今日朝8時頃HPを開いたらついに10万アクセスを超えていました。感謝です。100000目の人はご連絡頂ければ、記念品をお送りします(写真撮っていなくても可)。
「 2010年02月 」一覧
新潟市 雪のトラブルを防ぐ 家編
今年は新潟市では26年?ぶりに積雪80cmを超えました。最近の新潟市は一番多く降っても30~40cm。その倍の積雪が2日間で降ったので交通は大混乱との報道もありました。
長岡市で一晩40cm積もっても交通が壊滅するほどの影響は受けません。ところが新潟市では一晩に40cm降ると交通は壊滅的な影響を受けます。新潟市は融雪道路ではないため除雪車が頼りですが、除雪車が通ると道幅は半分くらいになり、また4m道路など狭い道や坂道も多いのでとても大変な状況になります。こんな時は無理をせず素直に会社や学校を臨時休業したほうが良さそうです(やむ得ない業務を除く)。
さて本題ですが、
雪のトラブルで一番多いのが、屋根からの落雪で怪我や車などが壊れてしまう事です。特に最近流行の「太陽光発電パネル」は表面が強化ガラスでとても滑りやすい素材です。ですので何らかの対応がされていない屋根に設置すると雪はおもしろいように落下します。先般このブログで注意喚起してましたが、やはり多くのところで問題が起きたそうです。
新築時ならそれ相応に設計者が気をつけるようですが、後付け施工された太陽光パネルから落雪でカーポートの屋根を壊した等の被害を聞きました。
実は当事務所のある家もお隣からの落雪が敷地内に飛び込んできて、設置されていたエアコンが雪で埋まり運転が不調になった事を聞きました(掘り出すのも堅い雪のため大変だったらしい)。
我々設計者は「新潟市では1mの雪が降る」事を前提に家を設計します。これは法律で決まっている事で、もし1m以上の雪なら「想定外」といえますが、1m以内の雪で建物の不具合が生じてはいけないですね(自戒をこめて)。
7年前に建築した新潟市のある家。建物平面形状が△であるため屋根に曲面を持つ急勾配部分がある。そこで雪止めが鱗のように細かく設置されている。見た目はイマイチ(勿論ファサード側ではないので許せるはず)であるが近隣敷地へ雪がなだれ込まないような配慮で設計してある。外壁はガルバニューム。
新潟の家 床下暖房の種類
床下を暖める暖房(床下暖房)はすばらしい暖房システムですが欠点も多くあります。これは以前から当ブログやHPでもご案内してきました。この欠点についはこちらをご覧ください。
さて本題の床下暖房種類ですが、大きく分けると下の4つですね。
番号 | 名称 | 暖房方式 | 熱源 | 耐久性 | ランニングコスト | メンテナンス | 取り替え 容易さ |
設置 費用 |
A | 蓄熱床下暖房 | 蓄熱タイプ (深夜電力) | ニクロム線等 | ◎ 30年 | ○ | ◎ | × | △ |
B | 緑の家 SSプラン | 蓄熱タイプ (深夜電力) |
エアコン (空気) |
○ 15年 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
C | 温水床下暖房 | 常時 通電タイプ |
温水 (エアコン) |
○ 15年 |
△ | △ | ○ | △、× |
D | エアコン床下暖房 | 常時 通電タイプ |
エアコン (空気) |
○ 15年 | △ | ○ | ◎ | ◎ |
上の熱源は全て電気です。灯油タイプの床下暖房もありますが、既にランニングコストやメンテナンス性でメリットはありませんから、今後なくなっていくと思いますので記載しません。
新潟県で最も普及しているのがタイプAの深夜電力を使いニクロム線等で発熱、基礎コンクリートに蓄熱させて暖房を行うタイプです。このタイプは耐久性が最もあり一般には30年以上は十分使えると思います。但し今後この方式はその発熱方式がCO2を多く発生させるので次第になくなるでしょう。
Cタイプは最近のもので、お湯をヒートポンプでつくりそれを床下空間で放熱させるシステムです。一日運転させるのでBタイプより運転費が最大で3倍にもなる事があります。Aと同じようにコンクリートに蓄熱させるタイプもありますが、これはヒートポンプ効率が下がったりメンテの面で一般的ではありません。価格は高めです。
Dタイプは最近最も多いタイプの床下暖房です。所謂床下エアコン暖房と呼ばれてます。ほとんどがメンテナンスのため一階床付近にエアコンを設置し、温風を床下に吹き込むタイプです。手軽で簡単なの事が最大のメリットです。ただ普通の基礎ですと蓄熱は期待できませんし、床下内掃除ができません。運転は一日通電させるのでBタイプより運転費が最大で3倍にもなる事があります。
Bタイプは「緑の家」の方式です。高基礎と組み合わせて安価な深夜電力運転で蓄熱させるとCやDよりも1/3のランニングコストになる方式で、床下暖房の弱点を克服した暖房方式です。
細かい内容はこちらにありますのでご覧ください。
新潟の家 無塗装の外壁5年経過
最近、超高断熱住宅と共にお勧めしているのが、木の無塗装の外壁です。この無塗装の家はまだ4棟しか建ってませんがこれから増えるといいな~と思ってます。多分超断熱住宅はこれからどんどん認知され、また必要とされるのでお勧めしなくても増えると思いますが、木の無塗装の外壁は「将来外観はどうなるのだろう?」との不安があるはずなので事あるごとに経過をご案内していきます。
環境がとても厳しい海風の吹くところに貼った木の外壁。5年くらい経過したと思います(家は19年経過、築13年で外観リフォーム)。私はなぜかこの木の色が好きですね。本当にそこにある自然なシルバーグレイ色です。
最近野良猫ちゃんが車庫に入り込み強烈な臭いをつけるので、木の扉を新設しました。そこだけ新人ぽい色で目立ちますが、時機に先輩色になるでしょう。
玄関部分ですね。こんな感じで木がカビて退色して表面が少し削れてもいいのです。
自然のまま
自然の経過
自然の色
自然の模様
いかがですか?なにか塗る必要がありますか?木はそのままが一番最高です。但し雨に濡れないように屋根がしっかりある設計が必要です。
家のネット情報・・・大手メーカーの力
ふとある事から立ち寄った個人HPには家の裁判になった事が書かれていました。たまたま基礎の件や建築基準法の件で関心があったのでしばし閲覧。
厳しい現実ですね。読んであると息が詰まりそうです。相手は大手ハウスメーカーでした。裁判になるとお互いの論理のぶつけ合いは仕方無いとしても、建築基準法の書かれている事を守らなくても、「力」で論理が通ればそれは瑕疵はないという裁判所の判断には大変驚きました。
例えば・・・基礎が鉄筋コンクリート造の場合、その鉄筋のかぶり厚さ(コンクリートに埋め込まれる鉄筋の外気から最低距離)が6cm以上(土に接するところ)と建築基準法に明記されているのに、裁判になると「4cmでも基準を満たす」との判断が判事から出る不思議??
大手のハウスメーカーは、その財力を生かし、一般人には理解しがたい論理をその筋の技術者に証言させ、「図面や基準法どおりでは無いが、瑕疵はない」事を立証するようです。この「互いに納得した図面と違うが施工に瑕疵はない」という言葉が私にはとても理解しがたいですね。でも裁判になるとこれが普通に行われるそうです。家の発注者である個人は、財力が企業ほどある人はまれですからなかなかこれを覆す証人(技術者)を立てる事ができないそうです。勿論大手企業には息が掛かった技術者がたくさんいますし、行政や業界、調停員※への影響も大きいですからあえて反論証言しない技術者も多くいると思います。
※・・・元々建築訴訟の調停員は「業界で飯を食う建築士」が殆どで、調停員なるくらいだからいろいろなコネやしがらみが多く公正な調停ができるか疑問。
もともと建築基準法は明治大正のころに造られたので、施工者(大工さん)を守る意識も盛り込まれているらしいのです。当時はお金持ちも人しか家を発注しなかったので(大家)、受けた大工さんをお金持ちのパワーハラスメントから守る事も考えられていたらしいのです。しかし時代はかわり今や全く反対の力関係が多くなりました。いつも建て主さんには、「大手は基準がしっかりしてます」と言っていましたが、いざとなった時は、一番大手が怖いですね。
このHPの最後の方には
「欠陥住宅を防止する第一歩は【工事監理者】をしっかり自分で選んで契約する事」と結んでいます。ご自宅はハウスメーカーが勝手に指定した(委任状も勝手に造ったらしい)一度も面識がない「工事監理者」で工事が行われたそうです。
このHPは検索エンジンGoogleで「基礎 欠陥 大手 多摩 パ」で検索すると最初の方に出てきます。心臓が弱い方は見ない方が良い(特に調停の部分)と思いますし、建て主さんのブログやHPなので少々感傷的な事例もある事をご承知ください。
とうとう100000アクセス。12年目
当事務所のホームページのアクセスがもう少しで10万件になります。
ただ今「99657」。
1998年暮れに最初に当時のサーバーOCNにアップしてから
12年目でようやく到達します。
これも支えて頂ける皆様のおかげだと心から感じております。
ありがとうございます。ほんとにほんとにありがとうございます。
3年くらいに前に90000件に入ってからゆっくりで、
なかなか10万件いかないな~と思っていたのですが、
去年の暮れから一気に2000件増え
急にペースが上がり早ければ今月中に10万です。
こんな小さな設計事務所のHPに何度もお越し頂いた方、
励ましのメール、質問メール、時には厳しいご指摘、
みんな感謝です。 ありがとう!
ジャスト10万件目のかたは、その画面上の写真のように
撮ってメイルで送ってくだされば、
気持ちだけですが何か記念品などを考えてます。
ふと思う 耐震性より超高断熱化!
今年は真冬日が多いですね。だから・・・
間違った考えとわかるのですが、
リフォームも新築も200年に一度訪れる可能性がある大地震に、大きな損傷を受けない頑強な家(免震とか)より、30年後確実に訪れる「石油危機」、「脱化石燃料」、「低炭素化社会」を考えると、超高断熱化が先ではないかと・・・。
家の優先は 安全性>快適性、経済性 とわかっているのですが・・・。
冬に突風とお日様のでない寒い新潟県ではついそのような魔の囁きが・・・ ┐(´д`)┌
冬だから基礎のコンクリート強度に更に注意します。
この写真は、基礎に使うコンクリートの強度を測るためにサンプルを抜き取っているところと、スランプ試験をしているところです。
冬に基礎工事される事もおおくなりました。
コンクリートは固まる前に凍結さえしなければ、低温湿潤である新潟の冬は、コンクリートにとって都合のよい環境です。但しあまり気温が低いと、20度の標準温度より強度がゆっくりとしかあがりません。そのゆっくりさでは工事進捗に支障をきたしまから「温度補正」を行います。温度補正とは、コンクリートの設計呼び強度に割り増して早く強度が出るようにするコンクリートの作り方です。
オーブルデザインの「緑の家」はコンクリートの設計呼び強度が27~30N/mm2なので通常プラス3上げて30~33N/mm2以上に温度補正します。
さてこのコンクリート設計呼び強度は家の耐久性に重要な数値です。強度について詳しくはこのコラムに掲載しました。
下の図のように現在の国の基準(住宅金融支援機構)では24N/mm2以上が標準ですが、4年くらい前は21N/mm2、12年前は18N/mm2でした。つまり年々高くなってきています。
オーブルデザインの標準では12年前から27~30N/mm2です。これはとても手前味噌で誇れる先見性です。コンクリート呼び強度を一度設計者に聞いてみてください。温度補正は?スランプ試験は?そして強度はいくつですか?この質問でその設計者、施工者の力量がわかります。※いずれも「呼び強度」です。設計基準強度ではありません。
いつも申し上げておりますが、家の設計はバランスです。全てにおいて基準を満たす事ができることが住宅専門の設計事務所の力です。
ちなみに木造軸組住宅の温度補正はそう厳しく考えなくても良い場合が多いです。これは打ち込みから上棟まで8日くらい、その後本格的に基礎に加重が掛かるまで2週間以上掛かりますから、ちょうど4週間を迎えたところで加重が半分も掛からない状態です。ですので厳しい行程以外は+3位の補正値でもOKでは無いかと思います。工程管理を把握できれば設計者の判断となりますが、この時期は+3は必要ですね。
12年間使用した ISDN終了
ISDNって知ってますか?この機器はINSメイトV-8DSU(2代目)という機器です。 ISDN・・・もう死語か化石のような規格ですね。ADSLが使えない地域でまだこの規格をお使いのかたがいらっしゃれば拍手ものです。当事務所では数日前に12年間使用したこの機種がようやくお役ご免、既存電話線を取りやめ光電話に切り替えました。お疲れ様でした。
ちなみにISDNとは既存電話線の情報をデジタル化することで、一回線で2つの電話番号を持てる規格です。当時は電話一回線の権利料が8万?くらいだったのに対しISDNはその2倍ではなく1.5倍程度だったので迷わずISDNにしました。なんとこの頃はインターネットはダイアルアップ接続が普通だったのですよ。
6年くらい前この地域(三条市荒町)で一番最初に光ファイバーを事務所内に引き込み、インターネットをADSLからフレッツ光にしました。しかしその当時、光電話はまだなくIP電話のみでした。IP電話は05××から始まるので、今まで使っていた同じ番号が使えません。仕方なく既存ISDNをそのままにして6年経過しました。
昨年末、学生時代のメンバーの忘年会で「光」引いているのに何で既存電話線も使っているのと馬鹿にされ、「電話番号が変わると言われたので」というと、「それは相当過去のこと。今は大丈夫」といわれました。
ITの技術の変化はめまぐるしく、4年前からできるようでした。
しかし、今更IP電話用に購入した無線ルーター(約3万)を捨てるのももったいないし、すでに浸透したIP電話の番号も破棄したくない、無線LANの設定も・・・で結局下のようにルーター2台(IP用と光電話用)と何とも小さな事務所では多すぎるネット機器と複雑な配線です。光変換機器も結構熱くなるし待機電力も多そうで無駄な環境負荷という感じです。(もう電話権利は意味なしですね)。
小さな事務所ですからネット環境は家庭用で十分です。が、何となく多すぎる機器類。右から8ポート1000BESE-Tハブ、光変換機器、光電話用ルーター(無線なし)、IP電話対応ルーター(無線あり)24時間稼働。結構熱を発散してます。
予想通り! 国が全ての家に高断熱を義務化!しかしユニクロ化は・・・
最近は住宅も「ユニクロ化」しているような気がします。ある程度の品質で安い既製品。家も最近はこのような造りが多いですね。
しかし家は衣料と違って数年で取り替えられるような事はできません。ここが衣料と全く違うところです。
家の基本性能を数年後変更しようと思うと、総新築費の半分程度お金が掛かります。そこをよく考えて仕様や会社を選んでほしいと思います。
特にこれからは低炭素社会(脱化石燃料)に必ずや向かいます。家造りでこの対応を間違えると、とても大きな資産の損失となります。
まずこちらをごらんください。政府が下のような発表をしてます。
http://www.asahi.com/politics/update/0204/TKY201002030475.html
政府が「温室効果ガスを2020年までに1990年比25%(05年比30%)削減する」中期目標を達成するため、家庭部門はなんと40~50%(2005年比)の削減が必須だからです。
このため政府は
①太陽光発電の最低でも10世帯に1世帯
②新車はすべてハイブリッド車
③新築はすべて高断熱化
④住宅全体の8割を高効率給湯器とする。
と宣言してます。①と②はいつでも、数回でもできますが、③の新築の高断熱化は一回だけです。ここで慎重になって考えましょう。もしこの「高断熱化」が次世代省エネルギー基準といわれる現在の高断熱仕様ならば・・・
業界ではすでに知れ渡っていますが、北陸、東北以北では高断熱化では暖房エネルギーが以前より増えてしまうのです。これはあたりまえで、高断熱化すると全室暖房することになります(リビング階段などオープンプランです)。
高断熱化する前の住宅では家中暖房は不可能でしたから、我慢してリビングだけとか暖房していたのです。だから意外と暖房エネルギーを使っていなかったのですが、次世代省エネルギー基準といわれる現在の低い高断熱仕様程度では、全室暖房すると以前より1.5倍もエネルギー消費(暖房費)が増えてしまします。
では少し良い性能のQ値1.8~2.0位でようやくとんとん(同じくらい)。しかし削減目標は50%ですから、これを考えると目指す新潟県の断熱性能はQ値が1.0付近は確実です。
1998年以来断熱性能を10年以上も強化していないのは、様々な政治的理由があるのでしょう。実は去年断熱性能が1.4倍程度引き上げられるはずでしたが、強い業界圧力で小幅に引き上げられています。この基準は、新潟市ですと
Q値2.7→1.9に引き上げ(1.4倍程度)
でしたが大きな抵抗があり分譲業者だけの基準となってしまったのです。だから一戸建て住宅は11年前の基準のQ値2.7のままです。
業界の同意が得られる新潟県の2年後の基準はQ値1.9で、2018年くらいに更に上がりQ値1.3~1.4くらいになるだろうと想像できます(今までこれらの予言は当たってます。予言は確実な情報を分析すれば現実となります)。そして2030年にはQ値0.9くらいでしょう。たった20年後ではまだローンが残っている頃です。
建て主さんより強い業界の抵抗・・・。大手メーカーの都合でしょうか?ですので建て主さんは自分で自分を守らなければなりません。私が20年前にQ値1.9の自邸を建てたとき、まだ高断熱推進など政府は言ってなかった時でしたが、今でもその断熱性能は十分通用します。これが本来の家の性能ですね(最低20~30年くらい先の標準性能)。
さて、普通は借金して家を建てるとと思いますが、そのローンは30年くらいではないでしょうか?それなのに10年もたつと断熱基準を満たさないエネルギー浪費の家になってしまう。それが住宅の、住宅のユニクロ化の行く末です。心ある設計者はQ値0.9以下をまず勧めます。
さて、今家を建てるならQ値は高すぎる事はありあません。床面積を少し小さくしても、高い自然素材を少し減らしてもQ値を0.9くらいにしましょう。必ず後悔しません。・・・どうしてもという方はQ値1.3以下が最低限ですね。
但し、Q値1.3では1990年比で「目標未達」ですからエネルギー消費住宅になります。
新潟の家 広告、営業話術に惑わされるな。
ブログでもよく申し上げますが、広告(チラシ、HP)がすべて正しい情報とは限りません。どちらかというと誇大広告が殆どです。これは表現の自由という憲法により、故意に人を惑わす事が書かれて限り自由表現OKということです。
例えば、
TV通販でも「○×を食べたらで目がすっきりした」という体験談ならOKで、「○×を食べたら目の視力が直ります」と販売会社が宣伝すると薬事法?に触れます。「目がすっきりするのは個人差があります」とトドメにテロップで流せば、目がすっきりしなくて責任はありません。
同じように住宅でも社長の思い込みで、この家は「地震に強い家」と宣伝してもそう大きな問題になりません。が、もし裁判にでもなれば思い込みだけ(裏付けなし)で「地震に強い家」と言って販売し、それが購入に大きな影響を与えたとなると、たぶん耐震等級2以上の基準を満たしていなければ詐欺か等級1を満たしていなければ建築基準法違反になります。
広告会社はこれを回避するため、小さい字で「プランにより替わります」とか「オプションです」とか記載されてます。が、それを読む人はあまり多くありませんし、重要なことと思って気にとめる人もいません。その後すぐに説明があれば仕方無いことですが、契約まで無いとすると問題です。そのあたりの解説が詳しく載っているHPは下のところです。
http://www.ads-network.co.jp/mitumori-zumen/koukoku-01.htm
耐震性では、特に私は許容応力度設計で構造計算しますから、通常の会社で行う壁量計算はあまり眼中になく気にしていなかったので、
建築基準法の壁量×1.25=耐震等級2ではない!
は考えたことがありませんでした。
http://www.ads-network.co.jp/mitumori-zumen/zumen-11-jiku.htm
のサイトで数値で説明してます。なぜそうなるかは、建築基準法は雑壁を耐力壁として算定していな事と、多雪地域の雪加重の考慮がないことが原因と思います(雑壁ってなに?はおいといて・・・)。
同じように断熱性能表示Q値=1.9といって広告していた建物が、しっかり計算すると遙かに悪いQ値2.5だったりします。これは建て主さんにとって殆ど詐欺ですよね。
とにかく大事なことは、世界に一棟しかない注文住宅なら個別にみんな計算して数値で表示してもらうことですね。数値は後で残りますが、「高気密高断熱ですよ」とか「地震に強い」という曖昧な表現では、建設会社に逃げを許した事になり・・・×です。
上のリンクはおもしろいサイトなのでいちど立ち寄る事をおすすめします。ただ開設者が太平洋側の人なので、温熱環境については参考にならないところもありますが、その他は頷くことが多いサイトです。[E:shine]
高気密高断熱住宅の欠点④ 基礎内断熱とシロアリ 新潟の家から
家を造る勉強をされているかたなら、基礎断熱という断熱工法を知っていると思います。
15年くらい前から北海道で開発され次第に南下し、今では大手ハウスメーカーにも標準採用されている断熱工法です。前々回のブログでも申し上げているとおり、断熱方法としてはとても理にかなった方法でとても優れています。
がしかし、
①シロアリを呼び寄せる
②シロアリに対し進入されやすい部分が多い
③シロアリが進入した場合駆除がし難い
という欠点も併せて持ちます。
当事務所では90%くらいが基礎断熱工法を採用しており、そのうち98%くらいが基礎内側断熱です。基礎内断熱に拘るのは②の欠点を和らげるためです。
下の図は(財)住宅金融支援機構刊の木造住宅工事仕様書(解説付)からの抜粋です。
この団体は国と変わらないくらいの権威がある団体で、40年以上も日本の住宅の基準を作ってきました。そこには・・・
新潟県を含む北陸以北で採用が可能な基礎断熱。但し家の周囲にシロアリが生息している場合は採用注意とある。
とあります。つまりシロアリ予防が高いのが基礎内断熱です。基礎外断熱はシロアリが現在いなくてもいつ家の周囲に来るかわからないので、当事務所では10年以上前から採用していません。
このように基礎の内側に断熱材を貼り付けます。これは地中から進入しようとするシロアリをコンクリートでブロックするためです。が、基礎のL字を一回で打ち込む工法でないと効果は薄いです。それは2回でコンクリートを打ち込むとそのうち次ぎ面にわずかな隙間(設置金物錆、ジャンカ)が残りやすいためです(Sプラン布基礎の場合はこれを改善した方法で対処します)。
またこの方法では基礎内断熱の欠点である熱僑をうまく防いでおり、シロアリに侵入を目視できるようにしております。詳しくはこの日のブログです。
またオーブルの緑の家オリジナル仕様は、床下エアコンによる蓄熱暖房をしているので、人がいる階上よりはかえって断熱性能が高く考えてあることです。その一部が外部土の中に設置される外断熱です。
こんなに丁寧にブログで解説すると、他業者さんがまねをしてオーブルさんには不利益になるのではないですか?とのご心配をいただきますが、
「出し惜しみしない事が建て主さんの、そして自分の幸せになるよ」とのある方の教えがあり、私もその通りだと感じます。もし私の考えにご共感頂ければもっと詳しくご説明します。
超高気密住宅にデメリットはない。新潟の家から
超高気密住宅にデメリットはない。
と言いきります!
様々なネット情報では「高気密はいいけれど超高気密まではいらないし、そこまで性能を上げるとデメリットがある」と説明してサイトがあります。でもその事を書いている方全てがその超高気密住宅に住んだことがない人です。20年近くもほぼ超高気密住宅に住んでいる私が「もっと気密が高い方がよい」と言い切れます。
まず住宅に気密がどうして必要か原点に戻りましょう。お寺や神社の建物では気密が必要ないですね。家や店舗建物はどうでしょう。何となくあった方が暖かいと思いますね。そうです。この二社の違いは、暖房するかしないかの違いなのです。赤道直下の家に気密が必要ないように暖房しないところでは不必要なのです。神社も神様には暖房が必要ないので気密の建物がいらないのです。
つまり気密は暖房するために必要ものなのですね。だから沖縄などを除く日本の住まいでは必ず必要なのです。すると
「昔の家は気密などなかったのに問題なかったのでは・・・。」というとんちんかんな質問する人がいます。
「ではその昔に車が走っていたり、電気や石油があったでしょうか?」
文明は進化し、現代の人間は99%の人が「暖房」を好み「暖房生活」するのですね。それを直視しないで「昔はなかったから必要ない」という人は、電気も使っていない生活に戻ればよいとおもいます。でもできませんよね。全てはバランスで成り立つ世の中です。今は暖房を必要としている文化なので高気密住宅は家のバランス上必要な絶対条件です。
さてようやく本題ですが・・・
長くなりそうなのでこの続きはHPでご覧ください。
ATOK導入!
一太郎を知ってますか?PC98やDOSの頃からお世話になった有名なワープロソフトです。5インチFDDの時代ですよ(笑)。失礼ながら懐かしいですよね。
現在まで継続して25年間使っている人もいると思いますが、ほとんどの人がこの日本語エンジンATOKのみを好きで使っている人が多いと思います。
そうです。私はWindowsに標準でついてくる日本語変換機能MS-IME又はIME-2007等をここ15年くらい使っていました。ところがこのMSーIMEの変換の悪さがとてもイライラするようになりました。何度となく変換している漢字でさえ学習しないというか、漢字変換を思うようにしてくれないのです。そこでやっぱり無料でついてくる変換機能はそれだけのものということを悟り(無料設計も大概はその程度が多いですね)、「そういえば一太郎(ATOK)があったよね」ということで2010年版一太郎を予約しました。
5日の発売日に発送され、6日に手元に到着。写真のようにパッケージ版を購入。今はネットでダウンロード購入できるので無駄を排除するならこのようなパッケージ版を購入しない方がよいのでしょうが、そこは古い人間。やっぱりソフトはこのような箱に入っていないと気がすみません。
直ぐにインストールしこのブログを早朝4時に書いてます。
PCで文字を多く打つ方はこのATOKがやっぱりいいですね。15年ぶりに日本語変換ソフトを買いましたが、その価値はあったと思います。
注意する点は、IMEの場合直ぐに変換しておかないと全く違う漢字に変換してしまうので、5文字も打ったら直ぐ変換してましたが、ATOKでは長文を正確に変換してくれるので、なるべく変換しないで一気に打ち込んだ方が良さそうです。
さて「直ぐ変換」の癖が直せるか・・・。
高気密高断熱住宅の欠点③ 玄関とシロアリ 新潟の家から
家の設計はバランスに尽きます。いくら地震に強い家でも、寒い家なら長持ちしないし、いくら自然素材を多用した家でもシロアリのことを考えていない家は耐久性が低いでしょう。高気密高断熱で暖かくても、地震に弱かったり耐久性がない家でもだめですね。本当に良い家はすべての性能が高次元バランスで成り立つものなのです。
緑の家のSSプランは、シロアリに対して至高の方法を標準としています。最近のシロアリ被害は、玄関付近と風呂、勝手口付近に集中しております。これは、今の99%の住宅で土と接しているところが玄関付近と風呂、勝手口に限定されるためです。土壌型シロアリは、巣を土の中に造ったり、地中から家に進入する事がほとんどです。このため土と接しているところが加害部分になるのです。特に玄関部分はどうしても土と接っしなけらばならない機能を持ち合わせているので、家のしろありに対しての一番の弱点となります。だからこの部分さえ注意すれば、玄関部分の侵入を著しく防ぐことが可能です(緑の家の場合)。
上の写真は一般の家の玄関部分を作っているところです。このように土と玄関戸は接しているので、ここからシロアリが侵入してきます。
それに対し緑の家のSSプランの家は玄関ポーチ下が空間なのです。また玄関ポーチのコンクリートは外壁や玄関戸と接してません。だからシロアリの侵入が困難で且つメンテナンスが簡単なのです。
県内でここまで気を使う設計はないでしょう。
「シロアリ予防に対しここまでやる必要があるのか?薬剤予防でよいのでは?」
といわれたこともありますが、SSプランの家は100年以上の住宅のあり方を真剣に考えて提案しております。耐久性に最も大きく影響を及ぼすシロアリの加害にはできる限り注意を払いたいと思ってます。特にシロアリを引きつけやすい「基礎断熱」工法は注意しすぎることはありません。基礎断熱工法は安易に採用してはいけません。
また薬剤による予防は、所詮「化学物質」です。その効能は長くて10年(加圧注入でも30~40年)で且つそのほとんどが危険で中止になった歴史があり、40年も継続し販売されている薬剤は聞いたことがありません。物理的に半永久なこの方が理にかなってますね。当然ヒバ油とか炭とかという自然素材はおまじない程度の効き目しかありません。その情報は先日ブログで紹介したシロアリサイトに詳しくあります。
どうですか? あなたの家の設計者は、シロアリ予防とメンテナンスをしっかりと説明しバランスよく提案してますか?
緑の家にお住まいの皆様へ 連絡
新潟市で数十年来の豪雪になっております。
新潟市で建築された「緑の家」は、通常1mの耐雪住宅です(一部1.2mの耐雪で計画された家もありますのでご確認ください)。仮に1mを少し超えても安全率を見てありますのであわてて雪下ろしをお考え頂かなくとも大丈夫です。また屋根に設置されたトップライトも1mの耐雪荷重があります。
天気予報では今週で寒気は終わるとされております。今は家の中で暖かくお過ごしください。
雪すごいですね。
今日は三条に泊ってましたので早朝3時に起き、三条の駐車場の出入口の雪かきをしてから寺泊に行き今これを書いてます(4時30分)。娘をバス停まで送らなければ・・・。
寺泊も久しぶりに一晩で雪が多く積もってます。今日の雪は海岸から平野部で降ったようです。すごーい^2降りようです。[E:snow][E:snow][E:snow] 雪の多いところの方は大変お疲れ様です。 o(_ _)o
PS
8時30分加筆 何と新潟市の積雪深が長岡市を越えました。
高気密高断熱住宅の欠点② 床下暖房とシロアリ 新潟の家から
この写真は一昨年前に計画した「緑の家」の床下暖房で、発熱体を直接基礎に埋め込み蓄熱させる仕様の基礎築造前の写真です。勿論現在はエアコンで床下暖房するほうをお勧めしてますが、5年くらい前からこのような床下蓄熱暖房も行っております。
この写真は基礎スラブに発熱体(所謂ニクロム線)を入れ深夜電力で蓄熱させるため、そのコンクリートの温度は45度にもなる場合があります。いくら地中の断熱性能がよくてもこのこの温度では、地中への熱損失が大きいので断熱材を基礎の下全面に敷きこみます。
この写真の断熱材の厚さは50mmでスタイロフォームATを使ってます。この「AT」という選定が重要で、スタイロフォームの中でも「AT」だけネオニコチノイド系の防蟻剤を混入し断熱材自体にシロアリの食害を防ぐ効能を持たせています。「これにより断熱材がシロアリの蟻道やコロニーになったりする可能性がほとんど有りません」とのメーカー紹介があります。
無論可能性は0ではなく、多少の蟻害はあると想像できますが、大きな空隙ができることはないと思います。
ここが重要です。
多少加害があっても家そのものに影響を及ぼさない可能が高ければ、土に埋め込むことは問題はありません。また仮に蟻害があっても厚さ5cmですから、致命的な空隙ができるとは想像しにくいです。この家は埋め込む断熱材と家との縁が切れており、直接接しておりません。こういう配慮も肝心ですが、通常の施工では縁をわざわざ切ることは少ないでしょう。
しかしこのスタイロフォームATは普通の同等の断熱材の倍近い価格です。ですのでこういった防蟻性のある断熱材を使う工務店(建設会社)さんは多くありません。これは断熱材が地中に隠れてしまうので大きな加害があってもわからないからです。しかし大きな加害があれば、この断熱材を施工し蓄熱した熱を逃がさないように計画した意味がありませんね。
地中に埋められる断熱材がある場合は、必ず「防蟻性」のある断熱材かどうか確認が絶対必要です。
10年くらい前に基礎の下で断熱材のような発泡素材(防蟻剤無)を数十センチ埋め込む事で地盤改良する工法のメーカーが近隣県にありましたが、その時営業マンに
「その発泡材に蟻害はないのですか?」との問いに
「この材料はシロアリの食材ではないので蟻害はない。高速道路の路盤下地としても実績がある」
と答えてました。
しかし10年後の今の業界の統一見解では、
「シロアリは直接食べ物でない発泡性材料でも状況がよければ食べるし、コロニーも作る」
となってます。このことは昨日のブログのリンク先にしっかりと写真入りで解説があります。
http://www18.ocn.ne.jp/~union/131101.html
数十センチの厚さでシロアリの加害を受けたら怖い気がします。高速道道路のようにいつも補修ができるならよいのですが・・・。
このように地中内に設置する断熱材には細心の注意が必要です。当事務所は8年前に蟻害を受けてしまいその教訓を最大限生かし、建て主さんにご提案します。
高気密高断熱住宅の欠点 土壌型シロアリ 新潟の家から
このブログは1月25日の追加修正版です。
真冬なのでシロアリはまだまだ「旬」な話題ではありません。が、シロアリは今も活動している事が多くなりました。その理由は冬季の地表面(深さ2mまで)温度の上昇です。その温度上昇の原因が基礎断熱によるものであるとされてます。
基礎断熱は地面を断熱材とするので、数年で基礎の下の接している地面の温度が15度から10度くらいで安定します(常時湿潤土地を除く)。するとこの暖かさにつられてシロアリがやってくるとシロアリ駆除の技術者から解説がされてます。
これは全く同意で、拙宅の20年を迎える高気密高断熱の壁の断熱材や、天井の吹き込み断熱材の中に、おびただしい数の団子虫やゲジ、ムカデが干からびて死んでいます。彼らは「暖かさ」に惹かれ、越冬地として選んだのですがあまりに断熱材の中が乾燥するので春を迎えることなく死んだのでしょう。自然の中では木の皮の下や石の下が越冬地ですので、湿気は多量にありますが、高断熱高気密の断熱材の中は、相対湿度が20%から50%のところも存在するので干からびます。
基礎断熱を施すと間違いなく地中の虫を呼び寄せます。虫も越冬するのに暖かい方がよいに決まってます。あまり温かすぎて干からびたのは彼らの誤算でしょうが、とにかく暖かい事はみんな(昆虫も動物、植物も)好きです。
だからこそ基礎断熱では注意が必要です。特に次の工法で基礎断熱を施工するところは、今一度熟考が必要です。
3.玄関土間下(勝手口土間下、ユニットバス下)が「土」の場合。
4.排水管が地面から見えないところで内部に引き込まれている場合。
です。
オーブルデザインでは8年くらい前に一度シロアリに玄関内部のかまちとよばれる木材を加害され、それ以降この問題にはとても注意してます。理由については次回にします。
シロアリの詳しいHPはいっぱいありますが、上の4つを比較的わかりやすく偏りが少ないところは
がよさそうです。無論当HPの
http://homepage2.nifty.com/arbre_d/kisodannnetu/01.htm
にもありますし、
http://www.sinfonia.or.jp/~isoptera/myhtm/dannetsu/dannetsu.htm
も少々主張が強いですが、いろいろな所でご活躍されている方が主宰の有名なシロアリサイトです(このサイトでは基礎断熱は結構悪者ですが知見は深いです)。
基礎断熱は温熱環境を考えた時はすばらしい方法ですが、一方でシロアリのリスクがあります。この部分はコストが安いだけではいけません。当事務所が薦める「緑の家」ようにきっちっりとメンテナンス対策がされているが重要です。