青木村「緑の家」から見る、群飛の日のシロアリ対策。

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立派な玉ねぎ40個以上が事務所に届いた。

シロアリ対策の話題の前に・・・

先週遠方の方からお電話があって家の心配事の相談を受けた。5分くらいで終わった内容だが、後日こちらの立派な玉ねぎ40個くらいが送られてきた。送り状には細かい住所がないので返礼のお手紙が書けないことでこの場でお礼申し上げたい。ご丁寧にありがとうございます。

さてシロアリ防除だが・・・

白い矢印先にヤマトシロアリの羽ありがいる。周囲の倒木、薪等からの群飛らしい。

昨日青木村の家の玄関戸にシロアリの羽ありが十数匹ほどくっついて、一部は羽が既に落ちている状態。確かにこの日は前日の雨が上がり急に気温が30度まで上がるという群飛にはふさわしい状況。

この建物周囲には薪小屋もあるし、一昨年倒した大きな木の根っこも埋まっており、どこからでもシロアリが発生していてもおかしくはない環境(いわゆる自然の中の家)。特にこのように既存家を解体して新たに作った3年目までは、特にシロアリの脅威が増す時期となることは関係者なら熟知している。

そんなんでも建て主さんも含め私もしっかりした対策を行っているからこの羽あり見ても何も動じないし全く問題ないと考えている。

空中に浮いたように作ってある玄関ポーチ。内部は農機具など保管できる。

まず何といっても高基礎のメリットで、玄関戸の位置が浮いている。つまり地面とくっついていない。写真の羽ありはヤマトシロアリで、そのシロアリなら土壌型なので地面に一度入るか、地面と同様の湿気を帯びた朽ちた木の小穴に入らないとすぐに死ぬ。また地面に一度入って生き延び巣を形成しても写真のとおり空間があれば、蟻道を破壊することでシロアリ対策としては万全。シロアリ対策はとにかく目で見えるようにすること。

昨今の家において、シロアリ加害が多いのは1番が玄関戸下付近、2番がお風呂場付近のいずれかであり、この2つに共通しているのが、地面と建物が容易に繋がっているところがある弱点を持つ箇所。特に一般の家では玄関下は通常すぐ地面(土)となるが、このように浮いていればシロアリのアタックを防ぐ事が可能。

3番目に多いのが配管廻りから侵入。

地域柄凍結が厳しいこの地では配管を地中に埋めたいところだが、シロアリ予防のためあえて露出させている。しかも氷点下10度以下になるので基礎は外断熱しないと基礎周囲から熱が土に多く逃げる事が実測されており、外断熱基礎は必須。その外断熱基礎の欠点はシロアリに弱いことだが、それをカバーするためこのように配管周囲をくりぬいてシロアリ予防を行っている。当然熱橋にはなるが内部基礎にも断熱材が120mm張りついており、熱橋防止しつつわずかな熱損失になるように配慮している。

この2つの工夫で土壌型シロアリ(ヤマトシロアリ)を防ぐことは容易に可能である。あとはカンザイシロアリだが、周囲にこれだけ木々があり倒木もあればあえて家に向かって飛んでくる確率は低いと思われるし、家と家との距離も田舎故広く50m~100m離れるのほど隣棟間隔で感染防止になっいるので、その確率は大変低いと思われる。

細かい地味な仕様だが、このような設計仕様がもっとも無難な家の原点であると言いたい。

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