「緑の家」床下収納は「蔵」以上。

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本所リバーサイドの家は、築70~100年くらいの「蔵」の前に建築している。新築後速やかにこの「蔵」は解体処分されると伺っている。

こちらはotomo vie centの倉の入り口

もう造ることができない古い蔵を壊すことは勿体ないと思われる人が大部分だろう。私もそう思うが、建て主さんの考えは理解できる。

倉の中はカビ臭と虫でとても日常品を置くことは不可能。こちらはotomo vie centの倉の内部。

蔵を実際持っている住人さんならわかると思うが、現在残っている古い蔵は大体が強烈な「カビ臭」で満たされる。特に新潟県の平野部で海抜面10m以下なら、地盤面水位も高くしかも古い建物の地面は湿気を防ぐコンクリートではなく三和土の上に床組みがされている。蔵は火災時の保護、及び盗難防止が目的のため床下換気は多くなくいつもじめじめしている。湿気ていることはつまり虫も多い。その中に保管されたモノたちはやはりカビや虫に侵されることになる。古い時代のころなら多少カビ臭くても使ったりするが、現在のモノはカビ臭がしたら破棄か使うことをためらうだろう。結局やはりカビが寿命となっている。また埃もすごい。これは蔵の多くは土壁なのだが、この土壁は時間と共に土埃になり積もってしまう。土壁はすごい素材ではなく常に土埃との戦いなのである。こんな欠点の多い古い蔵が必要とされる役目はもうないのである。しかも当時の目的だった「保管」は現在の倉庫や冷蔵庫、コンテナに変わりその意味もない。

とは言っても住まいには捨てられないものがあるだろう。その時に「緑の家」床下収納があれば、この問題はほぼ解決する。

ある「緑の家」の床下内。

高さ1.4mある収納庫はしっかり「使える」収納庫になる。元々はシロアリ予防や床下のメンテナンスのために設けられ、床下暖房のバッファーとして生まれた空間を「もったいないから法的に許される範囲で収納として使ってしまおう」ということである。

湿気ないから洋服から本、着物、五月人形等も保管できる。

今回の本所リバーサイドは一階部分が大きく、法律上許される一階床面積の半分として41m2(約25帖の空間)もあるので、ここを蔵代わりとして使えれば、もう古い蔵は必要がなくなる。しかもカビなど一切無縁でいつも乾いているし、虫なども入りにくい。

こんな床下収納を事務所設立以来全棟で採用している。「緑の家」の仕様、内装は実は超高性能なのに大変質素。しかし基礎など最もメンテナンスができにくいところにしっかりコストを掛け、いつもでもその気になればリフォームできる内外仕様を簡素としている。

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