2007.06.27
造りつけキッチン。白と金属色で統一。Mac仕様みたいな感じ。
ティッシュペーパーもビルトインですっきりと。
「緑の家」仕様では、通常コンセントやスイッチプレートは「新金属」と言われるシルバー色の金属製プレートだ。最近の住宅や建物のプレートは、樹脂製のアイボリープレートだったり、ホワイトプレートだったりする。ではなぜこの新金属を使うのか?それは、「緑の家」では最もインテリアがスッキリとするため。「緑の家」ではメイン材料はほとんどが素地のままであるから、木は木らしく塗装はなし。壁は昔ながらの漆喰風の白にこだわる。キッチンもオリジナルの造りつけタイプが多く、その多くが白いメラミン樹脂。そして取っ手やハンドル類はステンレスで出来た素地のもの。(上のキッチン写真)そこでスイッチプレートを新金属にする事で、空間の色が白、木、シルバー(つや消し)となり統一感が取れすっきりとしたインテリアになる。そんな細かい事が完成度を高める。
渋い色の「新金属」。ステンレスと少々違うようだ。
新金属というプレートは、アルミ色とステンレス色の中間のような飽きない色である(上の写真)。触感も金属特有の冷たい感じではある。好き嫌いはあるが、私の世代は、樹脂が安価に製造できるようになったためにプラスチック全盛となり、何でもかんでも樹脂に代替えされた時代で育った。そのためどうも樹脂と金属を比較すると、樹脂の方が安っぽく見える。特に新金属プレートの多くが、上の写真のようにしっかりねじ止めされる形式だが、樹脂プレートは簡素なワンタッチはめ込み式である。(やはりねじ止めが好き)
また樹脂のワイドプレートと言うスイッチが大きい物が主流であるが、これは使いやすさより独占に近いメーカー側の戦略と見ている。ワイドプレートは使いやすいと言う事で価格が高めに設定されているからだ。この新金属タイプが使いにくいと思った事は一度もないが、皆さんはいかがだろう。
上写真の中央壁にスイッチとエアコンリモコン、インターホンが並ぶ。
写真はカウンター上に85cmと低く 整然と
並んだコンセントとスイッチプレート。
「緑の家」ではスイッチプレートの高さを85cmにしている。上の写真の中央部分にスイッチ類が並んであるが、これらは特殊な機器を除き、床から85cmとしている。通常皆さんの家では120cmのところにスイッチがあるのではないだろうか?どうしてこんなに低くしているのか?
理由は、壁をすっきり見せるためである。「緑の家」では白い壁がほとんど。白い壁は「絵」や「額」を飾るととても引き立つ。ところが、その壁にスイッチが120cmのところについていると、壁の絵とスイッチの高さが近くなり、スイッチがじゃまくさい。ところが上のダイニングキッチンの写真のところを見てほしい。中央のスイッチの上にパネルや絵が飾っても雰囲気が壊れにくいと感じられると思う。もしプレートが今より35cm高い位置にあった場合は、そうはいかない。なぜなら日本の住宅の平均的な天井高さ(2.4m~2.7m)では、絵を飾る高さがどうしても120cm~140cmのところであるためだ。そして立っている時の目線も140cmくらいになり、スイッチプレートが目に飛び込んでくるのである。だからプレートの高さは85cmが目立たなくてよい。
こぼれ話し~最初に85cmにした理由~
スイッチプレートが85cmだと手を上に上げなくても届く高さであり、また車椅子に乗った状態でも届きやすい高さという「ユニバーサルデザイン」的要素で計画したのがきっかけ。いざ造ってみると使いやすいし、視覚的にじゃまにならない。さらに、カウンター上に設けるコンセントの高さが大体85cmとなるので、キッチリと高さが揃う。良い事尽くめだった。小さい子供が面白がってスイッチをいじる高さであると言う人もいるけれど、それは躾のと子育ての問題であると考えている。ハイハイの時に触りやすい高さのコンセントプレートの方がもっと問題だから、このスイッチが子供にとって不都合という意見は説得力がない。今後も標準は85cmでお奨めしたい。