長岡大島新町の家 スタディー模型

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当初からご希望の一列型のダイニングとキッチンカウンターに合わせてコーナーサッシを配置。

耐雪2.5mで耐震等級3、UA値は0.27W/ m2Kを予定している長岡大島新町の家。

コーナーサッシであり基礎も高いが、何かいつもの「緑の家」ではない外観で変?…と思ったらあれがない。

上の写真で出来上がりかと思ったが、なんか違和感。そうそう、「緑の家」の外観の特徴である庇がない。これがないとやはりおかしい。

庇が取り付くと「緑の家」の外観となる。

太平洋側の住人は驚くかと思うが、南側には窓がほとんどない新潟県ならではプラン。新潟県では南側の窓は特段ありがたがることはなく、逆に暑くなるし光も安定しない。方位が完全に真南でなければ積極的に南側に窓は必要ないと感じる。

南20度振れた南外観。窓が一つだけとなる。

メインの窓はその敷地でも最も広がりができる方向で計画。今回は北東側が開けているのでコーナーサッシで北東側に大開口部を集中させる。

北東の角にコーナーサッシを設ける。3月上旬朝8時30分ごろの日の入りを再現している。
キッチンと窓配置に拘った室内空間。

そして雪国新潟で重要なのが屋根のあるカーポート。真夏なら日射で車内が蒸し風呂になることを防ぐし、なんといっても早朝雪かきをしないで出社できること。一晩で500mm降ることはよくあり、車の屋根から雪をおろしそれを周囲から取り去るだけで30分かかる。これが全くないのは何よりもうれしい。当然耐雪2mの最も高い耐雪性能タイプのアルミ屋根を選ぶ。しかし50年に一度以上は2mを超える積雪になるはずだから、その時は前面道路の融雪水を使うか、車一台分つぶして屋根下内に入れることも考えておく。

電柱及び支線の位置も今回の配置や窓計画に重要となる。屋根付カーポートは最大4台。通常は3台と自転車置き場。カーポート屋根は豪雪地では必須。

そのくらい長岡市での建築は雪に対する覚悟が必要である。だから無難な外観に納めるのである。豪雪地での冒険は必ず建て主さんのためにならない。

実はこの敷地にご縁があるまで概ね7年くらいかかっているが、土地とのご縁はきっとそうなのだろう。

ハザードマップでは水害地域、また豪雪地域なので玄関はGL+1400、道路から+1800となっている(基礎高はそれぞれ―350)。これだけ高ければ仮に予期せぬ積雪での雪処理でも納得。

長岡市は日本一長い信濃川が市の中央にあり、そこが決壊、氾濫すると市街地の8割は水没する地域である。この辺りは熊本市に近いが、長岡市には丘がなくすぐに山になるため市街地に住むと決めたら水害と付き合う覚悟が必要。それでもこの基礎の高さは一応安心感を与えるだろう。

真上から見た配置計画。シンプルな屋根と巨大なカーポート屋根。北東に空地を設けている。

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