「耐震偽造!建築士の関与する違法建築について」 ②  

2005 12 7

これはオーブルデザインが発行する保証書。事務所設立時から、このような保証書を建て主さんにお渡ししてきた。更にこの保証書の中には高気密高断熱住宅の特殊な住まい方の説明もある。

前回の1で案内しているとおり、社会を騒がせている建築士の違法建築②です。
「偉そうな事をおっしゃっているけどオーブルデザインさんはどうなの?」とご質問を頂く前にご案内します。
まず、
オーブルデザインでは建て主さんに直接「保証書」※1を発行しております。
今回の事件の大きな問題は、家の耐震性を決める設計者と建て主に何もつながりがないということ。したがって、どんな酷い設計しても設計者にまで建て主さんは何も要求できない。したがって設計依頼主(建設会社)が、「とにかく安くして」といえば、それに沿った設計であれば安全性は多少犠牲になっても良いということになり、今回の事件のように発展する恐れが高い。無論一戸建て住宅でも通常はこのタイプがほとんどで、施工会社と設計者はビジネス関係になり、建築士(設計者)と建て主さんは直接契約しないし、顔も合わせないのが実情。こんな状態でよい構造計画(設計者)に出会うはずがない。

次に、オーブルデザインでは、建築士事務所賠償責任保険に加入しております。
建築士も人間ですから、悪意がなくても業務に間違いがあり、結果として違法建築もしくは瑕疵が発生し、建て主さんに被害をかける場合もありえます。このとき補修金額が大きければ、その保証書で取り決めた行為ができなくなります。そのためそれを補う保険が必要となり、限度額1億円の保険に加入しております。

次にどんな建物でも、木造の構造図(構造設計)※2を自社内で且つ担当建築士(設計者)行っております。
木造の構造設計を自社内でそれも担当設計者が行う設計事務所は県内でも珍しく、施工会社では更にまれである。「えっ本当」と思う方もいると思うが、事実である。「ではどこで構造図を考えるの?」と聞きたいと思うのでご説明すると、
1.プレカットの構造材※3を使う場合は、プレカット工場の社員。
2.工務店等で手で刻む場合、大工さん(通常設計者ではない)。
3.ハウスメーカー等プレハブ系メーカーは、本社もしくは支社内の社員。

もうお分かりですね。1から3までの方法ですと、構造図は建て主さんの手元には行きません。運が良い人でも家の請け負い契約後に、ようやく目にすることになります。このように何千万もする家の構造図がなくて家の請負契約するする人がほとんどです。構造図面は確かに専門的なものですが、他の人に見てもらうことができ、おおよそのチェックはできます。構造図が契約時にないシステム。これでは、今回の耐震偽造などの被害はあっても仕方ない仕組みといえます。ご自分の家の構造は、プランを考えてくれた設計者ではなく、違う人が考える事に抵抗なければ問題ありません。一度もあったことのない、また責任も関係ない人があなたの家の構造を考える。今回の事件と同じと思うのは私だけでしょうか?

※1・・・オーブルデザインの緑の家では、オーブルデザインが直接発行する保証書と(財)性能保証機構による10年保証、更に工務店さんの法律上の瑕疵担保10年の3本で構成されます。またオーブルデザインの保証内容は「建て物の基本性能に不具合(設計上の瑕疵)があった場合、建物が存在する期間無償修理します。」というものです。その基本性能とは、地震に遭遇しても倒壊しない(地割れ、液状化等を除く)とか、内部結露が発生しない等!!建て主さんから安心していただける内容です。

※2・・・構造図は通常、基礎伏せ図、土台伏せ図、各階床伏せ図、小屋伏せ図、構造詳細図と耐力壁位置図があります。こちらにサンプルを用意しまた。ぜひ家の請負契約をされる前にご入手のしてください。

※3・・・プレ(あらかじめ)カット(刻む)という意味。工場などでオートメーションで刻むため、コンピューターが構造図を作成するといわれるが、そんなことはなく、やはり人間が最初の構造計画(入力)を行っている。

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プレカットされた独特の丸みを帯びた接合部。
コンピューターで制御され自動加工される。加工精度は高いが、構造を計画すのは、基本的に人間である。接合部は数種類しかなく、大きい空間は苦手である。