衝撃の状況。換気システムの給気口は手が届くことが無難な計画。

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まずこの状況をご連絡頂いた建て主さんには心よりお礼を申し上げる。

「緑の家」でよく使う換気の屋外フードのサイクロンフードの内部写真である。こちらの周囲は畑でどちらかといえば自然豊かで雪のほとんど降らない地域の「緑の家」である。築6年くらいのオーナーさんが換気扇フィルターが汚れるようになったのでサイクロンフードを分解して内部をみた時の衝撃の写真。

スムイさんのHPから

サイクロンフードとはこのような形状の外壁に設置する給気専用のフード。

スムイさんのHPから
ベンチュリ―効果をGoogle AIで調べると上のとおり。身近にあるものとして、霧吹きや飛行機の羽がある。飛行機が飛べるのはこの効果である。

メーカーのHPに説明があるとおり、掃除機のダイソンで有名になったサイクロン式ゴミ分離システムとそのごみを外風で自動的にフード外に排出するフードで画期的なアイディアの商品。排出する理論はベンチュリ―効果という気圧差を利用した吸い出しで、虫などのゴミなら大体排出されると想像していた。仮に虫より軽いゴミなら換気扇本体のフィルターに運ばれるか、ダクト内にくっつくかと思っていた。ところが・・・土埃には大変弱いことが上の写真で判明した。

通常「緑の家」ではこのサイクロンフードを下の写真のような地上から1200mmくらいの位置に設置している。

これは換気扇本体が2017年頃から床上に上向きで設置できるように改定されたため、「緑の家」ではいままで天井懐等に設置していた本体を、床下内で床置きすることに変え、2017年以後9年前から換気扇設置はではこの位置が標準となっている。

床下内に床置きで設置される換気扇本体。

今回汚れが相当たまった「緑の家」は上のような敷地条件であり、確かに風で舞い上がった土埃を吸いこみやすい。

建築前の更地状態。こんな屋外条件である。
サイクロンを生み出す羽についた埃とゴミ。
掃除後は元に戻る。こちらは建て主さんが水洗いしている。

大変汚れてしまったが、上の写真のように掃除すれば綺麗になる。

これはやばい。白矢印の所にベンチュリ―効果を利用した排出口があったが、完全に土やごみで埋まる。
掃除をすると見事に元のとおりになる。こちらも建て主さんが綺麗にふきあげ掃除されている。

このように土埃が主体となりそこに繊維が絡み水滴も付いたりしてゴミが蓄積されたいったのであろう。これがわかったのはなんといっても手の届く高さにこのフードがあり、建て主さん自身が容易にメンテナンスできたためである。

この連絡を受けて直ぐに同時期に建築し設置した「緑の家」のサイクロンフードを調査分解することにした。

調査対象のサイクロンフードはご覧のとおり位置は低く家の前面となる。これはこの地域が準防火地域で且つ街中であるため、左右の配置は好ましくないと考えてこの位置になった。確かに駐車時の排気ガスの問題はあるが、短時間である事と車まで2m離れているのでここに計画。特に問題はないとのこと。

この低い位置に給気口が来ることで、自動車の排気ガスを吸うのではないかと疑義を頂いたこともあるが、自身の土地なら何とかなるが、隣地境界に近い位置ならば隣家の自動車等がいつどこに置かれるかわからないので、どこに設置してもリスクはある。そのリスクよりやはりメンテナンスが最優先でそれが功を奏した。

さて早速分解してみると・・・

築6年目のサイクロンフードを分解調査する。この程度汚れなら想定内。防火地区なのでFDがある。

想像通り汚れはひどくなく、想定内の状況。

冒頭の「緑の家」と並べて比較すると一目瞭然。

汚れているが、想定内の汚れ具合。やはり設置環境によって汚れ方が大きく違う事が明らかになる。

よく見ると、鳥の羽や繊維質に絡みあう虫が見える。生物対策はとても重要である。

当然ベンチュリ―効果のある排出口は通常通り塞がれておらず、機能は正常。

このままでもそのまま使えそうだが、折角分解したのだから軽く乾式掃除をすると元通りになる。これを水を使って濯いだりすれば冒頭の「緑の家」のようにピカピカになるが、乾くまで換気扇が使えないので今回は乾式掃除(乾いた布でふく程度)のみとしている。

フード内部にあるダクトは比較的綺麗であり、サイクロンフードの効果がうかがい知れる。

サイクロンフードからダクトにつながる変換ソケット部分。

サイクロンを起こす羽も乾式掃除して今回はこれで終了だが、こちらは水洗いができるので水洗いすれば冒頭の「緑の家」のようにピカピカに戻る。

このようにお掃除できればこのサイクロンフードに問題はない。今回のことで確信したのは、「やはり空気を大量に通す換気扇をはじめ特にエアコン等はメンテナンス性が肝となる。」という当たり前の事。だから「緑の家」ではエアコンや換気システムはメンテナンス性を最優先し無難な計画に納める。

多分今回の写真をご覧いただいて「こんなに汚れるの?」と感じられた方も多くいると思うが、24時間換気扇の風量は120~180m3/hが標準的であるため、これを6年間使い続けた時の総風量はなんと788,400m3。これは大型タンカー内部の原油が30万キロリットルなので、大型タンカー2628隻分の流量の空気であるその体積を考えると、このくらいの汚れは当たり前であろう。

つまり空気を大量に移動するものは必ず10年おきにメンテナンスが必須となる。そこで各社のカタログでこのサイクロンフードについてのメンテナンス性を確認すと、パナソニックをはじめ販売するメーカーのカタログにはその記載が見当たらない。これは大変な問題と私は思う。ただ商品を購入した時に添付される取扱説明書に初めてそのメンテナンスが必要と書かれている。でもそれでは既に計画し終わっているので遅すぎるのである。

こちらは「緑の家」の標準サイクロンフードでスムイ製のものについてくる説明書。
ここでは販売店や工事店がメンテナンスしてくださいとあるが、このくらいなら建て主さんだろう。

この為、このサイクロンフードを2階より上に設置している方も多いだろう。それは大変問題のある設置位置となる。換気扇フード最大手のパナソニックさんでもカタログにはその設置位置の注意書きはない。

メンテナンスが必須なのでそれが可能な位置に計画してほしいとは書かれていない。多分購入時に添付される説明書にはあるのだろうが、それではもう遅い。

サイクロンフードは他の換気扇フードより複雑な形状になるのでメンテナンスは必ず出てくると感じ、2017年以後常にサイクロンフードは低い位置としている。

2021年竣工の「原村の家」。傾斜地でも建て主さんがなんとか手の届く位置に設置。

さて今回サイクロンフードの汚れ調査にご協力いただいた、新潟市の白山浦の家のオーナーさんにはお礼申し上げる。

サイクロンフードの内部を覗き込まれるオーナーさん。

そのオーナーさんに驚かされたのが、この半袖と裸足の格好で玄関から出てこられたこと。冷静に考えれば「緑の家」のオーナーさんの多くが、冬期の暖房設定温度を高め(25度以上)にしていらっしゃって、家の中では半袖に裸足の方が殆どだが、そのまま外に出てこられるとは思ってもみなかった。

そしてまだ新潟では冬期なのに窓には日よけ用の少し目の粗いタープスクリーンが設置されている。

雪止めを多数設置しているので勾配のきつめの屋根のある太陽光発電パネルからの雪の落下も全くなかったとの事。無難な計画である。

これは外部からの目隠し効果があり内部にレースのカーテンをする必要がないので、それが便利だから夏以外でも年中下げっぱなしになるからである。

色付がとても素敵な「緑の家」である。コロナ後に設置された置き配用BOXだけが竣工時からの変化。
理想的な釘の色の変化である。

雨が当たりにくい東向きの外壁は、綺麗なあめ色になっており、鉄くぎも同調した色となる。

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