Q.高気密はなぜ必要か?
もしあなたが昔みたいに、囲炉裏がある自然素材住宅が良いと考えて
いても、高気密高断熱は必要です。囲炉裏も、暖をとるための
空調(暖房)であることになんらかわりなく、やはり気密と断熱が必要です。
そこで断熱はいいけど気密はね・・・という人はおかしなことに
気づくでしょう。お湯を入れるポットになぜふたがあるのでしょう?
それはふたを開けたままだとすぐさめてしまいますね。
このふたが気密性を保持しているから冷めにくいのです。
ふたの断熱材としての役目は全体の1/20以下でしょう。
ですからふたはラップでも、お湯は急激に冷めません。
又飛行機が高度1万mの氷点下20℃以下を、
時速500km以上で飛んでいても寒くない最大の理由は、
気密性が高いからです。(高速道路を走る車も同じ)
これほど暖房するためには気密性が重要で、
高気密高断熱というように、気密を先に伝えるのは、
通常、気密性なしで断熱がありえないからです。
又、気密性は内部結露を防止する重要な役目や、換気を計画的に行う
条件でもあり、更に上下温度差がなくなります。(新大環境研究室へ)
よく吹き抜けで誇らしげに扇風機のお化け(シーリングファン)が設置され、
温度差を攪拌しているという写真がありますが、
そういった物も必要ありません。そもそもシーリングファンは、
南国の扇風機であって、北欧やカナダ等の寒い国で見たことが
ありません。
もしあなたが少しでも「暖」をとることを考るなら、
高気密、高断熱にするべきです。当然気密は高いほどよく、必ず
気密測定で試験し、数値を確認する必要があります。
どんなに気密が高くても、息苦しくありません。
窓を「ほんのちょっと」開ければ普通の家ですから・・・。
ここから先は2003.11に追加補足しました。
上のようにだけ答えていると、誤解をする人がいるかもしれないので
繰り返しになりますが、補足します。
気密性は内部結露防止の面からもとても重要です。
ちゃんとした気密性=防湿性となり、ベーパーバリアとなります。
このベーパーバリアがないと、15年くらい前に北海道で問題となった
高断熱低気密住宅での内部結露による被害が発生します。