緊急報告!!家中の水、お湯配管が・・・。

text 2002.11

業界の体質なのか?給水管に使われる部品に欠陥があったにも関わらず、
建て主はおろか、請負会社、設計,工事監理者には一切告知されていないこの事件は、
建て主さんを蔑ろにした内容でとても腹立たしい。

2週間前の21時30分ごろ、2.年半前に建築された建て主さんから突然電話があった。
「急に、お湯がでません」
それを聞き私は、給湯器が故障したと思い、給湯器メーカー24時間対応電話を告げた。
実はその電話の前の日に、事務所の給湯器も急に故障して、お湯が出なかったので、落雷の影響で
電気基盤が壊れたと思ったのだ。これは大きな間違いだった。

実は給湯配管がジョイント部分で外れ、お湯が床下に流れ出ていたのだ。我々の経験では、
給湯配管、給水配管は数年で外れる事はなく(地震や災害後、常時振動する場所を除く)、
万が一施工ミスがあっても半年以内にわかり、その後は配管が自然に外れることは聞いたことが
ないからである。だから「お湯がでない」=「お湯にならない」と勘違いし、次の日まで
お湯が家中に漏れ出すことになった。
(私は、建て主さんにとって、お湯と言う液体が出ないことと、水がお湯にならないことは
同じ「お湯が出ない」と言う表現になることを学んだ。)

原因は最近多く使われるポリブデン(樹脂)配管のジョイント樹脂パッキンが割れて
管が外れたことであった。事件の10日後に提出されたメーカーからの報告書では、
「その樹脂パッキンは施工時に使われる潤滑剤に対し、耐性がなく脆性破壊してしまう可能性あり」
とかかれていた。
問題なのは、2年前に既にこの製造メーカーではわかっていたにも関わらず、情報が公開されず、
(施工した配管屋さんにはやさしく伝わったらしい??)施工工務店まで伝えられなかった事だ。

水漏れで最初に駆けつけるのは、請負会社か、設計者だ。
全くそんなことを知らない私は、第一報を受け取り、勘違いしたことで、建て主さんにご迷惑をかけた
ことを平に謝った。

このとき隣には、事の事情知っている大手メーカーの営業課長○×氏がいたにもかかわらず
一言もなかった。更に私はその場で、「正常なパッキンが施工後に割れる事がありますか?」
とこのパッキンメーカー課長に聞いたら「まずありえない」と言っていた。
後でわかったことだが、このときメーカーの担当者は、このパッキンの不良性は
知っており、また設備屋さんの業界では知らされていたらしい。どうしてわかっているのに
施工工務店や建て主さんに隠蔽するのだろう?今回の件はとっても残念である。
~2000年ごろに施工された樹脂配管の建て主は、施工店に問い合わせることが良いと思う。
この大手メーカー名を知りたい方は、当事務所にメールを!!

当時の設計図書には、給水排水工事は公庫の仕様書に準じると記載されており、
ポリブデン配管は記載があり、「継ぎ手方法も各製造メーカーの仕様による」となっているので
工事監理としては問題なかったことを付け加えておく。

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自社の責任を認める報告書が1週間で決済され お客様に届くことは前例があったことの表れ。 では予防できたのではと思うのは私だけであろうか?

自社の責任を認める報告書が1週間で決済され
お客様に届くことは前例があったことの表れ。
では予防できたのではと思うのは私だけであろうか?