現在NEDO補助金申請関係でとても時間が厳しい中、今日は特異な建材(いい意味で)を販売する業者さんが行う講習会に何とか参加した。そこで講師さんは、
「日本では京都議定書の約束を守るため、CO2が削減可能な住宅設備や住宅構造に益々助成金(9000億?)を用意する方向である。特に洞爺湖サミットの後急激に加速されるであろう」とのこと。また
「国外の情勢は、レアメタル金属を始めとする資源の取り合い(中国やインドの産業拡大)や石油に代表されるエネルギー資源の取り合いも今後続き、長期的に見てもこの2つの資源価格は上がっても下がることは少ない。」と講演していた。
そんな中、200年住宅の促進を国は後押しする。以前もこの情報はブログで取り上げたが、私なりに200年住宅で一番重要なものは、
①枯渇する石油エネルギーに対応するため出来るだけQ値の少ない家、又はコンパクトな断熱区画が出来る家。
②一番機能が劣化しやすい開口部(サッシ)が、外壁を壊さなくても取り替えられる家。
③200年愛しつづけられる事の出来る家。
の3つが今後重要と考えている。家の主構造的を200年もたせる事は難しくない。これは過去の民家が実在しているとおり、雨漏りや結露、白蟻に気をつければ、木の耐久性は急激に落ちない。またメンテナンス性も最近では各段に良くなっている。給水は、ヘッダ方式でサヤ管を使えば、取替えは比較的簡単な樹脂配管が主流になりつつあるし、排水管は床下高さを確保すれば用意に可能だから。
上の3項目の中で①はオーブルデザイン内で解決可能である。②については、高価であるが海外の輸入サッシを使えば比較的簡単に実現できる。これは海外のサッシはリフォームによる取替えが前提の為、規格がしっかり統一されているため。しかし日本のサッシは、その多くがサッシ本体に「つば」が出ており、これが外壁を剥がさないと取れない構造である。この「つば」がサッシだけを変える事を事実上不可能にしている。今後は「つば」のない「内付けサッシ」が規格寸法で発売される事を願う。そのため国はモジュールの統一へ導くことが今後必要である。
③はこれが本当のオーブルデザインの腕の見せ所。私の200年間愛せる家のコンセプトは、「本物(ソリッド)」、「天然素材」の二つ。本当にシンプルなコンセプト。多くの人に長期にわたって愛されている木造の社寺仏閣は、この2つコンセプトがある。また古い洋風木造建築でも、年月が経ったモダン木造建築でもこの2つのコンセプトが必ずある。ソリッドとは、表面を化粧していない素材。代表的なものは「ガラス」や「石膏」、「コンクリート」や「レンガ」、2cmくらいある厚い「タイル」や「金属」等。これらを素のまま使う事で、擦れても,傷がついても味が出る。また天然素材で代表的なものは「木」、「石」、「和紙」等。言われればそのとおりと思う素材である。これに気がついたのは、フランクロイドライトの設計した「帝国ホテル」を見たとき。(現在も愛知県の明治村の一部玄関が実存する。この明治村や法隆寺等再び訪ねたいと思っている。)
http://www.meijimura.com/visit/s67.asp#top
しかしいずれもコストが掛かるものばかり。それを何とか少しでも実現しようと「緑の家」の仕様を考えたが、各性能(メンテ、耐震、特に温熱)も妥協はできない。歯がゆいところである。そして近年の建築の流行は「軽い」であるが、「ソリッド」を多くすると「重い」印象の建築物となる。しかし200年住宅を考えた時に外せないコンセプトである。国内外にある200年も建っている家の多くは、ほとんど「重厚な」イメージを受けるから・・・。