「耐震偽造!建築士の関与する違法建築について」①  

建築士の違法建築について・・・。辛口御免m(_ _)m

2005 12  4

人気テレビ番組の一場面をカメラで撮影。有名な声のきれいなタレントが家を紹介する番組内での間取りのテロップ。ロフトと書かれたところは明らかに3階に相当する基準。製作者もこのタレントも確信犯と思える。もし今回の耐震強度偽装が悪いなら(当然)この番組も即刻放映中止だ!!

社会を騒がせている「耐震強度偽装問題」。どの建築関連ニュースを覗いても第一面のニュースとして取り上げられている。そして建築業界人のコメントとして建築士は一様に「残念だ!!」とか「考えられない」とコメントが載っている。しかし私は、これはおこるべくして起きた事象であり、特段の驚きも大きくない。住宅でも耐震強度のない建物を設計、施工する建設会社の多いこと。またリフォームも耐震補強はそこそこに、見た目だけ良くする会社。モラルなど今の建築士にはないから・・・。当事務所がここで警告を鳴らしたとおりの事がおきたのだ。4ヶ月前の記事を抜粋すると
「これはチラシのアップ。高さ2.5m以上もあるのに、片側には手すりも、壁もなく、非常に危険な階段。
この住宅メーカーは、こう言い訳するのだろうか?
「この設計は、建築家に頼み、確認申請も通っている。だから問題ない。もし法律に触れるところがあれば悪いのは、確認は通した役所や特定機関だし、設計した人だ」
という人のせいに・・・。
もし誠意があるなら、今度のチラシに、
「この度、弊社展示場において、手すりの設置不具合がありました。ご迷惑をかけました」
位の度量の大きさを見せてほしい。
なぜならそのくらい大きい影響力のある写真を配布したのだから・・・。」

上の赤字のところはいまヒューザーや木村建設が言っている主張だ!!見事に同じ。

当事務所のこのコラムで何度となく建築業界の矛盾や違法建築のチラシT.V.など紹介してきた。特に2年前にテレビ朝日系の住宅紹介番組で放送された家が違法建築である疑いがあるとして、私は管轄の横浜市役所に通告した。もちろん横浜市役所は直ぐに事実確認をして、違法建築であるということを確認。その家の建築主及び工事監理者に是正指示を出した。また放送したテレビ朝日にも横浜市は抗議し、その番組のHPの紹介ページからその家は削除されていた。しかしその後、その番組で違法建築の家の紹介はなくなると思いきや、その後も違法建築らしい建物は、いろいろと紹介された。(その番組の有名芸能人はいろいろ本や講演を行っているが、私ども専門家は眉をしかめる人が多い)
また、有名なリフォーム番組は、もう開いた口が塞がらないほどのいいかげんな違法建築リフォーム。耐震性より見た目、話題性を優先し、「匠」と呼んでいる。この番組で取り上げられる家の多くは、阪神淡路大震災以前の建物。今の基準で建てられる住宅から見れば明らかに耐震性はない。それなのに明るさや収納、アクロバットな間取り優先。更に、22条地域なのに、木だけの外壁、燃えにくくないトーメイな屋根、屋根の上の木のバルコニーの手すりが低い、階段に手摺がない酷い建物。どうしてこんなことがT.V.放送されるのだろう。建てた建築士(匠)も胸を張って、明るく良い家だといっている。信じられない。
こういった建築士の多くは、意匠設計者(デザイナー)と呼ばれる人であろう。その意匠設計者は、ある有名な建築サイトにコメントを載せていた。
「構造設計者は真面目な人しか勤まらない。どうして姉歯氏のようなひとが・・・」
こういう考えだからこそ、建築業界(一般社会も)がおかしくなるのだ。
では構造設計者以外は不真面目でよいのか?
まったくのナンセンス。
仕事はどんな仕事でも「真面目に」行う事があたりまえ。
不真面目に行って、お金をもらおうなんて犯罪者の考えること。
いつから日本人はそのように考えることに抵抗がなくなったのだろう。
仕事はいつも真剣。不真面目やごまかしで仕事をしたい人は、一般社会に
かかわらないでほしい。
影響力のある公共電波が、不真面目を良しとする違法建築を紹介したり、
有名な中堅どころの住宅会社が違法建築を恥ずかしくもなくチラシに載せたり
違法建築の展示場を作ったり、更に建て主にまで勧める事だけは止めてほしい。
こういった事が許される世の中だから、どんどん加速して、マンションなどの大型建築物も
悪意でできた違法建築となるのだろう。

今の報道は、このマンションなど大型建築だけに焦点を当てているが、
一般の住宅にも耐震性が明らかに基準法規定以下のもの等がたくさんある。
今一番大事なことは、真面目に法律に沿った仕事をすることである。
「この法律は納得いかないから、私は守らない」などという屁理屈は止め、どんな小さな事でも
しっかりと行う事が重要である。これは世界一凶悪犯罪都市ニューヨークが凶悪犯罪を減らす時に
行った方法で、ごみの投げ捨てや、落書き、万引き等の軽犯罪の取締りを第一優先で行い、
その結果凶悪犯罪を減らした事で実証されている。
大きな犯罪は、小さな犯罪が見過ごされ始めて起きやすくなる。つまり小さなところからきちっと行えば
大きな犯罪も少なくなる社会環境ができるということ。
まずは、建築士の名義貸し、家の構造伏せ図位は自社で行う、などを基本をしっかりと行うことが重要。
もっと建築士はがんばろう!そして賢い建て主さんになろう。
今回のマンションではきっと他物件より安いから売れたのであろう。
安くてよい家などなく、また高いから必ず良い家だとも言い切れない。(勿論、騙した人が悪い)
建て主さんがちょっとだけ学ぶ!!それが良い家を手に入れることができる唯一の方法。