子供と家について 親が全てのお手本

                       TEXT 浅間英樹

2005.02.24誤字直し

2月23日に皇太子様の45歳誕生日の記者会見があり、
いつも私どもが「緑の家」に求める無垢の木への思いがそれと
重なり、私ども(浅間宅)でもいつも子供の心を育む時に
思っていること、「家は心(人間)を育てる器です。」それを改めて
感じました。今回は、直接家のハードとしての情報ではないけれど
ニュースとして取り上げました。

無塗装の柔らかい木(ヒノキの床等)は、傷つきやすく、大切に扱わないと
直ぐに痛々しくなります。そこで住人さんは、無塗装の床や枠を大切に扱い、
それが子供に伝わりその子供はきっと大人になってから、
木を大事にしてくれるでしょう。(勝手にそう思っているかも知れませんが・・・)
まず大人(親)が子供にお手本を示さないのに、子供には「物を大事にしなさい」
等と理想を求めるは、子供にとって理解に苦しむものです。
無塗装の木は、それに囲まれ木を大事にしながら暮らしているその事が、
物(自然、資源)を大事にするお手本を子供に示しているのではないでしょうか?
「緑の家」に暮らしている住人さんは、どなたも一生懸命、無塗装の木と
暮らしております。もし合板で塗装された(プラスチックの表面の)床だったら
どうでしょうか?新品の頃は大事に大事にするかもしれません。
しかし、触って気持ちよくないものは、しだいに粗末にされやすいのもです。
また時間とともに、変わる物(傷や色)に愛着を覚えるものです。
自然=物 を大事にする心を大人が子供にお手本を見せたいとおもいます。

下は皇太子様が紹介された「詩」です。

「つい最近、ある詩に出会いました。それはドロシー・ロー・ノルトというアメリカの家庭教育学者の作った
「子供」という詩で、スウェーデンの中学校の社会科の教科書に収録されております。」

批判ばかりされた 子どもは

非難することを おぼえる

殴られて大きくなった 子どもは

力にたよることを おぼえる

笑いものにされた 子どもは

ものを言わずにいることを おぼえる

皮肉にさらされた 子どもは

鈍い良心の もちぬしとなる

しかし、激励をうけた 子どもは

自信をおぼえる

寛容にであった 子どもは

忍耐を おぼえる

賞賛をうけた 子どもは

評価することを おぼえる

フェアプレーを経験した 子どもは

公正を おぼえる

友情を知る 子どもは

親切を おぼえる

安心を経験した 子どもは

信頼を おぼえる

可愛がられ 抱きしめられた 子どもは

世界中の愛情を 感じとることを おぼえる

(「あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書」アーネ・リンドクウィスト、ヤン・ウェステル著/川上邦夫訳)

親に頭を叩かれて育った子供は、友達の頭を叩いても何も感じないでしょう。(先生が注意しても、
先生の目の届かないところで叩くでしょう)。親に「馬鹿」と言われ育った子供は、友達に馬鹿と言うでしょう。
親が隣人を差別しいじめをすれば、子供は真似をするでしょう。子供は親の鏡。親は子供の手本。
昔から伝えられたこの言葉。「家の子は・・・」と言うことは、親(自分)がそういう行動をしている
表れと謙虚に受け止めることが必要です。そして
もし今の社会に若年層の凶悪事件があるとすれば、それは我々親(大人)の
真似をしていると考え、我々自身が改めないと、
根本的な解決にはならない気がします。