広島南区の家 完成2 広島市LOVEの理由

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12月25日午後13時頃の広島駅新幹線通路。来広8回の中で最も人がいない日。当たり前だが年末とクリスマスだからだろう。欧州、北米系の方がほとんどいない。

広島県に「緑の家」の2棟目が完成した。一棟目は今から24年以上前(2001年)の頃だから、このブログに記録はないが東広島市に建築されている。当時は工事監理ができなかったが、今回は工事監理を行うことができて大変よかった。工事監理はやはり設計の最終仕上げと思うので、建て主さん側の代理者として設計者の矜持が表れそして設計は正しかったか一つ一つ間近で自身が試されるのである。

広島LOVEとは・・・今回9回ほど広島で監理に伺い、コンパクトなギュッと詰まった都市のお手本のような町とその活気、言葉、文化に心惹かれたのである。食べ物も新潟県と同じ海産物が豊富で、且つお好み焼きはみんなでだべりながら囲んで食することが重要だと教えていただいた。とどのつまり人は人との関りが人生を豊かにするので、その代表行動が食することでそれを大事にした食文化がこの広島市の文化であることを、建物の工事監理を通して強く認識させられたのである。

中枢中核都市の広島市と新潟市を比較するにはおこがましいが、人口は1.6:1で広島市は多い。でも人口密度を比較すると1.3:1でそう変わりないが、しかしこれにはカラクリがある。図はGoogleからで左右同縮尺。
この衛星写真のとおり赤線が市の範囲である。深い緑色は山で広島市は土地の2/3が人の住めない山。一方新潟市の人が住めない山は1/10以下。だから実質の広島市の人口密度は新潟市の数倍になりギュッと詰まった都市である感覚で間違いない。図はGoogleからで左右同縮尺。

広島市は路面電車が主要な公共機関となっている都市。その電鉄は様々な車体があり最も面白かったのは下の表示をつけた車体。

これは広告?いや企業名もないのでどういうメッセージなのだろうかと笑いながら考えていた。電車自体が広電の広告なのか・・・。その路面電車が広島JR駅の乗り入れという数十年ぶりの路線変更前後に立ち会うことができ、また8月6日の世界にとって特別な日にその地にいたこと、さらにクリスマスイブに八丁堀のお好み焼き屋さんでお好み焼きを食したこと・・・など貴重な体験が広島LOVEとなる。確かに広島市はあることで世界的に有名だが、広島市が誇れるのは多くの市民と訪れた人が広島市LOVEなのである。この地域愛は是非見習いたい。

クリスマスマーケットも良かった。

基礎の監理時にちょっとした行き違いが2つほどあったが、そのおかげでそれ以降はスムーズに物事はすすみ、工事監理も最小コンパクトな8回でOKとなった。

この時はまだ外構の樹木が植えられていないが、建物は完成。基礎の内外で断熱する高基礎が意匠的に見てもindustrialで好き。35mm換算で14mm程度の超広角レンズでようやく納まる。

さて完成写真だが外観は冬季の日射の問題で電線と建物の影が大きく映り込み、外壁が白なだけとても綺麗とは言えない。電線の影が建物に入らなくなる夏になったら今度建て主さんから送って頂けるようにお願いしたいと思う。

引き渡し時には樹木も植えられ整えられている。敷地の一番右からアプローチする独特の形態だが。人を引き込むようにアール状でその入り口を計画。
白い壁に幹の線が生える。庭の借景はよくあるが、壁の借景は珍しい。壁が無くなった時には壁塀をつくることも良いだろう。
夜景の写真は永本建設(株)さんからお送り頂いた。

その3に続く

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