Q.ある住宅メーカーは
「構造材には集成材は良くない。無垢材が良い。
ホルムアルデヒドが出ないし、集成材は剥がれる可能性がある」と
言っていますが・・・。
A.無垢材の良さを強調するあまり、こういった誇大過剰表現をしているのでは
ないでしょうか?
このメーカーのホームページをじっくり見ると自分で自分の首を絞め、
矛盾した事を言っている事に気が付きます。それは、確かに構造材の一部である
柱、梁には無垢材を使用しているのに、構造材の床である水平剛性材を取る
木材には、針葉樹合板を使用している図がしっかりとかかれております。
ご存知の通り、針葉樹合板は接着剤で木を固めた物で、柱等の集成材と比べ物に
ならないほど、多くの接着剤を使用している木製品です。
もし、このメーカーが、集成材の接着剤を「剥がれ易い」「ホルムアルデヒド」
が発生すると言うなら、なぜこのメーカーは針葉樹合板を床全面に使うほど
大量に使っているのでしょう?
考えられる事は、このメーカーの技術者は、
床が重要な構造材の一部と思っていないため、「床の合板は剥がれても良いし、
多少ホルムアルデヒドが出ても構造材以外なのだから問題ない」といっている
かのようです。これは大変危険な事で、構造部位は最低でも、基礎、柱、梁、
床面、屋根面、壁面です。もしかして壁にも、構造用合板を使っているのに、
それを構造部位と思っていないのでしょうか?このように
集成材を否定するのは、愚の骨頂を自分でさらけ出していることになります。
構造材がどの部位であるかわからないメーカーの言っている事は、何一つ
信用できないと思うのは私だけでしょうか?
行政も長い目で見れば、たまには間違った事を決めている時がありますが、
それはまれであり、今、木造住宅では合板や集成材を構造材として使わない
建物はほとんどないと言ってもよいでしょう?(輸入されるロッグハウスでも
屋根面は合板がほとんど。また、皇居建物の室内の壁にも合板が使われています)
このように多く使われるものですから、JASに厳しい規定を設けております。
その合板や集成材をそれを否定する事は、よほどの根拠が必要で、
それを明らかにできなければ、集成材を誹謗する事はできないと思います。