2004.0825
住宅 見学会 設計を新潟で 自然素材と木で 高断熱、高気密、エコ・エコロジー・省エネ
欠陥建売住宅を購入した者に対する建築士の責任 |
国民生活センターからの抜粋
解説すると、家を造る時に行政に提出する「確認申請書」というものがあるが、ここの工事監理者として記載された一級建築士「A」は、全く工事監理をしておらず、名義だけを「B」建設会社に貸して確認申請を提出したため、完成した建物が図面と違う建物になり、それが重大な欠陥をつくり建て主(買主)に被害を与えた。そのため多大な損害賠償をすることになった。というものである。今までの判例では、この建築士「A」と買主(建て主)に「工事監理契約」がないということで、その賠償責任は小さいという判決が殆どであった。しかし今回の判決は、社会的にみて工事監理者の担う責任は大きく、名義貸しは許されないとの判断である。
以前もご紹介したとおり、この名義貸しは、新潟県でも一般的に行われている事で、中堅クラスの建設会社、ハウスメーカーでは、その会社にいる社員の建築士の名前を書くことが多い。しかし、その建築士が工事監理を行うことは非常にまれで、社内名義貸しが殆どである。従って家を建設会社やハウスメーカーで造った殆どの人が、自分の家の工事監理者が誰かわからない。(周りにいる建てた人に聞くといい)更には、設計者も誰だかわからない人がいるはずだ。ここでいう設計者とは「確認申請書」に記載されている設計者であり、設計担当者ではない。そういえば自分の家の確認申請書を見たことがないという方も多いだろう。それは建設会社が、建て主にそれを見せたくないので、お渡ししていないか、他の書類といっしょに紛れ込ませて渡しているからであろう。
「工事監理者なんてわからなくてもいいよ」という声もあろうが、法律では設計者、工事監理者は、もし重大な瑕疵があれば個人で責を負うこともあるくらい社会的に大きい責任がある。そんな人の名前を知らなくていいよということは、理解しがたいと思えるのは私だけであろうか?
工事監理者として名義貸しををしている人は、待ったなしで改める必要がある。