緑の家の暖房方式

①+(プラス)床下暖房 ←お勧め!!

12年間(1998年から2008年)室内のエアコン暖房を標準でお勧めしてまいりました。がしかし次の三つ理由で床下暖房をメインにする事にしました。

1.私は年齢と共に体の代謝が衰え、冬は足元が少し暖かい程度が心地よくなった。これはほとんどの人に当てはまると考えられる。30歳代の頃は、高気密高断熱の家の環境では、室内のエアコン暖房でも裸足で歩けた。ところが40代半ばから足元が少しだけ室温よりし暖かい温度(23度)くらいが理想と感じる。
床暖房の床は27度以上になり超高断熱環境では逆に不快のため床下暖房が最適。

2.超高断熱と共に、床下高さを高くしたいというご要望が増えてきた。このとき以前のまま床下だけを高くすると、基礎立ち上がりが高くなる。つまり、基礎立ち上がり面積が増え、結果そこから逃げる熱が増す。するとSプランの床下温度が17度あるのに対し、基礎の高い家の床下温度は15度となる。これでは1階の床表面温度も下がるので、床下に新たに熱源をいれる必要性が出てきた。

3.過去5年間で(2009年時点)床下暖房の家は、トータル4棟で、その家すべてにコンクリート臭が住民に悪影響を及ぼさないという実績ができた。

床下暖房は室内エアコンと一緒に行う暖房方式です。床下暖房だけで行おうとすると、床の過乾燥による不具合や、熱が床下から外部に逃げやすくなりますのでお勧めしません。


床下エアコン設置 新潟S邸


床下エアコン模式図

床下エアコンにする理由  クリックすると拡大
床高が上がる床下からと逃げる熱が増え、温度が下がり易い。
それを補うため、断熱を強化し、床下に補助熱源を入れる。

 

② エアコン暖房 (高性能COP6.5以上)
事務所設立以来、エアコン暖房の優れた性能を感じ取りお勧めしててきている。これからも主暖房としてお勧めする。エアコン暖房の優れているところは、一番経済的ということ。
特に新築時冷房と兼用できるので、暖房機としてみた場合のイニシャルコスト(初期費用)は0万程度。冷房として設置したと考えれば費用は掛かりません。
さらに、年々高性能化するエアコンは、現時点でもCOPが6.5(実使用時測定でも4)※を超えます。これは電気ストーブの1/4のコストで暖房できると言うことです。また蓄熱暖房と同等の経済性。最近多くなったエコキュートもエアコンと同じ仕組み(ヒートポンプ)の給湯器ですね。今後もエアコン暖房はお勧めです。もちろん超断熱住宅ではこれだけでも裸足で真冬も過ごせます(冷え性の方を除く)。
※・・・2009年時点

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30帖くらいまでなら8帖用エアコンで充分。三条N邸

 

③ 薪ストーブ&ペレットストーブ
薪ストーブは最近人気が高い暖房ですね。炎が揺らぎはぜる音を感じるととても癒されます。普通は小さなストーブ1台で十分家中暖房可能です。炎を見るのが好きな方には一押しです。
が・・・巷で言われる「薪ストーブはエコ」ではありません。容易に再生可能なエネルギーですが、石油や石炭と比べエネルギー密度が低いので、日本中の人が薪ストーブにしたら数十年で日本から森や林がなくなります。あくまでも趣味であり、本当にエコの使い方をできるのは、木の廃材が容易に手に入る方法がある方で、薪ストーブのためだけに木を切り倒す暖房方法ではエコでは無いと考えます。
気になる導入コストは100万程度です。

ペレットストーブは燃料が木(ペレット)ですが、そのほとんどが廃材等(通常では使えない木)を再利用してます。よってエコといえます。ただ海外の機種は消費電力が200Wを超えるもののあり、これらの機種ではエコとは言いにくいです。
お勧めは国産のストーブで、消費電力が50W程度ものです。ペレットストーブの一番のメリットは、街中でも使えるということです。薪ストーブでは、燃焼が安定していないときに、匂いがきつかったり、煙が多く出てご近所さんにご迷惑をおかけする場合がありますが、ペレットストーブは石油ストーブのように使えるので問題はありません。気になる導入費も45万程度と薪ストーブイの半額程度です。

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薪ストーブの最大の魅力は、「火を扱う事」。
その匂いと炎の揺らめきは癒しの最高級。柏崎T邸

 

④ その他
(温水パネル、蓄熱暖房、床暖房)
上の他に暖房方式はたくさんあります。温水パネルや、根強い人気がある蓄熱暖房方式と、床暖房等があります。

温水パネルは最も安定した暖房方式です。20年以上前から北海道では人気ナンバーワンの暖房方式です。熱源は石油燃焼方式が最も多く実績も多数です。メリットは快適性が安定して得られることと制御が比較的簡単。デメリットは夏に使わない器具が露出していることと、機器の寿命(ボイラー)が比較的短い(10~15年)ということです。

蓄熱暖房方式には大きく2つあります。一つは暖房器具を各部屋に設置する従来型蓄熱暖房方式。もう一つは床下のコンクリートに蓄熱させる床下蓄熱。いずれも温水パネルと同様に安定した暖房方式です。メリットはランニングコストが現時点(2009年)では最も安く、機器の寿命が最も長い(20~30年)事です。デメリットはエコではないことと、将来ランニングコストが急激に変わる恐れがあるということ。エコではないということは、貴重な電気を直接熱にし、CO2をたくさん排出するからです。現在は深夜に電力が余っているのでCO2の問題は少ないですが、今後深夜電力機器(電気自動車)が増えると、価格が高騰する可能性があります。

床暖房は表面温度が25度以上になるので、超高断熱住宅において時には不快を感じることもあります。しかし、普通の高断熱住宅(Q値が次世代断熱基準程度)ではその快適さはトップクラスです。冷え性の方には絶大な快適性が生まれます。
デメリットは温度制御にタイムラグが生じるということと、床材を選ぶことです。

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玄関に設置された温水パネル 新潟五十嵐 K邸

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リビングのカウンター下に設置された蓄熱暖房機 新潟k邸

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1階全てに床暖房を設置したW邸