TEXT 1999.5
3/31付けの読売新聞(九州版)によると、「東日本ハウス解体命令」の見出しがあり、波紋を広げているようだ。
事の発端は、建築中に発見された次の建築基準法違反である。波紋の原因は、今までは、違反したところを是正すれば良い、との判例であったのだが、工事途中物件でも、解体命令が下ったことである。更に「それは施主の要望に応じたものであった」という主張が、通らなかったことであろう。
- 階段幅が室内で75cm以上のところ、70cmであった。
- このやり直し工事の結果、鉄骨柱脚部分がピン接合になった。
- 土台が、基礎からはみ出ていた。
というもの。このような基準法違反は、対岸の火事ではなく、日常にあり得る。このホームページでも紹介しているが法律違反は、案外多くの現場でされているのではないだろうか?たとえば要望を簡単に聞きすぎて、小屋裏を3階にしてしまってはいないだろうか?高耐久性木造住宅の場合は、防腐防蟻剤を胴縁や筋違いの小口に塗っているだろうか?集中荷重のかかる柱は座屈の計算(有効細長比)をしてあるだろうか?今までの常識でも、法律に則していないことが多いのではないだろうか?いずれにしても大事なことは、多くの図面や計算書による契約と、多すぎるくらいの説明、対話が重要ではないだろうか。