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べた基礎についての考察 シングルORダブル配筋

2008 05 023赤字加筆

今回のブログは少々専門家でないと難しい話である。しかしちょっと勉強されている建て主さんなら、なんとなくわかると思う。

過去にベタ基礎のHPのコラムやブログで話題を何度となく(2008.03.07)取り上げてきているが、最近の当事務所が行うプランで比較的最大区画(基礎立ち上がりで囲まれる区画)が3.64×4.55mの所謂和室8帖の基礎の詳細な構造計算をした。
詳しい内容の前に、基礎のコンクリートの考え方は、左の図のとおりである。基礎の平らになっているところをスラブというが、このスラブは板状である。このスラブ周囲に力を掛けると、下図のようにたわむ。凸の方には引っ張り力が、凹の方は縮もうとする力が働く(左図の鉄筋コンクリートの基本を参照)。コンクリートは引っ張りに大変弱いので、その部分の補強に鉄筋を入れる。これで鉄筋コンクリート造のスラブになる(左図の配筋の考え方参照)。
さて、屋根の出45cmという比較的屋根の軽い家(家の重さが重要)で、シングル配筋のベタ基礎のスラブ厚18cm、鉄筋D13@150とした場合、3.64m以上のスパンの基礎でNGとなる確立が高い。この仕様は、ちょっと丁寧な仕事をする工務店さんなら比較的多く使われている仕様である。このシングルベタ基礎配筋では、下の地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとしている工務店さんがほとんどだろう。6cmというのは、既製品でピンコロと呼ばれる4×5×6cmの立方体で鉄筋をかぶり厚を固定するもの。その最大辺寸法が6cmを使うので一般的に6cmとなる。しかし、もしかしたら8cmくらいで行っている優良施工店ももあるかも知れない。なぜ8cmが優良なのか?というのは、ベタ基礎の水平部分スラブにかかる力は、下図のとおり中央部と端部に大きな力がかかるためここで配筋を決める。但し固定端部が多い場合は端部で決まる事が多い。この場合は6cmのほうが有利。結局計算で確かめるには変わりない)この中央部には地面からの反発力がかかり上にたわむ力が働く。よって計算する断面は、スラブ厚さC:18cmの時、下のコンクリート端部(地面の方)から鉄筋までの距離が抵抗する断面となる。よって鉄筋の位置が上にあるほど抵抗する力が大きくなる。もしの地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとすると、鉄筋までの距離は多めに見ても8cmしかない。ところがもし地面(捨てコン)からのかぶり厚を8cmとすると、鉄筋までの距離は10cmになる。この寸法はそのまま強さになるので単純にかぶり厚を8cmにするだけで約1割スラブが強くなる。この1割で許容範囲内に納まる事が多い。また、もうひとつの理由は、下の地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとすると、コンクリート表面までの距離が9.4cmと大きくなり、コンクリート表面にひび割れがしやすくなる事も考えられるから。また中央以外に端部に大きな力がかかる場合もある。この場合は逆に地面(捨てコン)からのかぶり厚を6cmとしているほうが強い。このように主たる鉄筋の位置は場所によって違うほうがよい。だからダブル配筋のほうがわかりやすいのであるが、詳細に計算すれば、シングル配筋でも大丈夫。但し「詳細に計算すれば」という条件である。いずれにしても意外と新潟県では雪の荷重で大きな力がかかるので、やはり「財団法人 住宅保証機構」の仕様書に記載されているとおり3mをこえる短辺を持つ基礎区画は、構造計算しなければならない。

 

 

上図でAとBが大きくなるほど耐力が上がるので、ダブル配筋のほうが同じスラブ厚Cなら耐力が高くなる。


ADSLのインターネットの注意

現在、三条の事務所はネット環境は光(東日本フレッツ)ファイバー、寺泊の拙宅は光ファイバーや有線がきていないので、ADSLである。この拙宅ADSLは、基地局から4.5kMもあるので、最高スピードの47MビットのモアⅢで契約している。NTT収容ビルから拙宅までの線路距離は、4350m(NTTのHPでわかる)なので最高で4Mビットは出るし、3ヶ月前まで実際2.8Mビットはあったので、ネット動画も何とか見れた。ところが、3ヶ月前から急にスピードが0.38Mビットと1/10になった。このスピードでは動画は無論、画像やデータが添付されたメイルさえ支障がでる。以前のナローバンド(ISDN64などのアナログ。なつかしい!)の人はほとんどいなくなったたため、メイルでも500kバイトの書類を添付する事も普通になったいる。なのでスピードが1Mビットより少ないネット環境はきびしい。スピードがいつも同じ0.38Mビットなので、拙宅周囲に家が増え、環境が変わったのではないと思うし、モデムのせいではない。多分線路障害ではないかとおもいNTT故障センターに聞いたが不明。仕方ないので、NTT修理の人に現地に見に来てもらうことになった。来て頂く前日にもう一度冷静に考えると、「そうだ!!3ヶ月前に、2階電話端子にFAXを増設したんだ。きっとこのせいだ!!」図のとおり。

結果はそのとおりでスプリッターを通さず電話機を繋いでいた箇所があるので、何か雑音が入ってスピードが1/10になっのだ。最近の新築は、ネット環境を考えた電話配線になっているのでこういった間違いはないだろうが、今までの家でADSLを導入した人は注意した方がよい。今回も私の気づかないところで、FAXが増設されていたので気がつくまで時間がかかった。スピードが思ったように出ない人は一度他の電話端子口に、電話機が設置されていないかチェックした方がよい。