「 2008年07月04日 」一覧

基礎断熱工法と結露 その①

結露とは、湿った空気が冷たいところに触れて空気中の湿気が水の粒となったもの。これは表面結露と言われるが、通常このことをさす。空気自体冷やされる霧も結露現象といえる。

さて、基礎断熱工法内の床下は結露するかと言われれば、基礎断熱工法内に限らず空気が存在する地球上あらゆる場所で結露はする。このような問いはしっかりと条件を整頓する必要がある。先ず基礎断熱工法内の床下と比較する工法は何で、どのような条件を設定するかが最も重要。またその前に基礎断熱工法とは何かという事に触れなければいけない。

基礎断熱工法とは、「暖房する」居住空間において、熱的区画を1階の床下までと考え床下まで暖房する空間とした工法。「暖房しない」居住空間には不要。つまり亜熱帯地域の住宅に基礎断熱という工法はない(冷房をする空間にも良いかもしれないが、稀であろう)。

次に暖房とは、「熱的境界ができるような区画をある物質で作り、その区画内部を暖める事。」になるであろう。だから熱的区画内は全て暖房空間である。ところがこの熱的境界の捉え方が日本の住居には馴染みがないため、数々の問題が起こった。それが部分暖房や、短時間間欠暖房、開放型ストーブの使用である。熱的境界は主に空気が区画されている。だから計画的に換気していなければ、その区画内の空気は変らない。そんな区画内で換気もせず開放型ストーブを使用すれば、時には生命の危険さえある。また、暖かい空気はより多くの湿気を含むことができる(お湯には多くの砂糖が溶け、水には少しの砂糖しか溶けないと同じ)。だから、暖かい空気が冷たい場所に触れると、その接触部分の空気は冷たくなり、空気中から湿気を水滴にして出す。この温度が露点温度。例えば温度20度湿度50%の空気は、9.6度で露点温度になり、コップに水が7度で注がれるとガラス表面に水滴ができる。

家の熱的区画は通常家の外壁及び天井、床の内と外で分けられている。
さて話がまわりくどくなったが、ようは基礎断熱工法は、暖房する家のための工法で、その暖房する家とは、家中暖める事が前提の熱的区画となっている。暖房しない家には必要無いし、暖房方法を間違っている家には何らかの問題が生じることは当たり前という前提が先ず必要。

本題の基礎断熱工法と結露はその②で。