text 2002.10
左の家は、私が最初に手がけた12年前の「高気密高断熱住宅」。
最近近くに用事があったのでぶらりと立ち寄ると
な、な、なんと当時のまま!!
この家は、私が以前在籍していた会社で最初の高気密高断熱だった
ため記念に外壁の色を「白」にした。
当時から「白」はとても派手で危険な色(汚れやすいと思われていた)
だったが、高気密高断熱住宅自体が「危ない建物」として認知されていた
ため、「よし、ならば色も危険な白にしよう」と思い決定した。
12年たった今も当時とほとんど変わることなく「白」の外壁。
これはとても自慢できる。12年後の住宅の写真をホームページに
掲載するのは、とても勇気のいる事だ。なぜなら12年も経てば
普通の外壁はみすぼらしくなり、そろそろリフォームかな?という感じの
家が多いからである。勿論このお宅の外壁は特殊ではなく、
安価なサイディングで「ミツイセンチュリー」の無塗装版を現場で「吹き付け塗装」
したものであり、「現場塗装がこんなに耐久性があるものなのか」と思わずには
いられない。
なぜこんなに汚れない、変わらないかというと
1.高気密高断熱と通気工法で内部の湿気が外壁に透過しない。
2.窓(サッシ)が「引き違い」でなく「開き」のため、レールに汚れがつかない
3.「軒の出」が通常の1.5倍もある90CMで、雨、紫外線から外壁を保護する
特に1.は重要で湿気が通過しないので、サイディングにありがちな
「カビ」の黒ずみが発生しない。
また3.の「軒の出」は、「よだれ」といわれるバルコニーの上からの
黒い線の汚れを防ぐ。
この建物は、私の「誇り」。当時は大工さんから「すぐに腐るよ」とか
「10年もたない」とか散々言われたこの建物。これからも元気で
長く生きてほしいと願う。