緑の家の内部

text   2009.05

緑の家のデザインは流行りをおわない。時を経て美しく残る。無垢素材が主役。

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15年ほど経過したベンチ

① 床

無塗装の自然素材が中心です。価格と手触りから桧の縁甲板がおすすめです。また、一年の寸法変化のほとんどない無塗装の床としては、アドモントフロア(松無塗装)がおすすめです。
最初に薄ピンク色の桧の床は、1ヶ月で薄黄色くなり、住まい人の手足によって触れられることで数年であめ色の床に変化します。その変化が素晴らしいと感じます。人が一番接する床にこそ木の触感がダイレクトに伝わる部分。
ぜひ桧の無塗装の木を使ってください。高ハードな用途にはナラがおすすめです。

新築時の床(松無塗装)。艶はまだまったくない。
あめ色になった築8年の床(桧無塗装)。ピカピカの艶。
築50年以上経った無塗装の床(東本願寺)。落ち着いた艶。
13年間ノーメンテナンスで使ったナラの床
13年間ノーメンテナンスで使ったナラの床

② 壁

壁はAEP塗りまたは左官壁がお勧めです。
AEP塗りは50~60年ほど前から病院や学校で大変多く使用されており、現在でもそれらの建物では主役の仕上げ材です。とてもコストパフォーマンスがよく、経年変化が少ない内壁仕上げです。
左官壁は薄い塗り厚2mm程度のものから、5~6mmまであり、それぞれ素晴らしい特徴があります。
代表的な左官壁は、しっくい、プラスター類があります。価格はAEPの3~5倍になるのが欠点ですが、手仕事の存在感は何事にも得られないものです。しっくい壁類はその仕上がりの美しさが魅力です。

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正面 中霧島壁で丸くくり抜いた棚
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中霧島壁は意匠性に富む表現が可能
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AEPはシンプルにすっきりと明るく

③ 天井

天井のお勧めはAEPか木の無塗装です。
AEPは壁でもふれたとおり、コストパフォーマンスが大変優れています。無塗装の木は2種類あり、下地の木のままか羽目板仕上げです。コストを重視する時は下地の荒々しいままの木を見せ、羽目板を使うと上品になります。洋風のイメージではしっくい等の左官仕上げもあります。

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天井と壁をAEPにした場合一体感が生まれる
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天井に下地合板を貼った仕上の場合
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天井に杉縁甲板を貼った和室