やっぱり基本を知らない建築家は変? 「建築知識4月号」の巻頭座談会

4月号の建築知識の「木造住宅のスタンダードを考える」の内容は、とても変だった。ある建築家が、「建築家が強引にでも、高気密ではなくす方法を考えていく必要があるのではないか・・・中略・・・衣服にも断熱性能が形成されますが、ビニールでできていたら、当然蒸れるわけです.いくら暖かくても。そう考えると高気密高断熱の高気密には、疑問なんです。感覚的な話しなんですが。」
まさしく感覚が、おかしい建築家と思う。略歴を見ると大学の先生もされている。こんなえらい人も感覚的(環境の勉強をしていない)にしか、物事を捉えることができないから、木造住宅が進歩しないと思う。多分この人は、暖房をしないで住まうことをよし、としているのだろう。暖房することは、ある空間の環境を人工的に作り変えることであり、断熱、気密、換気は全て重要なファクターである。この建築家の言っていることを、簡単にたとえると、「お湯を入れるポットの断熱材がしっかりしていれば、蓋はしなくてもいい。いやちょっと閉めるくらいがイイかな?」てなことになる。当然蓋を閉めなかったなら、あっという間にお湯は冷める。小学生でもわかる現象だ。蒸れる(内部結露?)という問題は、随分前から科学的に解明され、解決方法も広く知れ渡っているのに・・・。内部結露と、防湿関係の重要性が理解できていない。この雑誌の3月号(前号)は、高気密高断熱特集で、この号をよく読めばわかるのに・・・。
随分前から、高気密高断熱の必要性を、各地で啓蒙されている南雄三氏の監修された記事(建築技術11月号)の中には、冒頭のような変な建築家がいるものだから「今度から高気密高断熱といわないで必要な気密性、断熱性ということに言いかえることにした」と述べられている。まったくそのとおりかもしれない。