ダイキンのエアコン設定温度が不正確で嫌い。追補

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最近コメントで頂いた質問が私のツボにはまって長文でお答えした。実はこのことはいつも頭にありいつかもっと解説したかったのであるから、ご質問頂いた方には感謝である。

下にコメントの返信をコピーしておく。

設定28℃は間違いだとか・・・

そのとおり設定温度でないことは理解している。しかし現実を考えると室内温度を意識してエアコンのリモコンを操作している人はごくまれで、残念ながらそんな人(設定温度ではないと判断する人)をエアコンメーカーは意識していないと考えている。つまり一般の使い方ではリモコンの設定温度=室内温度と思って操作しているはずだと思って開発すると想像している。

ちなみに人が感じる室内温度の表す指標として体感温度がある。体感温度とはSET∗が一般的指標で、6種のデータから体感温度を導く。だからそんな複雑な指標を持つのは室内環境系学者だけだろう。よって仮に巷で「目標28度とは体感温度だよ」との話があっても一般の人が測定不能(理解不能)なデータでは全くナンセンスなことであり、私はあえて管理する室温=エアコン設定温度として取り上げている。

もし自身がビルの管理者になったなら、「室内温度28度としてください」と国に指示されたときに、どのように対処するか?複数の温度計を適時見ながら設定温度を変えているだろうか?仮に体感温度28度ならどうだろうか。体感温度の指標は6データから算出するからそのSET∗の公式に沿って室温、湿度、放射温度、着衣量、気流、代謝量のデータをみてエアコンの設定温度を変えなければならない。そんなこと専門家である私でも無理。

さらに言えば仮にその全データが揃っていても体感温度28度にはできない。それは調整しようとする空間が一様な状況であることはまずありえないしし(輻射にしても場所によって変わる)。それぞれ個別にSET∗での評価が違うので一般的な建物内で体感温度を28度に設定することはできない。となるとビルの管理者(市役所等の管理者でもよい)が唯一簡単にできることは・・・エアコンの設定温度、湿度※で操作するしかない。これは殆どの管理者がそのように行うだろう。だから本来はエアコンの設定温度の正確さ(大部分の場所で室温と設定温度がおなじくなること)が大事でなのである。住宅ならもっと酷く湿度管理は通常のエアコンの冷房では無理。再熱除湿機能があってかつその制御範囲が広いエアコンだけが本来の空調機であり、湿度管理できないエアコンはただのクーラーである。
※ビル用エアコンは湿度調整も可能なタイプが多く、だから空調機とよばれる。

その一方で・・・殆どの人は28度という室温では不快に感じる。そこでダイキンさんは考えた。外気温が高いときで設定温度28度が指定されたときには26度を目標にエアコンの制御をしようと・・・。そうすれば、管理者は28度という目標数値は守れるし、実際は26度の室温となりその恩恵を受ける人も満足する※。そのようにアルゴリズムが組まれていると私は想像している。国はエアコンの設定温度まで口をはさまないから、設定温度28度でも実際は室温26度の制御でも関係ないし、そのようなJIS等の規定もないので何も問題がない。結果管理者と恩恵を受ける作業者でWINWIN(これがダイキンさんのエアコンが良いにつながっていると思う)。であるから国の指針は守りでもユーザーさんの快適性も犠牲にしないダイキンさんは私が嫌いでも実は褒められるべきなのである。つまり最も問題なのは、この高湿の夏季がある日本で湿度管理もできないのに、3.11以後発電が不安定な時に決めた28度を今もそのまま運用している「国」と「報道の在り方」だとおもっている。※ある種の統計では夏季26度前後が最も快適を感じる割合が多い。

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