4. 床下暖房の欠点

TEXT 2010.06.12 2016年加筆

床下暖房のデメリット

床下暖房を勧めるメーカーは、良い事しか言わないがデメリットも必ずある。人間が吸う空気は綺麗なところから供給される事が重要。だから床下暖房で床下からくる空気が衛生的であるように、床下をいつでも目視し点検清掃できる事が重要!!床下高さは1mくらいは最低ほしい。

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2016年には基礎断熱特有のカビ問題も学会で論文発表があった。床下暖房は基礎断熱で成り立つ事からこの問題は大きい。これを解決するためにも人が床下へ直接入って目視できる事が重要

床下は汚いのか

先ずはこの写真をどうぞ!一見綺麗に見える築2年の床下。気密性能は0.4cm2/m2と超高気密の基礎断熱の家。緑の家は床下に照明が完備される。だからこのような事もわかるが、懐中電灯片手に歩腹前進の床下では見過ごすだろう。

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上の写真の矢印をアップにしたところ。大量のダンゴムシ蜘蛛。多分越冬のため入り込んだ。これは驚くことはなく普通の光景である。どの家でも数年で虫の死骸があちこち散乱している。

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こんな虫もひからびている。床下は越冬昆虫のミイラ場所ともいえる。

床下暖房のデメリットは5つ

白アリ予防剤を塗布できない→長期優良住宅の認定を受けられない。

安易に壁材や床材に白アリ予防剤を塗布すると、シックハウス病になる恐れがある。
但し、緑の家のように基礎に工夫すれば簡単に認定は受けられる。

2  建築当初の床下は掃除されていて綺麗。

ところが10年も経つと、埃や虫の死骸、時にはネズミの死骸があるかもしれない。そんな目に見えないところの空気が床上に入ってくる事がデメリット。そこで床下を掃除しようとするのだが、普通の基礎高さではせいぜい40cm。歩腹前進でしか進めないところを掃除できるか?

3 床下から熱が逃げやすい

床下の温度(25度)が居室(22度)より上がるので、床下から熱が逃げやすい。このため床下の基礎断熱部分は、居室より高い断熱性能が求められる

4 床下空間が全部繋がっていないと床下に温度ムラができやすい。

エアコンから吹き出された温かい空気は、比重が小さいので軽く上昇しやすい。このため横に温風が行きやすい基礎計画と、床下内の気密をあげて静圧力差で吹き出す方式をしっかり計画しないと温風が隅々まで行き渡らない。この辺りは設計及び技術力が必要となる。

白アリを引き寄せやすくなる

白アリも昆虫。寒い時期は暖かいところで過ごしたい。すると春先の白アリの活動期に既に地中が暖かい基礎断熱で且つ床下暖房している地面におびき寄せられる。この事は多くの白アリ駆除業者のサイトにその説明がある。この致命的欠陥をカバーするため白アリ対策を万全にする必要がある。

 

番外説明 白アリ・高温床下暖房

基礎断熱した家の真下の土は、他の土より温度が上昇する。白アリも虫であり、虫は冬に暖かいところは大好き!だから越冬の時に寄って来やすい。これは人間と同じ生き物だからあたりまえ。
コンクリート内に発熱体を埋め込むタイプの床下暖房に特有の問題も指摘されている。
これは埋め込む部分が構造体の時に限定されるが、コンクリートの寿命を縮める恐れがあるということ。コンクリートは水中にある時(つまり湿った状態)ほど強度が長期間持続し、乾いている環境にあると強度が落ちるという報告があるからである。発熱体の部分は高温になり、コンクリート自体も40度から45度近くになる。つまりこの時コンクリートは著しく過乾燥状態になる。ただし、この件はまだ確かではない事もあるが、情報としてお伝えする。