また、住宅で設計事務所に依頼するは過剰でしょうか。
そうとう違いが出る場合があります。
また、過剰では無いと考えております。例えば過去にある3階建てがありました。1階は鉄筋コンクリート、2、3階が木造です。
見積もりは2社にお願いし、A社は3570万、B社は3780万でした。差額は210万です。
同じ図面で同じ仕様で210万も差額が出ます。この差額で設計料も出てしまうほどです。またある2階建木造住宅では、4社見積もりをお願いして、A社1850万、B社2200万、
C社2150万、D社途中棄権でした。このように20%も金額に違いが出る場合があります。
どこに頼んでもほぼ同じものが建築されますが、どうしてこの差額がでるのでしょう。
それは、建設会社の中でも得て不得手や、しがらみがあるからです。
皆さんも長く同じ場所に暮らしていると、同じものを買っても
少しあそこの店は高いな。でもこの品物だけはやすい。という経験があるでしょう。
建設会社も仕入先(協力業者)は数十社以上にもなります。長くお付き合いしていると
多少仕入れ価格は高くても、面倒さがないため、いつものところで
購入することになりがちです。また、普段あまりなじみのないものは、
その仕入れ価格が妥当かどうか調査する前に、見積もりに入れてしまいます。
この積み重ねが価格差を生み出します。比較はこのように同じ図面、仕様で行うと初めて適正価格かどうかの目安になります。
建設会社の社長さんは、設計屋さんに頼むなら、うちに直接頼んだほうが安いよ!!と
しきりに言います。そういうところに限って、仕様は建て主に最低限度(キッチンメーカー、風呂メーカー、外壁、クロス)しか伝えず、契約してから仕様が悪くて安いと気づいても後の祭りです。仕様を最後まで明かさず、自分の好きなやりやすい仕様に変えてしまうことも普通に行われます。木の種類を見ただけでわかる人、アンカーボルトがどこに必要かわかる人なら別ですが、建築の仕様はピンきりですし、複雑でちょっとかじっただけではわかりません。
私も15年間専門に携わって初めておおよそわかるようになりました。
さてこのような建設会社に直接頼むと、契約後に仕様を変更すると追加工事が膨大になるか、あきらめてそのまま建築するかのいずれかになります。できる限り適正価格で建築したい場合は、しっかりした設計図書(最低40枚)程度はもらいましょう。過剰な仕事ではないと考えて降ります。