「 2007年12月20日 」一覧

ちょっと10年を振り返り ②

2 10年を振り返り今後の事を・・・。「緑の家」について

地球温暖化問題もあるが、なんていっても原油の先行き不安感はこれから本格的始まる。人間の飽くなき欲求は今後も続き、一度覚えた快適性や快楽は早々手放せないのが真理心理。そこで「緑の家」では快適性を維持しながら今の生活よりエネルギー削減が出来やすい家として新に性能をアップした「SSクラス(0.99)」をご提案する。左の図は今年の建築学会で発表された論文であるが、暖房E0=Q値0.99は部分暖房する生活でも、全館暖房でもほとんどエネルギー消費が変わらない(但し地域設定が東京設定なので北陸では増える)。ところがQ値2.7W/m2K(ほとんどのメーカーの断熱基準)であると、やはり全館暖房はエネルギー消費が多くなる。緑の家ではこの10年で一番良いQ値性能の家で1.2W/m2Kである。これを改良する事で達成したい。また、断熱区画によるエネルギー削除の提案やよりコンパクトな住まいのご提案もしたい。コンパクトな家の提案として今度見学会行われる長岡ニュータウンの家はお奨め。居住部分は30坪に満たないが、外部収納として使われる車庫が15坪あり、当然車庫部分は暖房しないので、エネルギー消費量は抑えられる。しかも生活に必要なものをしっかりと使いやすくそろえ、かつ大胆に開口部をとる手法で設計している。今後の家のひとつのあり方だと感じる。(コンパクトがいいとおっしゃったのは建て主さんである。そのよさは拙宅でも分かる。時々妻に友人が遊びに来た時に狭いと言われるがそれを気にしなければ問題ない。と言うかそれしか建てられない経済的現実があったので、私の場合選んだと言うよりは・・・。)


ちょっと10年を振り返り

オーブルデザインは、平成8年に事務所登記を、その後一年をかけて準備を行い9年の暮れから実務を始めた。この暮れで実務を始めてから丸10年経つので少し振り返る。

1.10年前より建物の性能及び仕上げについて変わる事がなかった事が誇り。

10年前は自然素材を使う家が少なく特に木を無塗装で使う事など考えもしない業界であった。そんな中オーブルデザインの環境住宅「緑の家」では、床に無塗装の木、扉や戸枠に無塗装の木を使い、また、構造体にはクレテック金物と言う性能が明記されたものを薦めていたことに見学された人は大変びっくりされていた。これは今も変わりない。また、換気設備も当時から24時間換気設備を使い、今も全く同じ換気設備を標準では指定している。また、暖房設備に至っては、10年まえからエアコン暖房できる事(エアコン暖房が一番良いと言っているのではなく)を唱えており今も変わらない。さらに10年前から全棟に詳細な構造計算を行う事で建物の安全性を目に見える形で提供してきた。これらは全て10年間継続されてきた事。今の家でも自然素材、構造安定性、断熱性能等がバランスよく統合されていると自負する。洋服でも性能や仕様、価格がほとんど変わらないメーカー(海外アウトドアメーカーのモンベルやノースフェイスが造るゴアテックス商品等)があるが、これより寿命の長い家は最低10年くらいの仕様、性能を考える必要ある考え、「緑の家」はその仕様を決めてきた。

2.10年間で得た事務所の報酬は、全て建て主さんから。

一般に公共建築の設計のほとんど行わない設計事務所では、同業者から得る報酬が事務所の売上に占める割合が大きい。例えば確認申請だけをする仕事や施工建築会社の斡旋によるリベート、バックマージン等。しかしオーブルデザインでは一部例外を除いて全てが建て主さんからの設計工事監理料である。これは事務所の独立中立性の最大根拠である。最近施工会社が「当社は第三者機関によるチェックがある」と胸を張っているが、はてなと思う。いくら直接建て主に報告書を出すとしても、この第三者機関を使うかどうか決定するのはその施工会社である。つまり第三者機関にお金を払う意思決定権をもつ。数年前の姉歯偽装事件でも、国のお墨付きがある確認申請検査機関でさえも、民間運営で競争となった。そして施工会社から審査依頼が沢山ほしいばかりに書類のチェックが甘くなったと言う事実がある。これを建築士(設計者)は学ばなければならいと考えている。

3.年間6~10棟でお手伝いしその完成した家全てが「緑の家」である。

ハウスメーカーを除くほとんどの建設会社では、基本的性能でもランクをつけて家造りを行っている。これには実は?がつく。基本性能とは、安全性、快適性、耐久性と考えるが、これは設計者、施工者として確固たる理念があると思う。この家は予算がないから社の中の一番安い基本性能で良いという事ではどうも承服しがたい。経営的は多種多様の家をご提案したいと考えと思うが、これは基本線より良くなる事が前提であるし、デザイン的なものに限定することが重要である。家は50年を考えて造るものである。その中でメンテナンスを何回か行うだろう。このときやはりメンテナンス性も考えた家の基本性能がその設計者、施工者の理念ではないだろうかとオーブルデザインでは考えてきた。