Q ○×工法の方が、パネル工法(合板)より耐震性が優れていますか?
このようなパネル工法についての想像評価ですが・・・
仮耐震性・・・壁倍率2.5(合板片張り)
気密性・・・評価なし(たぶんαA’=5)
断熱性・・・新省エネ基準程度(Q=3.2W/m2K)です。
(発泡ポリスチレン55mmの真壁パネル)
ちなみに環境住宅一例では
仮耐震性・・・壁倍率5
気密性・・・αA’=0.9
断熱性・・・次世代省エネ基準以上(Q=1.8W/m2K)です。
耐震性で「仮」がついているのは
一般的な耐震性=壁倍率×設置長さ と、
偏心率になりますが
設置長さと偏心率はプランによりますので、これからということに
なります。
○×工法は、外壁がモルタル左官壁の多い、関東で開発された工法です。
モルタル下地は「木摺り」と呼ばれる75*12程度の木を水平に張るもの
でしたが、○×工法では斜めに張ることで耐震性が上がりました。
さてこの工法の肝心の壁倍率ですが、基準法上では明記なく
開発者実験からすると、1から2程度になります。
通常壁倍率2の筋かいと併用するため、3~5という評価ができます。
一方、パネルに使う構造用合板でも、筋かいと併用すれば
4.5~5となります。更に筋かいだけでも4~5は出ます。
そうすると「どれでもいっしょじゃない!」といわれると
思いますが、そのとおりです。
構造の強度設定は、設計者の考えで決まります。
特に自由設計では○×工法だけで、耐震性は決まりません。
また、剛性と重心の偏心も壁倍率と同じくらい重要で
阪神大震災で「バランスの悪い耐力壁」だった町屋は、
軒並み傾くことになりました。このようなことが
あって法律も強化されたのですが、一般住宅の規模では
行政の耐震チェックは行われず、担当建築士に委ねられております。
したがって担当設計者(建築士)はとても重要な業務です。
このように煩雑な内容になりますが、これらを解決する
単純方法は、「住宅性能表示制度」を利用すればよいと思います。
性能表示は昨年できた法律で、住宅の耐震性や断熱、気密性を
準国家機関が評価してくれるのです。
これにかかる価格は、20から50万円ですが、
価値はあると思います。