2.基礎断熱工法でなくとも弱い部分がある事を知ってますか?

text   2006.01

床断熱であっても実は基礎断熱をしている部分が住宅にはある。それは
玄関とお風呂である。特に基礎断熱を行わない業者は、疑いもなく土の中に発砲系断熱材を入れている。
それはなぜか?、木造住宅のバイブル本である、「住宅金融公庫仕様書」には、
発砲系断熱材を土の中に入れる「参考図」があり、
推奨しているからだ。もし玄関の部分の断熱材を入れていなければ、公庫基準違反である。
暖房を行う家は、断熱と気密構造にしなければならない。それは家中を断熱材でぐるっと
囲わなければ欠陥が生まれるから。すると従来では半外部空間であった玄関と風呂下も、
断熱空間に取り込まれる必要があり、一般的には、下の公庫で定められた
構造を採用する業者が多い。そうこの部分は紛れもない、基礎断熱構造だ。
玄関とお風呂は、湿気の発生や結露による高湿状況とシロアリの侵入経路が比較的容易に形成しやすいため、
被害が集中すると考えられる。
従って、基礎断熱を意識的に行っていなくとも、床断熱の業者でも基礎断熱を知らず知らずに行っているのだ。

「緑の家」の基礎断熱は、玄関部分の下は、空間があり、完全に地中と縁を切っている。
お風呂の下も同じように、ユニットバスであれば、高床住宅用※の吊り架台で支え、
完全に地中と縁を切っているし、在来お風呂も、スラブを空中に浮かせることで
こちらも完全に地中と縁を切っている。
このように対策のしっかり考えられた基礎断熱工法と一般に行われている床断熱工法では
対策のしっかりした基礎断熱工法のほうが、侵入しにくい。

誤解がないように解説するが、玄関及び浴室部分は、他のところに比べ
侵入防御が弱い部分であって、今のところ欠陥とはいえないと思う。

※高床住宅・・・新潟県の多雪地域では、基礎高2mで床下全てが物入れや車庫となっている住居は多い。こういう住居用にユニットバスメーカーは、専用吊り架台をオプションで用意している。2階に1階用のユニットバスを使うときもこの吊り架台を使用する。これを使うと、配管の下に空間ができ、メンテナンスがとても良好になる。このように高床式住居は弱点になりやすい玄関とお風呂も問題が解決され且つメンテナンスも最高に良い。白蟻と無縁である。

下図はいずれも住宅金融公庫仕様書(最新版)のある図。

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左の絵は、住宅金融公庫仕様書に記載されているユニットバス周りの断熱部分。床断熱工法でもこの部分は、左の図のように、基礎断熱となる事が多い。B部分
しかし、断熱材がない所A部分も、真っ暗な基礎内部では、白蟻が蟻道を伸ばすのにさほど厳しい環境とはいえない。
そう考えると、お風呂の湿気や水漏れ等が影響していることと、やはり空気の動きが少ない囲まれた空間になりやすい事も原因の一つであろう。(一部白蟻専門家には、湿気はほとんど関係ないというご意見もあるが、大きな因子の一つだと私は思う。)