木と乾燥
木材は、乾燥すると必ず収縮します。例えば新築時、105ミリの柱、なら2、3年経過し、乾燥すると102~99ミリ程度になります。また梁も乾燥すると、高さが300ミリもあるものが、290ミリ程度になります。当然小さくなるため柱、梁には隙間ができ、接合部のボルトや釘が緩み、せっかくの耐震性が落ちてしまいます。
現在(1998)、日本の木造住宅(在来軸組み工法)は、ほとんど未乾燥材を平気で使用しています。昔から、未乾燥材を使う事が当たり前でした。昔はこれで良かったのです。当時、家を作るのに一年かけゆっくりと施工した上、ボルトや釘を多く使わず、シャチや栓(堅い木でできた大きな釘)で接合し、未乾燥材でも、建てた大工さんが、時々調整したりしました。また隙間があって、室内から外が見えても当たり前でした。
しかし今は、工期も短く、ボルトも釘もたくさん使われ、更に暖房のため気密性も重要視されています。時代が変わっているのに、使う木材が未乾燥材のままであるなら、「土台から」間違っているという諺が、ぴったりでしょう。少なくとも、高気密高断熱住居なら、必ず乾燥材を土台、柱、梁、間柱、根太、床材に用いるべきでしょう。そうでなければ家のあちこちで、隙間だらけの住宅になります。