TEXT 1999.012
木造2階建てでも、今後は構造計算を行う時代に入ったと言えるだろう。
私が住宅に関わるようになった、今から十数年前は、巷には、構造的に
本当にいいかげんな物が数多くあった。当たり前である。なぜなら、
構造計算も知らない人(営業マン)が平面図を作るし、建築士ではない人が、
建築士の指示も受けずに、確認申請図書を作る。したがって、こんなものが
いいの?まであった。 今は無くなったかというと、これがまだある。
着工棟数が、一時期の80%にまで落ちているこの時期こそ、まじめに、
真剣に考えねばいけないと感じる。一人一人が、住宅を計画、建築する
行為に誇りを持って、計画遂行にあたりたい。しかし、今だチラシには、
壁倍率3倍とかと言う意味の無い数値が、おどっている。合板製造会社が、
強い合板のPRを行うかのようだ。我々は、合板を作っているのではなく、
家である。家としての耐震性は計算で確認する。壁倍率ではない。そこで
必ず構造計算を行ってほしい。そもそも構造計算を行うと、今までいかに
多くの住宅が不適合かわかるだろう!!合板は、家のほんの一部である。
ある家の広告。まるで家の耐震性が5倍かのように表現される。
しかし、5倍は壁単体の強さのことだ。そもそも従来とは・・・何。
さて、今回示された案は、建物の強さ安全性については、結構良いのでは
ないかと思う。わかりやすくなってきているのでは・・・と感じる。前問題の
解決にもなるだろう。ただ空気の質については、もう一つ掘り下げても良い
のではないだろうか?例えば空気汚染については、実測検査(検査方法が
確定できないという、ネガティブな理由でなく)を、最高ランクにの一つに持って
きても良いのではないか?発生源である材料の種類と使用量の制限と共に、
換気効率の実測をすれば、シュミレーション濃度がわかるのではと思う。
この方法は、現在特定できないVOCに対し、将来その特定と、発生量がわかれば、
その換気計画で良いか建築後もわかるというところだろう。実測は、風がなければ、
1日で終了するはずだ。特に、気密測定といっしょにできるため良いのではと考える。
いかがだろうか?今はホルムアルデヒド、キシレンなどが多く取り上げられるが、
スチレン等も非常に危険な物質として注目され始めている。数年先には、
規制対象の可能性も有る。 気密層が無い、現場ウレタン吹き付け工法も
将来、第2のホルムアルデヒドの可能性があるかも・・・。