2006 7.27
「緑の家」床下収納は冬暖かく、夏涼しい。湿度も高くない。
線が切れているところは、計測器がエラーしたところ。
上のグラフは、昨年から今年ににかけて9ヶ月間緑の家の床下収納庫内の温湿度を
実測したデーターである。
湿度は夏のころ最高で70%、冬は40%以下になる。また温度は冬に17度くらい。夏は24度と
安定している。驚く事は夏季、空気の潜熱と顕熱を加えたエンタルピも床下のほうが
1ランク低いという結果。つまり床下のほうが絶対湿度も低いと言う事。乾いているのだ。
床下には乾燥させる装置などは一切ない。
この事が収納庫として薦める事ができる科学的裏付け。
調査した家は、緑の家で築1年目から2年目にかけて。測定はは新潟大学の研究室で信頼がおける
機器を使用している。
(調査した家は、リビングの温度からわかるとおり、夏季はエアコンを使う。冬は無論、
24時間暖房。床下の測定場所は、洗面脱衣所下で、1階床より約80cm下がったところ))
緑の家は基礎が一般の基礎より40cm高い所謂「1m」のべた基礎ダブル配筋である。
(下の写真は更に高くした1.2mである。)この高い基礎は当初から収納として計画した
わけではない。当初基礎を高くした理由は、白蟻予防と防腐予防が目的であった。
ところがある事件がきっかけで、基礎断熱の床下は湿気ないことが
わかったのだ。その事件は、13年くらい前の事務所を開設する頃に遡る。
私が勤めていた住宅会社で、14年くらい前から基礎断熱を実施していた。
そして引渡し後基礎断熱床下内に水がたまっているというクレームを頂き
基礎断熱商品開発責任者である私は床下に潜った。当時の基礎暖断熱は、
一般高さであるため、隙間は40cmくらいしかない。
そこでその真っ暗な水溜りの中を歩腹前進して調査した。
建築担当者は、「原因は基礎断熱の換気口がないので結露した」と言って
いた。私はそんな事はないと思い、基礎断熱で施工した他物件を調べた。
そしたら全ての床下は乾いており、特に梅雨時であったにもかかわらず、
床下のほうが湿気が少ないように感じた。計ってみると、室内より乾いていたのだ。
そこで、ここは「使える」事を確信した。
水溜りの原因は、工事中に床下への水侵入と、建物周囲が床下内より高くなっており
雨水が外部から浸入したらしい事がわかった。(最近も同じように建物周囲地面を
低くするということを怠り、ご迷惑をかけた建物がありました。)
1年目はコンクリートの水分で湿度が高くなり、大事なものは控えて頂くが
2年目からはどんなものでもしまえる。