木はどこに使うと効果的

TEXT 1998.11

木を一番効率よく使うには、壁や天井材ではなく、床や枠、扉材だ。
塗装していない木は、触れたときにリラックス効果を与えることが最近の研究でわかった。また、視覚的に良い印象を与えるのは、各個人の好み(価値観)に左右される事も裏付けられた。これは、白い壁が好きな人にとって、白壁は、リラックス効果を示し、白い壁が嫌いな人にとっては、効果を示さない。当たり前ようだが、とても意味深いことである。この事は、本能で生活する赤ちゃんが教えてくれる。目がまだ良く見えない赤ちゃんは、常にリラックスした状況を求める。(私も少々子育てを体験している)このとき触覚や聴覚、嗅覚が重要で、視覚は1歳以降になって重要になる。つまり視覚は行動的(歩くように)になってから大きな因子になり、リラックスするときに必要なのもは、聴覚(ママの声)や触覚(ママの腕の中)、嗅覚(おっぱいの匂い)である。大人も同じことが言える。われわれが安らぐ条件の第一に、視覚効果は入っていないのだ。まず、聴覚、嗅覚、触覚の3つが最優先される。仕事で疲れて、ソファーや、畳に転がるのは、その触覚が良いから。そしてある程度の静寂さ、自家独特の匂い。これらが重要だ。視覚的に特定のものを見て、リラックスはしない。なぜならリラックスしているときはまぶたを閉じている事も多いのではないか。その点日本の家はとても理にかなっていた。触れるところは、全て触感の優れた自然素材だった。床は、無塗装の木、畳。建具の触れるところ(取手)も、木だった。壁は触れるところではないため、土でつくり触感としては、若干劣っていた。こう考えると、高気密高断熱住宅のような一年中裸足で歩ける家は、床には無塗装の木が一番。壁は予算に余裕があり、好みに合わせて木を張れば良い。しかし最近の自然素材住宅の多くは、壁に木を張り、床は塗装された???木を使っている。壁に自然素材の土を使う前に、床を無塗装で作ることが重要だ。スリッパを履かないと足が冷たい家は、塗装の木でもしかたないだろうが・・・。

 

 

床に無塗装の木を張っている住宅。手すり、カウンターも
無塗装の木だ。高気密高断熱なので年中素足だ。