子供たちのための本物の素材・・・独り言

私が木のすばらしさに心をうたれたのは、S邸の設計および施工を行なったときからだ。樹齢800年の丸太を引き割り、乾燥させ、荒削り、仕上げた時に、年月の重さと木のやさしさ、強さ、美しさを感じた。このすばらしさを感じることができたのは、子供の頃に、周りの大人たちが与えてくれた環境があったからだと思う。
子供のころ、神社やお寺の本物の木の床や柱で、遊ばせてもらえ又、生家の床も本物の木が使われていた。塗装のない木は、古くなっても艶があり、つるっとして傷等が気にならなく、とても手に足に、自然な感じだった。また当時は、新建材が出始めていたが、職人気質だった父からは、表面だけの木は良くないと教えられた。こんな経験があったため、無垢の木のすばらしさを、現在も感じることができたのではないかと思う。改めて、このような 環境を与えてくれた人々に感謝すると共に、今の子供たちにも是非、本物の木に触れさせたい。本物の良さ、無言の友人の良さをわかるためにも…。
そう願って今日も木の家の設計に勤しんでる。無塗装の床材を薦めながら・・・

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なんとすばらしい木! 子どもたちは、カリフラワーの木と呼んでいた。