「 2009年03月17日 」一覧

新潟 住宅性能表示で耐震等級2の構造計算した基礎

さてこれは何でしょうか?

これは基礎を作るコンクリートの中にある鉄筋を浮かせるためのサイコロと呼ばれるものです。大きさが違いますが、左は一般住宅で使われる4-5-6と呼ばれるコロ。右は緑の家で使う7-8-9-10のコロ。それを7の位置で使っているところ。この数字は鉄筋のかぶり厚を示す。かぶり厚とは、鉄筋を腐食から守るためコンクリートで保護する厚さ。厚いほど腐食スピードが遅くなる(つまり基礎の耐久性が上がる)。このかぶり厚は法律で決まっており、基礎スラブで下からの寸法は最低6cm必要。だから普通の現場は左の4-5-6の6の部分をつかう(よく5cmで違法建築を見るが・・・)。一方「緑の家」では7cmを指定する。これは構造計算時、かぶり厚を7cmで計算しているから。通常固定端のスラブは端部下端筋に一番大き応力がかかるので、下端筋が効果的になるように最低の6cmにしている。ところが現場では下写真のように人が上から踏みつけたりして、 6cmのコロを使うと5cmくらいのかぶり厚部分も生まれる。また、構造計算の考え方で端部ピン端にするとスラブ中央の上端筋に一番の応力がかかる。そのためできるだけ上に近いほうに鉄筋があった方が有利なので、下からなるべく離す7、8、9cmのほうがよい。その2つ理由から「緑の家」ではあえて住宅基礎では普通は使わない大きなコロを使う。この辺が設計事務所の工事監理と設計手法。施工オンリーの工務店では考えられないところ。これはシングル配筋時のことで、ダブル配筋の場合は6cmでOK。下端筋を踏みつけられないし、上端筋は別にあるから・・・。


新潟の住宅設計ブログ・・・「知ってましたか? 新築住宅の設備に・・・」

  今日「国交省主宰のある講習会」の中で配られた資料があった。それが上の写真。それによると屋内ガス給湯器類と石油給湯器、FF式石油温風暖房機、ビルトイン式電気食洗機、浴室用電気乾燥機は、ある程度の期間(7~10年くらいだろうか?)経過したとき、持ち主の依頼で定期点検をしなければならなくなった。もちろん有料である。この持ち主の依頼というのがどうも・・・。年金と同じ「申請」があれば払うに似ている。つまり持ち主が依頼せずそのせいで故障し被害があっても「点検申請しない人が悪い」になると解釈すればよいのか、今までどおりでもかまいませんよという選択肢があると理解したらよいのか・・・。

不思議なのが、石油給湯器だけ屋内屋外問わず点検が必要ということ。ガスの給湯機で屋外の場合は、問題ないらしい。ということは、石油のほうが製品的な危険性が高いということか?そこが不思議である。石油式のほうが技術的に劣っているということか?また、今や新三種の神器の食洗機(古いか)もリストに上がっている。これはなぜ?

さて何でこんなことになったのか?思い出してほしい。これは数年前に起こった松下製(現パナソニック)のFF式石油ストーブ回収事件、及びパロマの改造被害のせいであろう。20年以上前の機種を使い続けていたら不具合がでた。これはメーカーが悪い。回収せよという強い世論に押され(その前にパロマの事があった為か)、3年間ぐらいCMなどで呼びかけ回収していた。松下さんは相当な経費を掛けたと想像できる。ここまでメーカーの責任は必要なのかと思った内容であった。ここからは推測であるが、日本一の家電メーカーから、「これではメーカーがとても不利。法改正を!!ユーザーとメーカーの半々。」という働きかけがあったのではと勝手に想像している。

不具合が多くあるのにこのリストに載っていない製品もある。最近色々騒がせたリチウムイオン電池と車である。この不具合でも、下手をすれば出火し人命に影響を及ぼすはず。でもこれはリストにはっいってない。またまた推測であるが、リチウムイオン電池、車は、全世界へと輸出されているものばかり(ノートパソコンの電池等)。一方今回のリストに上がったものは、国内限定品ばかり。これは一体・・・。世界的にみると、今回のような法律を輸出商品に該当させたら、世界からバッシングを受けるのでリストアップしない・・・と感じる。うーム 製品(形あるもの)には必ず劣化寿命がある。それを使用しているものが、しっかりと管理するのが大原則なのだが・・・。なんでもかんでも行政に何とかしろというと「大きな政府」になる。そのしっぺ返しは必ずユーザーに値上がりという形で帰ってくる。・・・と思う。火を使う給湯機より明らかに危険と感じにくいリチウムイオン電池のほうが危険で点検が必要な気がするがリチウムイオン電池の場合、劣化ではなく設計製造の不具合らしい。なんとも一筋縄ではいかない。