本来の省エネにはならない範囲で多く使うことになります。

また、付属機能が多くなりすぎていることも問題です。例えば「再加熱除湿」を使うと大幅にCOPが下がり省エネではなくなります。もともと除湿とは弱冷房のようなものですから、ある程度冷風が出ます。この冷風が気持ちよくないので、メーカーは本来外に排出する熱を再び室内に戻し使います。すると熱交換機の半分が使えなくなるので効率が下がます。もちろん潜熱も熱ですからそれを室内で排出する自体負荷を増やし、省エネルギーとはなりません。再加熱除湿はできるだけ使わないほうが省エネになりますが、カタログには記載されません。
また加湿できるエアコンも同じように本来の性能を削いでます。また加湿も少量で他の方法で加湿したほうが効率は高いと考えられます。

エアコン業界はカタログ推奨の大きさを自ら変えるつもりはなさそうです。というのは、

1.現時点の推奨面積のほうが機器が大きくなり、高く売れる。

2.現時点の推奨面積のほうが冷えにくいというクレームが少ない。

3.効率が下がっても付加価値で差別化をはかり販売アップにつなげたい。

ということです。1.の多く売れるということはメーカー業界にとって重要で、販売点側と利害が一致します。そこで国が実態調査に乗り出したということですね。省エネの補助金という御旗を翳せば、業界も協力しないわけには行きません。

もっとエアコンが進化してどのように使っても高効率を維持できるなら必要ありませんが、エアコンの効率が最大になるように、ひとつひとつ性能の違う家に設置するためには我々建築士がアドバイスしなければならないでしょう。また、エアコンの設置はいまや100%に近いわけですから、建築新築時にその条件で最も効率よく動くエアコンを設置しておけば問題は少なくなるでしょう。
いずれの場合でも、エアコンメーカーはもっとCOPに対する情報(部分負荷率ー外気温)を開示してほしいです。そうすればもっと最適なエアコン設置も可能です。

 有効なアドバイスが受けれない方は、今は写真の東芝PDRの6帖用エアコンがお勧めです。6帖から20帖くらいは問題なく冷える(暖まる)と思いますし、効率が高い範囲が広く、本体に消費電力量を表示して、省エネを可視化させております。またコンパクト(規定寸法)ですので、設置条件が広がります。
新築時はパナソニックのCS-X229A(設置フリー)が最高性能ですので最適ですね。ちょっと掃除音が大きいですけれどまあ許せます。


新潟の家 家をつくるポイント メーカー選びのポイント


上の写真は現在施工中の超断熱の長期優良住宅です。その2階から小屋を見上げて写真を撮ってます。
ご覧とおり、2階の天井上に28mmもある厚さの合板を貼ってます。綺麗ですね。これだけでもデザインになってますが、これは耐震等級3の性能の家を造るために必要なものです(広いプランで)。

さて、実質今年から始まった長期優良住宅は、その対応年数を80年から100年位と考えて施工されています。
ここ15年で家造りは大きくかわりました。15年前、断熱性はあまり重要視されておりませんでした。ですので、そのころに建築された家は、残念ですがほとんど断熱性がきちっとありません。暖房にお金がかかる結露しやすい家です。なぜこのようなもったいない家造りになったのでしょうか?それは当時、建築主さんにとって情報不足が原因だったといえるでしょう。今はネットがあり、ありとあらゆる情報が手に入ります。しかし・・・
 たぶん家を造るにあたって、建て主さんは間違った情報収集される方が多いと思います。普通の建て主さんは「今」の家の情報を大事に集めるでしょう。しかし大事な情報は過去の情報です。
家は他の「物」と違って簡単に取り換えることはできませんし、買い替えることも活発に行われません。多くの人が長い「ローン」を組み、数十年間も新築時のお金を払うことになると思います。つまり建て家は、できるだけ長い間その機能(性能)が社会の流れと同じような価値を見出されなければなりません。例えば今から15年前に断熱性能ない家を造った人は、現在の家の性能と大きく違い劣ってます。問題なのはこの劣った性能を、リフォームで何とかしようとすると、何と1000万以上かかってしまいます。新築時に行っていれば200万アップくらいで済んだのに・・・。
建築士はその高い専門を生かし、せめて15年くらい経っても、15年後の家と遜色が無いような性能の家を提供する誠意が必要ですし、少量の金額で性能アップできるように考えて計画する義務があります。これを考えていないと、10年間無料でアフターしようが10年経って時代にそぐわない家は「造りっぱなし」と変わりありませんね。
資金上やむなく低価格住宅しかできない建て主さんは仕方ないですが、数坪減らせばよい家が手に入る資金のある方にはそう申し上げたいですね(拙宅は資金不足だったのでが、どうしても高気密高断熱で建てたかったので当初は24坪と小さくしました。今は36坪くらいまでなりました。超断熱でも増築は可能です)。せめて12年まえから高気密高断熱住宅を勧めていたメーカーかくらいは調べたほうがよいと思います。誠実な情報を建て主さんに提供しているかどうか・・・。

さて、毎回申し上げておりますが、これから必要な性能は
「超断熱Q=1.0以下」です。
来るべき石油枯渇、取り合い値上がり、でエネルギー価格は倍になるでしょう。その時もお日様さえさせば、暖房など一切いらないそんな性能です。
また
「超高床1.4m」によるメンテナンス性、
「窓の交換」のしやすさ
も予算が取れれば取り入れたい仕様です。

もちろん自然素材のインテリアと高基礎は標準ですね。

オーブルデザインは過去の家のデーターや取り組みを全てHP、ブログ、掲示板上で公開してます。これは建て主さんに対する建築士の「誠意」です。
また、過去にお手伝いさせて頂いた建て主さんへの「責任」でもあります。
どうして他メーカーが同じように公開しないか理解できませんし、建て主さんも「自分の家」だけは違うと思っているのか、過去の家造りのデーターに関心がありませんね。

環境住宅「緑の家」は今見ても全く「誠意」ある12年前の性能。例えば全て高気密高断熱や高基礎によるメンテナンス良好やコンクリート強度など、これら13年前の仕様はすべて今の長期優良住宅の基準を上回っております。全棟、全棟です。どの建て主さんにも正しい情報を発信できたと思います。手前味噌ですがすごいと自負できます。

1998年作成 緑の家の特徴
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/midorinoie/midorinoietoha01.html

1999年作成 住宅コラム
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/15.html

1999、2002年作成 住宅コラム ある中堅県内メーカーチラシから
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/20.html
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/53.html

1999年作成 住宅コラム 一年でかわるチラシ
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/11.html

2001年作成 住宅コラム ○井ホームへの苦言
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/01.html

2001年コラム 住宅コラム チラシについて
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/28.html

2000年 住宅コラム 設計工事監理契約
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/38.html

2001年 掲示板 基礎高
http://arbre.green.coocan.jp/?m=listtop&p=46


新潟 住まい 自然素材「緑の家」のナチュナルガーデン計画

よく見かけるフェイクストーン(擬似石)ではなく、本物の自然石(ごろ石)を得意とする「緑の家」の外構計画ですが、ようやくナチュナルガーデンの工事が始まりました。
外構や庭は、家の顔ですね。ここがしっかりとしていると不思議とどんな家でもかわいくなります(と思う)。

外構がとれない町中心部の家でも、玄関前に手をかけている花や木々があるだけでその家の住人のやさしさが感じられます。

当事務所が本格的にグランドデザインしたナチュナルガーデンが着々と進んでます。

自然石のラン張りで広場を造ります。石は黒っぽい物を選んでますが、乾いているときはこのようにグレーです。来週から木や周りの水場、水盤工事が始まります。ワクワクです。

最初にこの自然石積みの外構を提案したのは2001年で拙宅のアプローチです。評判がよく既に10棟以上の外構に採用されています。既に10年迎えようとしているが、その表情は益々よい感じです。日の陰ったところは少し緑コケが生え、日の当たるところは、石の間のコンクリートが少しざらつき、ますます周囲の緑と調和します。時々ごろ石が外れたりするけれど、接着はプロでなくても日曜DIYでできるものよいですね。
とにかく素材は本物に限ります。最近は、コンクリートのアプローチ階段が標準ですが、当事務所はこれも本物と思ってます。つまり本物とは表面だけを飾っていない素材で、削れたとき同じ素材が出てくるものと考えてます。これは年月が経てばそれなりの表情を見せてくれます。


新潟の家 長期優良住宅で耐震等級3の家 SSプランが上棟中


出勤途中の風景で火曜日の早朝の朝焼けです。
遠くに靄がかかり幻想的です。この季節になるとよく見られる風景ですね。つい車を止めて撮りたくなりますが、この張詰めた空気までは撮れませんね。

SSプランのK邸の屋根形状は南側に大きい部分があります。この所に太陽光発電約3.6Kw を載せます。

上の写真は小屋裏部分です。床が既にありますね(2階ではありません。小屋裏です)。
この床が28mmの厚さがあり、2階をワンルーム空間にしても、耐震等級3が取れるポイントなのです。今回は32帖ワンルームが可能です。更に写真では床が光っています。この光っているものが、気密シート兼ベーパーバリアです。そしてこの上に約20cmのネオマフォームという建築材料中最高の断熱性を持つ素材を敷き詰めます。
よくベーパーバリアを省略する高気密高断熱施工がありますが、これは地震等があると気密性が大きく落ちることが知られてますが、このようなポリエチレン製の気密シートがあれば、ゆれにずれに追随しやすいので気密性が落ちにくいです。ピシッと綺麗に張られてます。

さて、お待ちかねの背の高い基礎ですね。下の写真はこの基礎の中を撮ったものです。基礎内部の半分は設備室(床下暖房)、残り半分は収納です。
大工さんの角刈りと鉢巻・・・見るからに職人!最高に似合ってます。

四角い穴は「人通口」と呼ばれるメンテナンス時に人が通る穴です。応力のかからない1/4のところにあります。50cm角ありますが、まだこの余裕。たいした基礎です。

床の高さ(中央の木の上が1階床)が土台(コンクリートの上にある木)より高いところにありますね。ここがポイントで土台と筋かいのメンテナンスが容易に可能です。長期優良住宅ではメンテナンスの容易さが重要ですね。


新潟の家 超断熱SSプランの家が上棟 情報収集で価値のある家造りを

皆さんは20年後を考えたことがありますか?

Q値1.9W/m2kの拙宅は築19年目に入りましたが、当時は高気密高断熱住宅なんてマニアックな会社しかお勧めしてません。
無論大手メーカーなど高気密高断熱ではありませんでした。しかし拙者はそのころから10年以内(2000年頃)までにはきっと、新築住宅はほとんどが次世代基準の断熱であろうと予想してました。20年経って高気密高断熱でない家は、今どのように暮らしているのでしょう。

数年遅れて12年後(2002年)、ほぼ注文住宅の大半が次世代断熱基準(←気持ちとしては高気密高断熱とはいえない低い性能・・・)になりました。
ほぼ予想は当たりました。予想を当てるのは実は簡単です。正しい情報を集め分析し、用意周到にシミュレーションを行えばほとんど予想がつきます(汗)。
ハイブリッド車(プリウス)の爆発的ヒットも予想通りです。水素などの燃料電池車はその技術的ハードルから眉唾物と考えてました。

さて、今後20年後社会はどう変わっているでしょうか?
きっと間違いないのは、エネルギー価格の高騰でしょう。不安をあおるつもりはありません。ただ、エネルギー自給率がたった4%と先進国で韓国と共に最下位である日本は、来るべき原油取り合いのころには、やはり原油価格は今の2倍で買うことになります。つまり、電気にしても灯油にしても価格が現在の2倍を覚悟する必要があります。もしかしたら10年後に早まるかもしれません。

20年後は昔と違い所得が今の2倍になることは考えられませんし、エネルギー問題が一気に解決するような新エネルギーは今のところありません。従って今できることは、エネルギーを使わなくても良い生活に準備を進めることです(せめてエネルギー需給率50%に)。これが解決しなければ工場の海外移転も少子化もやむ得ないでしょう。

準備のひとつが太陽光発電だったり、電気自動車や、ハイブリッド自動車、小水力だったりしてます。これらも急には増やせませんから、政府は理由はCO2削減というお題目で今から準備し始めていると思ってます。

さて一番高価な買い物である住宅ですが、
今後の推進として高断熱住宅がどのCO2対策にも提案されてますが、この位の断熱(次世代基準)では、CO2は減るどころかかえって増えます

新潟県を含む寒い地域での断熱として超断熱くらいで無いと、将来のエネルギー高騰を考えるととても性能不足です。
Sプランの床面積を3坪減らして減額してでも超断熱SSプランをお勧めすることになります

そのSSプランの家が上棟しました。

この段階で既に綺麗な構造です。構造が綺麗なことは、構造に無理がないばかりか、仕上がった時のプロポーションも美しくなります。上下の柱ができる限りそろい、横の木(梁)も大きく統一されてます。基礎は高く頑丈です。まだ写真ではわかりませんが、これから外壁厚30cmに向けて施工が始まります。


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