オーブルデザインからの提言「家造りは冬を旨とすべし」
2005 06 20
なぜ家造りは冬を旨とすべしなのでしょうか?
オーブルデザインからの改めての提言です。「家造りは冬を旨とすべし」
こんなことを提言したら住宅業界の自然派諸先生から笑われてしまいそうです。
しかし、今の日本人は冬に一年で使う6割以上のエネルギーを使うのです。
下のグラフをご覧下さい。このグラフは、(社)日本建築学会の中に設置された
「住宅内のエネルギー消費に関する全国的調査」の一部で発表された
北陸地方の資料です。
このデーターが表しているとおり、暖房で一年の総エネルギー消費の1/3以上を
使い、お湯造るのに1/3のエネルギーを使うのです。
お湯を造るエネルギーの2/3近くは、冬に消費されることでしょうし、
他のエネルギー消費は
年間均等に使われますから、冬季間に2/3エネルギー消費されると言っても
過言ではないでしょう。特に暖房が大きく、ほとんどの人が贅沢と思っている
エアコンによる冷房エネルギーは全くたいした事がないことがわかります。
(商業ビルは違います)
北陸地方のデータ-。全国データ-でも若干差はあるが、暖房と給湯のエネルギー消費は
全体の2/3を占める。特に暖房は給湯に比べ半年しか使う期間がないのに・・・。
クールビズが示す、今の日本の現状は・・・
2005年2月、地球温暖化対策として京都議定書が批准され、
国と国民総員をあげての義務事項となりました。この温暖化対策は
とっても重要ですが、それ以上に化石燃料(石油)が本当にそろそろ
底をつき始めたのではないでしょうか?
皆さんは1970年代の石油ショックを経験されている方も多いと思います。
ちり紙等が市場から消え、家のトイレ紙も節約体制に入ったことを思い出します。
もし化石エネルギーの、新たなエネルギー代替え案がないなら、
今、日本はこの温暖化という問題を正面から受け止める事で、
エネルギー消費が少なくなり、かつ快適性は失われないような仕組みを
つくり、化石燃料が制限される時に備えることが肝心ではないでしょうか?
大事に使う仕組み・・・。住宅分野では、我々が率先して提案します。
そこでオーブルデザインでは、これまで以上に断熱性能を強化した、
仕様をオプションとしてつくりご提案していこうと決心しました。
今の断熱仕様は、外断熱が80%で、Q値は2.0w/ K(1.72kcal/℃hm2)で
充分高断熱ですが、この断熱性能の1.5倍を提案していこうと思います。
また暖房は効率の良いヒートポンプ式(エアコン)をこれからもお勧めし、
少ないエネルギー(ランニングコストではない)で寒くない家を造ります。
石油をそのまま熱にするなどという乱暴な使い方は止め、
石油でしか作れない化学物質を優先としましょう。
(2ヶ月以内にこのHP上で仕様をご提案します。)
このオプション仕様の家ならば、万が一エネルギー高騰しても、
少ないエネルギーを効率よく使える家が造れます。
とにかく熱を逃がしにくい構造が重要です。
さあ、俗説「家作りは夏を旨とするべし」というものと
手を切り現実を見るべきでしょう。(夏の対応を全く考えない
家を造るということではありません。冬に比重を置いた仕様とする提言です)
知っていますか?徒然草が書かれた当時は、今より2度から3度くらい
気温が高い夏だったらしいという調査結果を・・・。
ある気象関係者の考察によると
「今よりも平均して7日ほど桜の開花が早かったと資料から分析し、
それに見合う気温は、今より2~3度高いと考えられる。」
との事です。
エアコンのない時代、着物を羽織っていた吉田兼好氏は
さぞ暑かったでしょう。その頃と同じ生活、文化でない現代は
この言葉は歴史上の言葉として捉えるのが正論だと思います。
今の日本人の暮らしは、冬寒いことはとっても我慢できない「文化」に
なっています。
地球温暖化、石油枯渇を睨んだ家作り。それは「冬を旨とすべし」、
エネルギーを大量消費する冬に焦点を合わせた性能が不可欠ではないでしょうか?