耐震性の表示方法

正規の構造計算と、簡易計算(建築基準施工令46条4壁量の算定)との比較。

通常の木造住宅は、簡易計算で耐震性のチェックを行なう。この簡易計算法は、全国同じ基準で行なわれている、最低を定めた法律基準である。新潟県は雪が降るため、この基準で計画すると、耐震性が満足されない住宅が多い。つまり、雪が屋根に乗っているときに地震が起こったら、倒壊する可能性が高い。正規の構造計算と簡易構造計算ではなんと1.8倍近い差があった。

正規の構造計算(壁量)
雪がある場合を想定
簡易壁量算定(壁量)
雪が無い場合想定している。
簡易計算との差
1階(X,Y合計) 107.4M 65.53M  1.6倍多く必要
2階(X,Y合計 70.6M  31.87M  2.2倍多く必要
総合計 178.0M 97.4M 1.8倍多く必要

簡易壁量算定の合計は、2方向で地震力、風圧力の多い方を合計した。(MAX値) 積雪1M

上の表のとおり、屋根の上に雪が有る時、地震がきた場合、簡易算定壁量では圧倒的に不足が生じる。しかし現在の在来工法の殆どが、簡易壁量算定で計画している。耐震性を高くすることは、コストアップにならず、設計者のモラルとレベルの問題である。更に、壁バランスの悪い建物(偏芯率が0.15を越える建物)これは最悪である。同じ建築を造るものとして、恥ずかしい限りである。
この数値は雪が1M積もったことを想定して強度設定されている。一般の工務店は基準法通り雪が無い状態での設定でしかない。つまり雪が積もった状態で地震が発生したときは、非常に倒壊の可能性が高くなる。
よくチラシにある耐力壁3倍とかいっているメーカーはやめたほうが良い。根本的にお客様をだまそうとしていて正確な表現ではない。担当者に聞いてほしい。「耐震性は積雪何メートルのときですか?」きっと言うだろう。「さあわかりません。でも法律どおり構造計算を行なっていますよ」???という変な答えだ。

新潟県の殆どが多雪地域であるが、木造住宅の耐震性は雪の無いことが基準になっている。環境住宅は雪が1Mある状態での耐震性を基準としている。また今まで曖昧だった基準法施工令第22条第2項の「つりあい良く…」についてより具体的な指針を示した基準(偏心率)を採用した。 もしこの基準を適用しないメーカーだったら安全性はその設計担当者で決まる。住宅会社のオリジナル工法は関係ない!!

※・・・当社では1棟づつ正規の構造計算を行います。(積雪時における最大水平力に対し)