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自然素材と住宅、そして新潟での性能(設計 評価)

オーブルデザインでは、自然素材(天然素材)と性能の高い住宅を11年前からお奨めしていた。特に性能の内容は、安全性の要「耐震性」と快適性の要「高断熱高気密の性能」、長持ち住宅を示す「耐久性=劣化対策と維持管理対策」の3つが最重要である。

耐震性は、住宅性能表示で定める「等級2」が「緑の家」の最低基準としている。巷の他メーカー住宅は、以前のブログでお伝えしたとおりほとんど等級2を取ることは難しい基礎形態。「この建物は地震に強い」と口ではなんとも言えるのだろうけれど、この住宅性能評価ではごまかしは聞かない。そんな重要な住宅性能評価であるが、その新潟県での審査機関の最大手(県内ではほとんどの木造軸組み住宅がここに申請する)の窓口担当者は、なんとこの制度が始まってから数件しか申請がないと言っていた。※当事務所はたて続けに2棟申請し、当然のことながら構造の変更無しに「等級2」の評価頂いた。ちなみに等級2とは、「数百年に一度、極めて稀に発生する地震力の1.25倍によって、倒壊、崩壊しない程度」であるから、中越地震より大きい地震(震度7)が来ても倒壊しないことを指す。

快適性の指標となる高気密高断熱も、Q値2.0W/Km2と最高基準の「等級4」の更に25%も良い性能のお墨付きを頂いた。まあこれは当たり前。

耐久性は「劣化防止対策」と「維持管理対策」に分けられるが、いずれも「緑の家」の標準仕様で最高等級の「等級3」の評価を頂いた。この等級3は、3世代(90年)までは簡単な通常メンテナンスで維持可能という評価である。また、寿命が50年以下である建物配管類が、簡単に維持管理できるという評価。例えば配管類が床下で全て露出し、基礎内(下)に埋め込まれないなど。

ここで重要な事は、性能評価に申請した家が、いつもの「緑の家」であって特別な仕様ではないこと。←ここがポイント

最近は自然素材が流行しており、ネコも杓子も天然素材や自然素材を提案している。無論「緑の家」も多くの天然素材で造られるが、かといって他の性能が間引かれているわけではない。何事も先ずはバランス重視で、仮に家造りの重要性の順番をつけるなら、「耐震性」→「耐久性」→「快適性(高気密高断熱と天然素材)とコスト」の順番だろうと思う。やはりどんな建物でも安全性が一番重要。

※・・・耐震等級2で許容応力度による審査申請。

私の解釈であるが、設計の性能評価を受けると、仮に地震に強いと宣伝していたのに、耐震性の評価が「評価1」であると大変な問題となるのがわかっているため。また建て主さん側も、この工務店の社長さんが「地震に強い」と言っているのだから間違いないだろうと、良い方向に考えてしまうため。オーブルデザインでは年間10棟程度。しかし中規模以上の工務店さんは数多くの建物を建てるだろう。その中で年間にひとつ位は、性能評価を受けてもよさそうな気がする。


家の性能評価

新聞折込チラシ等では、「この住宅は地震に強いですよ!とか天然素材を多用しているので空気がおいしい!とか、構造が無垢材なので耐久性がある!」とか好き放題PRされている。これは憲法で保障される表現の自由があるからで、明らかに虚偽等がなければ、そのPR方法は自由である。困るのはエンドユーザーで、専門的な内容がほとんどなのでどれを信じていいかわからない。そこで国は8年前に住宅性能がもっと客観的に比較できるように品格法を定め、住宅性能表示制度を施行した(義務ではなく、表示するにはこの方法で!!というもの)。国交省は自信を持って普及すると思っていたが、現実は国交省のもくろみとかけ離れこの制度を利用する建て主さんはとても少ない。それはその評価に掛かるコストである。評価を受けるために通常の確認申請とは比べ物にならないほどの資料を集める。申請書と設計図及び資料でその厚さはA4紙ファイルに納まらない4cmを超える。これを最低3部用意する。手間が多く掛かるため作成費用は25万~50万掛かる会社もあり、その他審査機関の評価審査料金で13万~16万程度、合計で38万~66万も余計に掛かる。また施行会社も積極的に薦めない。それは評価に出してPRどおりの良い評価が得られなければ、本末転倒になるから。「地震に強いですよ。100年もちますよ。」とPRしても、評価がランク一番下(所謂建築基準法の最低レベル)であれば「強い、耐久性がある」とはいえない。そればかりか、ランク一番下も取れない家も数多く出るだろう。つまり建築基準法違反の家となる。

さて、「緑の家」はどうだろう。いま申請を2件だしているので、結果はわかり次第ご報告する(プライバシーを侵害しない範囲で)。写真は、その申請書のファイルである。紙ファイルには納まらない厚さとある。しかしどの評価でも評価するということは大変なものである。


このべた基礎ではだめでしょう!!

このブログは、どちらかというと建て主さんより建築関係者が見ていることが多い。きっと「オーブルデザインは今度はどんな事を暴露するのだろう」と思っている人も多くいるのではないかと思う。暴露といえば

1999年の「釘がでたらめ」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/13.html

1999年「ヒノキは白蟻に弱い?」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/19.html

1999年の「冬に室内で洗濯物を干そう」

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/09.html

2004年の危険な法律違反

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/b_number/61.html

等まだまだたくさんある。どれも今考えると当たり前に守るべき基準であるが、当時は「そんなのどうでもいいじゃない?」という意識ではなかっただろうか?

そんな中でどうしても声を大にして申し上げたいのが、「べた基礎」である。このべた基礎は、最近の新潟県では基礎工法の主流である。しかしまともなべた基礎は少ないと考える。当HPでも昨年指摘している事がこれ!!

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/news/news2007/08_23.html

べた基礎は、底板と呼ばれる基礎の底全てを使って重量を支える工法のため、特にこの底板の周囲区画(基礎立ち上がり)が重要であるはず。今後業界の標準となるであろう「財団法人 住宅保証機構」の登録住宅では、原則としてべた基礎の場合は構造計算で基礎構造を決める。それ以外は上のリンクで紹介しているところで説明している表によらなければ、登録受理されない。ところがこれが新潟県では著しく守られていないと感じる。なぜなら下のようなべた基礎の写真が、メーカー問わずほとんどチラシに載っているから。べた基礎の周囲は、通常基礎立ち上がりで囲まれていなければならない。例外として人が床下メンテナンスとしてとおるところ(人通口)は、巾50cm以内であればスラブ補強でOKとなる。しかし写真の人通口は、巾160cm近くある。このような人通口の巾のある基礎は、良好な地盤の布基礎の時に行う計画である。加えて短辺の区画距離が360cm程度あるので、通常はダブル配筋がでないといけないのに、メーカー問わずほとんどチラシにはシングル配筋で表記されている。数年後これが発覚したとき、「財団法人 住宅保証機構」はどうするのだろう?とくに昨年から設計図の保持期間は5年から15年と改正された。15年間はもう図面(構造計算書も同様)がもうないという言い訳はない。第二の姉歯事件に進展しなければいいが・・・。

実は、この基礎を検査をする人が一番問題なのだが・・・。これはブログ07年11月01日に記載されている。

写真はあるチラシから。このメーカーだけが悪いのではなく、県内全般にこのようなべた基礎?である。


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