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高気密高断熱住宅の欠点 土壌型シロアリ 新潟の家から

このブログは1月25日の追加修正版です。

真冬なのでシロアリはまだまだ「旬」な話題ではありません。が、シロアリは今も活動している事が多くなりました。その理由は冬季の地表面(深さ2mまで)温度の上昇です。その温度上昇の原因が基礎断熱によるものであるとされてます。
基礎断熱は地面を断熱材とするので、数年で基礎の下の接している地面の温度が15度から10度くらいで安定します(常時湿潤土地を除く)。するとこの暖かさにつられてシロアリがやってくるとシロアリ駆除の技術者から解説がされてます。

これは全く同意で、拙宅の20年を迎える高気密高断熱の壁の断熱材や、天井の吹き込み断熱材の中に、おびただしい数の団子虫やゲジ、ムカデが干からびて死んでいます。彼らは「暖かさ」に惹かれ、越冬地として選んだのですがあまりに断熱材の中が乾燥するので春を迎えることなく死んだのでしょう。自然の中では木の皮の下や石の下が越冬地ですので、湿気は多量にありますが、高断熱高気密の断熱材の中は、相対湿度が20%から50%のところも存在するので干からびます。

基礎断熱を施すと間違いなく地中の虫を呼び寄せます。虫も越冬するのに暖かい方がよいに決まってます。あまり温かすぎて干からびたのは彼らの誤算でしょうが、とにかく暖かい事はみんな(昆虫も動物、植物も)好きです。
だからこそ基礎断熱では注意が必要です。特に次の工法で基礎断熱を施工するところは、今一度熟考が必要です。

1.基礎外に断熱材がある場合(耐白蟻剤含有製品を含む)。

2.基礎のコンクリートを2度に分けて流し込み作った基礎。

3.玄関土間下(勝手口土間下、ユニットバス下)が「土」の場合。

4.排水管が地面から見えないところで内部に引き込まれている場合。

です。

オーブルデザインでは8年くらい前に一度シロアリに玄関内部のかまちとよばれる木材を加害され、それ以降この問題にはとても注意してます。理由については次回にします。

シロアリの詳しいHPはいっぱいありますが、上の4つを比較的わかりやすく偏りが少ないところは

http://www.skunion.ecnet.jp/

がよさそうです。無論当HPの

http://homepage2.nifty.com/arbre_d/kisodannnetu/01.htm

にもありますし、

http://www.sinfonia.or.jp/~isoptera/myhtm/dannetsu/dannetsu.htm

も少々主張が強いですが、いろいろな所でご活躍されている方が主宰の有名なシロアリサイトです(このサイトでは基礎断熱は結構悪者ですが知見は深いです)。

基礎断熱は温熱環境を考えた時はすばらしい方法ですが、一方でシロアリのリスクがあります。この部分はコストが安いだけではいけません。当事務所が薦める「緑の家」ようにきっちっりとメンテナンス対策がされているが重要です。


新潟の自然素材家で最高の快適性 床下暖房の見学会

20年間の高気密高断熱住宅Q値1.8W/m2kに住んでいる拙者ですが、当時は無垢材が異常に高く、拙宅では80%が新建材(所謂偽者の木)の床です(緑の家ではない・・・泣)。
しかし建築当時は真冬でも肌足で全く冷たくない床と感じてましたし、実際半そで、裸足で冬も生活してました。所が30代後半で何となく新建材の床を冷たいと思い、一部に無垢材を、そして40代半ばを過ぎたころから、靴下を履くようになりました。これは高気密高断熱の家の性能が落ちたのではなく、自分自身の代謝が落ちたと認めるまでそう時間はかかりませんでした。

そうですね。最近床下エアコン暖房を薦めているのは、自分自身の経験もあったためです。人は年齢と共に快適な温熱環境も変化すると実感しました。適度にスポーツで足腰を鍛えている人は、きっと代謝も衰えずに、足のつま先まで血液が循環して冷え性になりにくいと思いますが、普通の人は代謝が衰え、冷え性でない人も足元が冷たくなりがちです

床下に設置されたエアコンの例 床下もお掃除できる

そこで、床下エアコン暖房が活躍します。床暖房より穏やかな床下暖房の暖かさは、何事にも変えられないほど快適です。普通の床暖房は、表面温度が限りなく30度に近づきます。また、同じ場所にずーといると、循環水温(40から45度)に限りなく近づき低温やけどの恐れがあります。循環水を使わない電気式のものはランニングコストの問題で最近は使う人がいません。ところが床下エアコン暖房では、どんなに同じ場所にいても24~25度です。全く低温やけどの心配はありません。但し床下暖房には最大の欠陥があります。それは10年もすると床下内が不衛生になると言うことです。
例えば、10年間使っていない埃だらけの倉庫で暖めた空気を寝室に入れたいですか?そんな空気なんかいやですよね。でも今の床下暖房はそうなりえるのです。床下が低く、床下に人が入って掃除できないので、何十年もの埃がたまってしまいます。これは当ホームページの10年もまえのコラムで警告してます。埃だけならまだ良いですが、もしかしてゴキブリやゾウリムシの死骸がたくさん干からびているかもしれません。そんな床下を見てしまったら・・・。そんな空気を使いたくありませんよね。だから当事務所の床下は人が歩けるのです。掃除できるのです。最大の欠点を克服した緑の家の「床下エアコン暖房」をお勧めします。さらに単に床下を高くすると相当の熱損失が生まれます。この問題も解決しました。

床下暖房の家は、真冬でも裸足のほうが快適。自然素材である無垢の無塗装の床の肌触りを最大限生かしてくれるのが、床下エアコン暖房なのです。是非お勧めです。そんな実感をして頂くために、見学会を1月の23日、24日に行います。是非最高の快適性をお確かめ頂ければありがたいです。

因みに、電気床暖房と比べると床下エアコン暖房は、オール電化のやりくりナイト8と高基礎の高蓄熱量を組みあわせ、電気代が単純に1/3(深夜電力料金)×1/3(エアコンCOP3)=1/9になります。これは深夜蓄熱暖房機をヒートポンプエアコンを使って暖めているからです。このように最高の経済性がおまけについてきます。


新潟の家 床暖房の正しい評価 その2

2007年10月のブログに「床暖房の正しい評価を!」と題して少し批判めいたことを書きました。その後学会では毎年追加研究発表がされており、今年の日本建築学会で発表された論文「その9」でようやく結果がでてその論議が終わりそうな気配です。

全ての写真、図は2009年度日本建築学会で発表された梗概集の中の「サーマルマネキンをを用いた室内温熱環境と暖房投入量の評価」早稲田大学 田辺新一先生ら によって発表されたものの抜粋です。著作上問題がある場合、理解に間違いがある場合はお詫びの上すぐに削除します。

今年の発表では床に投げ足で座っている場合と椅子に腰掛けている場合のパターンで、同じ快適さを得るのに必要な熱量は、床暖房の場合とエアコン暖房の場合でどの位違うかを実験したものです。
2007年の実験では床暖房に有利な普通しない姿勢である投げ足のみの評価でした。当時質問者から「こんな姿勢は不自然。暖かい床に接する面積の多い床暖房に有利では」と言われておりました。
今回の発表では、それを答えた内容になっております。

41169__2_3 まず気になる結果ですが、全て実験の断熱条件において、床暖房のほうが少ないエネルギー投入量で快適感がエアコン暖房と一緒だった。ということで、2年前と変わらない内容です。・・・が、
その結果のところに(注3)と書いてあります。これを見ると、
41169__2_2 「超断熱住宅では、暖房方式の差異はほとんどなくなると考えられる」小さく書かれております。では超断熱住宅とは・・・
この表のとおり今回の実験の断熱性能は高断熱で3.1W/m2・℃、中断熱で3.3W/m2・℃、低断熱で3.72W/m2・℃となっており、「緑の家」の標準仕様であるSプランの2.0W/m2・℃より75%から55%程度の低い断熱性能です。ということは、超断熱は2.0(Sプラン)くらいとなるのではないでしょうか?

何となくわかってたとはいえ、ほっとしました。

実験結果だけを論文に載せるのではなく、それから推察されることを注釈として論文に載せられた事は、やはり大学機関の論文は中立、公正性が高いと思います。
田辺新一先生に感謝です。ありがとうございます

ということで、建物の断熱性を超断熱にすれば、同じ快適性を得るための暖房方式によるエネルギー投入量に差異はほとんどなくなります。
注意しなければならないのは快適性の質は、若干違うということです。また同じ快適性は年齢によっても違い、拙者はほんのり床が暖かいのは年をとった時(代謝が落ちたとき)気持ちが良いと思います。←高床下エアコン暖房推奨派・・・(^-^;です。


新潟の住まい 床下暖房の問題点とよい点

最初にこの論文から・・・。

これは、昨年の精査された建築学会の論文文集から松鵜、石松、龍氏らの論文からの抜粋である。この論文は「省エネルギーを目的とした地中熱利用ピットや自然換気装置が採用されている建物の微生物による空気汚染を調査したものである。結果は、戸外と比べ室内環境が高濃度になりやすく、維持管理基準をクリヤーできなかったとされている。地中熱利用ピットとは、少し半地下のような住宅の床下のようなところで、その空間に屋外空気を流して室内に取り入れ、地中熱を利用しようというシステム。結果の図のとおり、確かに室内のほうが微生物の出現数が数倍高い。確か当ブログでは、微生物濃度は、森のほうが大きいときがあったと報告した論文をご紹介した。そこから考えるとこの程度あればそう問題ないが、この建物はまだ築3年程度であり、塵や汚れがピットに多くあると考えにくく、15~20年後はどうなっているか今後の調査が待たれる。

話題を題名に戻すと、事務所設立当時から、一戸建て住宅で床下から暖を取る「床下暖房」については2つの問題があると指摘してきた。この4~5年間で当事務所も2棟ほど採用し、巷でも最近多くの住宅で採用されているがもう一度問題点を整理して見ると・・・、

①ある特殊工法(屋根で空気を暖めそれを強制的に床下に入れる)では、外壁の中や土台付近には、シロアリ防蟻予防材や、防腐材が塗布、注入されている。その中を循環してくる空気は綺麗とはいえない。

②床下を暖める床下暖房は、床裏から直接伝熱してくる熱だけでは不足なので、床下の温まった空気を1階居室に入れ、空気対流で暖める。この時、床下の空気が清潔とはいえない。

である。①は、新潟県では採用事例が少ない。仮に採用例があったときでも現在は防腐剤を使わなくてもよい通気工法を採用している会社が多い。そのため防腐防蟻剤の点では問題はなくなりつつある。但し、壁内は薬による害はなくても、10年くらいたつとごみや虫の屍骸がたまり衛生的とはいえない点は未解決。

②は、解決できる問題もある。②の最大の問題は、壁の中と同じように床下がゴミや虫の屍骸で衛生的とはいえないことである。新築時は確かに綺麗である。しかし掃除ができない床下はいつかはゴミ、虫の屍骸、もしかしたらねずみやゴキブリの屍骸があるかも知れない。そんなところの空気を居室に取り入れ暖房に使っていて平気か?私は抵抗がある。

「でも御社でも採用しているのはどうしてですか?」という問い合わせを頂く事もある。その時は、「当社の「緑の家」は床下内に人が簡単に入ることができ、自由自在に活動できる最低の高さを確保してある(基礎高1m)。勿論床下を掃除することも可能。だから建て主さんがそれを了解して床下暖房望めば、床下暖房にしている。」という返答になる。また基礎から発せられるコンクリート臭は、積極的に空気が入れ替わる床下暖房ではそう問題ではないことがわかった。確かに集合住宅ではコンクリート住宅が多い。コンクリート特有の「灰汁臭」が強烈だったらすめないであろう。積極的な床下利用で空気が換気されれば、灰汁臭は問題にならない可能性が高い。

よい点は床暖房のような快適性が最低レベルのランニングコストで可能ということ。これに尽きます。またイニシャルコストもエアコンと基礎高アップだけなので経済的。

そこでこれからオーブルデザインの勧める家は「床下暖房+床高1.4m」が多くなるであろう。勿論その熱源は以前と変わらず「エアコン」である。最近のエアコンはフィルター掃除が10年間いらないため、益々便利に使える。エアコンによる床下暖房万歳!!になるはず。 下写真は1.4mの床下内に設置されたエアコン。床は綺麗に塗装されている。


最近のハウスメーカー

2011.01.24加筆緑字

当ホームページの「住宅最新NEWS」に取り上げたが、ひょんな事からある大手プレハブメーカーのHPへ訪れた。すると「基礎断熱工法を取り入れ、床下に蓄熱暖房機を設置し・・・」等とオーブルでは見慣れた言葉の商品があった。しかしこの商品では5年後にはクレームが多くなり、消滅商品になると私は推測する。というのは、床下に暖房機をを入れるのは快適性と衛生面との諸刃の剣となるから。詳しくは上のコラムを読んで頂きたいが、簡単に説明すると、「床下は絶対と言っていいほどお掃除する事の無い空間。そこに新鮮空気や暖房空気を循環させたりする事は、不衛生極まりない。新築時は良いが、10年も経てば昆虫の死骸などは至るところにあるだろうし、塵や埃、時にはカビもあるだろう。そんな空間の空気を室内に循環させてどうするつもりなのか?一番綺麗な空気は外気で、それをいかにダイレクトに入れるかがポイント(定期メンテナンスのされたクリーンルームは例外)なのに・・・。また床下はそのほとんどがコンクリート。このコンクリートは長い間「灰汁臭」と呼ばれる独特の異臭を放つ。本気で大量販売する商品とは思えない。どうしたの大手プレハブ!!また得意の数年で方針(商品)転換か?


2009から床下暖房を推進する立場に変わりました。
なぜか?
まず最初に、床下暖房の家は床下には上のような換気扇がありません。
これは・・・
床下エアコンが夏は除湿も行ってくれるからです(冬は暖気を送り込む)。
建築当初の特に1年は、コンクリートから湿気が多く放散されており、これを排
出する目的及び床下の灰汁の匂いが室内に侵入する事を防止するため換気扇を設
置しておりました。
ところが定期メンテナンスで伺っている時に、床下を積極的にお使いになってい
る方の家の床下が匂わないことに気づきました。積極的に使っていない家はやは
り灰汁匂いがします。つまり、床下に換気扇をつけてもまんべんなく床下の換気
がされているのではなく、ある一部だけが換気されている状態なのでしょう。当
たり前ですよね。1階床と床下は気密処理されていないので好き勝手な隙間から
床下へ給気され、それが仮に床下換気扇の近くだったらショートサーキットされ
床下内でまんべんなく換気が期待できないからです。
一方積極的に使われる家は、まんべんなく床下の空気が入れ替わっているため、
灰汁の匂いがしません。確かにコンクリート打放しの家(RC住宅)でも、一年く
らいたてばあの灰汁匂いは殆どしませんから。
ようは私の間違いだったのでしょう。これで床下内空気が綺麗と言えるためには
行う事は「定期的の掃除」だけになります(防腐防蟻剤塗布は論外)。
こちらは高床なので簡単に解決でき、それで今は床下暖房を勧める事ができるよ
うになりました。
以上修正し訂正させて頂きます。

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