最近の建物は軒の出が無いのに大丈夫か?築16年の建物。 

text 2006.09.26 更新

この建物は、私の「誇り」。当時は大工さんから「すぐに腐るよ」とか「10年もたない」とか散々言われた高気密高断熱の建物。
これからも元気で長く生きてほしいと願う。

平成2年に建築した住宅。
真っ白な外壁は、一度も塗り替えていない。驚き!!

 

この家は、私が最初に手がけた16 年前の「高気密高断熱住宅」。
この件についてはここで4年前に掲載しているのでご参照してください。

16年たった今も当時とほとんど変わることなく「白」の外壁。
これはとても自慢できる。16年後の住宅の写真をホームページに
掲載するのは、とても勇気のいる事だ。なぜなら16年も経てば
普通の外壁はみすぼらしくなり、そろそろリフォームかな?という感じの
家が多いからである。勿論このお宅の外壁は特殊ではなく、
安価なサイディングで「ミツイセンチュリー」の無塗装版を現場で「吹き付け塗装」
したものであり、「現場塗装がこんなに耐久性があるものなのか」と思わずには
いられない。
なぜこんなに汚れない、変わらないかというと

1.高気密高断熱と通気工法で内部の湿気が外壁に透過しない。
2.窓(サッシ)が「引き違い」でなく「開き」のため、レールに汚れがつかない
3.「軒の出」が通常の1.5倍もある90CMで、雨、紫外線から外壁を保護する

ところが最近屋根の軒の出の無いデザインが大流行。当事務所でも多く計画するが、
そのときは、外壁はガルバニュームという屋根と同素材を使う。
そして屋根換気や外壁通気層には非常に気を使う。 そうしないと腐朽すやすいからだ。

また、屋根はガルバニューム鋼板(耐摩鋼板)。雪のすり傷がつき易い
長岡でまだ錆びも出ずにがんばって実績を伸ばしている。
安価なのにたいした素材である。

最近下のような家を住宅メーカーが薦めているが、屋根の軒の出が無い建物は、外壁の素材に注意しなければならないし、屋根が片流れの家は、屋根の換気に注意が必要。軒の出が無い片流れの家は両方に注意が必要な難易度の高い設計と施工を求められる。(下の写真はイメージです。このチラシメーカーが悪いかどうかわかりません。)

上のような文章と左にそのチラシの一部を写真に撮り、掲載しておりましたが、この度、そのチラシメーカー様からご指摘を頂きました。
弊社の行き過ぎた内容と軽率な表現で、関係された全ての方に不快感を与え、ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。

オーブルデザイン 浅間英樹