オーブルデザインの先見性

TEXT 2003.05.26

2003.07月から「シックハウス法」が施行される。その名のとおり、シックハウスを予防しようという法律である。簡単にその概要を書き出すと次の2項目である。

①家の室内の素材を明らかにする。
居室(居間、寝室、子供部屋等)については建築材料による対策(F四つ星のJAS、JIS材料やムク材は使用制限なし)が必要。

②居室は機械換気をする。(義務)
換気は、換気範囲に応じて「全般換気」と「局所換気」(トイレ、台所、浴室に使われるもの)、換気方法によって「自然換気」「機械換気」に分けられるが、シックハウス対策として「全般換気」と「機械換気」が義務付けされた。

ここで注目したいのは、床下等(壁内も含む)対処。もし床下等(壁内も含む)の空気が室内に入る構造なら入らないように換気設備をつけるか、入っても問題ない対処がされていいるかと言う事。当事務所では3年も前から、床下の空気は汚い。室内に入れるべきではない。床下に暖気を廻して暖を取る方法は問題ある。とホームムページ上で訴えつづけてきた。
その事がようやく法律になった。特に壁の中にわざわざ新鮮な空気をいれ、それを室内に入れる方法では、壁の中の塵や塵だけではなく、合板などの化学物質がより一層新鮮な空気に混じって室内に入る事を助長している。また床下も同じであり、さらにコンクリートの灰汁の匂いまでするというおまけつき。また換気設備の義務もしかり。これも事務所設立当初から、機械換気のを薦めてきたが、当初は「なぜそんな換気の機械をわざわざ入れるの」と色々なところから批判されてきた。特に自然素材大好き建設会社など。そういった人は、「うちは自然素材を使っているから機械換気はいらなよ。」と言っているのだが、今法律の根拠にもなったとおり、家というのは器だけでなく、持ち込まれる(使用される)様々な物から健康に悪い空気が出る。ホルムアルデヒドをいっぱい出す家具やソファー。整髪化粧品、タバコ、香水、防虫剤、寝ている時の呼吸(部屋を閉めきるから)、ガス調理等、ビニールの可塑剤・・・。これらを常時希釈しなければ、あっという間に基準値を超える。だから機械換気が必要と言う事なのだ。こういったものを一切持ち込むことなく、昔ながらの隙間風が入る木の窓であれば、法律上も換気設備はいらないとされている。しかしこういった家の仕様は、お寺か神社以外はまずありえない。

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寝室は2人で8時間ほど密室状態となる。 そのため換気量は2人分確保しなければ健康的とは言えない。 写真の給気扇は一時間当たり25m3確保できる機械換気扇。 推奨される換気量は一人あたり20m3以上であるから この換気扇は2つ以上設置することが重要である。こういった配慮が オーブルデザインの考え方である。