「 2007年12月 」一覧

ちょっと10年を振り返り ②

2 10年を振り返り今後の事を・・・。「緑の家」について

地球温暖化問題もあるが、なんていっても原油の先行き不安感はこれから本格的始まる。人間の飽くなき欲求は今後も続き、一度覚えた快適性や快楽は早々手放せないのが真理心理。そこで「緑の家」では快適性を維持しながら今の生活よりエネルギー削減が出来やすい家として新に性能をアップした「SSクラス(0.99)」をご提案する。左の図は今年の建築学会で発表された論文であるが、暖房E0=Q値0.99は部分暖房する生活でも、全館暖房でもほとんどエネルギー消費が変わらない(但し地域設定が東京設定なので北陸では増える)。ところがQ値2.7W/m2K(ほとんどのメーカーの断熱基準)であると、やはり全館暖房はエネルギー消費が多くなる。緑の家ではこの10年で一番良いQ値性能の家で1.2W/m2Kである。これを改良する事で達成したい。また、断熱区画によるエネルギー削除の提案やよりコンパクトな住まいのご提案もしたい。コンパクトな家の提案として今度見学会行われる長岡ニュータウンの家はお奨め。居住部分は30坪に満たないが、外部収納として使われる車庫が15坪あり、当然車庫部分は暖房しないので、エネルギー消費量は抑えられる。しかも生活に必要なものをしっかりと使いやすくそろえ、かつ大胆に開口部をとる手法で設計している。今後の家のひとつのあり方だと感じる。(コンパクトがいいとおっしゃったのは建て主さんである。そのよさは拙宅でも分かる。時々妻に友人が遊びに来た時に狭いと言われるがそれを気にしなければ問題ない。と言うかそれしか建てられない経済的現実があったので、私の場合選んだと言うよりは・・・。)


ちょっと10年を振り返り

オーブルデザインは、平成8年に事務所登記を、その後一年をかけて準備を行い9年の暮れから実務を始めた。この暮れで実務を始めてから丸10年経つので少し振り返る。

1.10年前より建物の性能及び仕上げについて変わる事がなかった事が誇り。

10年前は自然素材を使う家が少なく特に木を無塗装で使う事など考えもしない業界であった。そんな中オーブルデザインの環境住宅「緑の家」では、床に無塗装の木、扉や戸枠に無塗装の木を使い、また、構造体にはクレテック金物と言う性能が明記されたものを薦めていたことに見学された人は大変びっくりされていた。これは今も変わりない。また、換気設備も当時から24時間換気設備を使い、今も全く同じ換気設備を標準では指定している。また、暖房設備に至っては、10年まえからエアコン暖房できる事(エアコン暖房が一番良いと言っているのではなく)を唱えており今も変わらない。さらに10年前から全棟に詳細な構造計算を行う事で建物の安全性を目に見える形で提供してきた。これらは全て10年間継続されてきた事。今の家でも自然素材、構造安定性、断熱性能等がバランスよく統合されていると自負する。洋服でも性能や仕様、価格がほとんど変わらないメーカー(海外アウトドアメーカーのモンベルやノースフェイスが造るゴアテックス商品等)があるが、これより寿命の長い家は最低10年くらいの仕様、性能を考える必要ある考え、「緑の家」はその仕様を決めてきた。

2.10年間で得た事務所の報酬は、全て建て主さんから。

一般に公共建築の設計のほとんど行わない設計事務所では、同業者から得る報酬が事務所の売上に占める割合が大きい。例えば確認申請だけをする仕事や施工建築会社の斡旋によるリベート、バックマージン等。しかしオーブルデザインでは一部例外を除いて全てが建て主さんからの設計工事監理料である。これは事務所の独立中立性の最大根拠である。最近施工会社が「当社は第三者機関によるチェックがある」と胸を張っているが、はてなと思う。いくら直接建て主に報告書を出すとしても、この第三者機関を使うかどうか決定するのはその施工会社である。つまり第三者機関にお金を払う意思決定権をもつ。数年前の姉歯偽装事件でも、国のお墨付きがある確認申請検査機関でさえも、民間運営で競争となった。そして施工会社から審査依頼が沢山ほしいばかりに書類のチェックが甘くなったと言う事実がある。これを建築士(設計者)は学ばなければならいと考えている。

3.年間6~10棟でお手伝いしその完成した家全てが「緑の家」である。

ハウスメーカーを除くほとんどの建設会社では、基本的性能でもランクをつけて家造りを行っている。これには実は?がつく。基本性能とは、安全性、快適性、耐久性と考えるが、これは設計者、施工者として確固たる理念があると思う。この家は予算がないから社の中の一番安い基本性能で良いという事ではどうも承服しがたい。経営的は多種多様の家をご提案したいと考えと思うが、これは基本線より良くなる事が前提であるし、デザイン的なものに限定することが重要である。家は50年を考えて造るものである。その中でメンテナンスを何回か行うだろう。このときやはりメンテナンス性も考えた家の基本性能がその設計者、施工者の理念ではないだろうかとオーブルデザインでは考えてきた。


国内で白熱電球生産中止に

青時2008年1月に加筆

今日ラジオでニュースを聞いていたら、「国内で白熱電球を生産中止になるように業界に要請したい」と政府が発表したと流れてきた。照明器具カタログへの白熱電球記載中止は以前からいわれていたが、製造中止となるとは・・・。国内全世帯の電球で白熱型から蛍光灯型に代えると住宅で造り出されるCO2の1.5%が削減されると言う。所謂地球温暖化対策であるが、少し前のブログでお伝えしたとおり頻繁にON、OFFするトイレのような場所は、最新型電球型蛍光灯でも少し問題ある。いきなり生産中止とは思わなかった。(実際国内で生産されている白熱電球は微小で影響はないだろうと思うが。)この要請は国内ばかりではなく海外にも波及させたいとうこと。白熱電球も悪い事だけなくON、OFFに強いメリットがあるので残す方が良いのではないだろうか?拙宅ではトイレだけは一日15回程度のON、OFFがあるのではないだろうか?すると2年で1万回を軽く超える。(最新型でも普通1万回位が寿命。但しパルックプレミアムは3万回点灯可能)しかし点灯時間は約0.5時間/日で2年で360時間にしかならないのに、寿命が5000時間以上もある蛍光灯型電球の設置意味は薄い。単なるエネルギーの消費だけで考える事よりLCC的考えや経済的考えも考慮してほしい。政府はCO2の削減ならまず24時間自動販売機や深夜のネオンをまず考えた方が国民に経済的にメリットがあるのでは?と強く思う。すべての電球型蛍光灯が点灯回数が3万回になればよいのだが・・・。


灯油がとうとう100円/Lに!!

石油関連の値上がりがとまらない。当ブログでも昨年から灯油やガソリンは今後も高くなると予想していた。この背景はいたって簡単。石油がとっても貴重という時代に入ったのである。過去20世紀の終わりに石油枯渇説が流れ、あと40年でなくなるのではないかと言う学説があったが、その後新たな油田や掘削技術が進み、その40年後あたりが現在であるがまだ30年くらいは石油があると言われている。このあたりもいろいろな説がある。でも重要な事は、これだけ技術が進歩しているのに、石油に代わる同等コストの物質がないということ。という事は現在の世の中のほぼ全てに関わる「石油」と言うものが「あと10年でなくなるぞー」と言ったらそれこそパニックになる。だから仮に石油が底をつき始めていても明らかに言えない。がしかし石油を小出しにする事は可能。供給量を増やさないで長持ちさせる事ができるし、価格は上がり石油掘削会社にはデメリットはない。石油自体がまだ直ぐになくならなくても、現在の増えない供給量であれば、発展著しい世界の人口大国の中国とインドの需要量は急上昇中で今後減る傾向はないため価格が上がるだろう。するとこの大国の急成長にはある程度のブレーキがかかり、温暖化対策にもなる。だから今後も石油製品化価格は下がらないと言えるのだ。

そこで前からHPでお伝えしていたとおり、「緑の家」の断熱性能を更に上げたバージョンをご用意する。詳細は来年早々にUPするが、現在の予定では断熱性能Q値は0.99W/km2以下で気密性能C値が0.99cm2/m2以下(現在でも平均C値は0.7cm2/m2)。これであれば現在の緑の家と同じ快適な空間の暖房費(エネルギー)が約1/2となる。そして耐震性能を性能保証制度の等級3同等も選べるようにしたい。また基礎についても2通りのスペックをご案内したいと考えている。

さて灯油が100円/Lのため、現在事務所の暖房は、外気温が0度以下にならない限りエアコンとする。低断熱中気密の事務所では灯油の暖房は快適なのであるが、なんせエアコンより1.3倍程度もコストもかかり一次エネルギーとしても無駄に使う事になるので仕方ない。(事務所のエアコン4台のCOPの平均を外気温2度で3とした場合)


家は何もかも昔のままが良いのではない。

戦前までの日本の家内部は、それなりに手入れが必要であった。一日一回はほうきで床(畳)を掃き、一週間に一度は廊下の水ふき、そして一年に2回は畳をめくっての大掃除。紙障子も数年に一回は新しく新調された。この習慣は、「メンテナンスフリー」そして「使い捨て」という価値観が高くなるにつれてなくなり、ついにはいつでも綺麗、お掃除不要とか抗菌とか安易なリフォーム(クロスの張り替え)でほとんど住まう人が手をかける事がなくった。

10年以上も変わる事のない樹脂でコーティングされた綺麗だけれど冷たいフローリング床。道路の舗装が進み砂埃がなくなったのでお掃除は週1回となり、畳めくりは、化学畳(藁床ではない断熱畳や防虫シートをはさんだもの)を使っている事や、和室にTV等多くの物があるので移動が面倒くさくなり、なくなった。メンテフリー、手軽さを求め家の内部のほとんどが石油製品を加工して造られた物を使っている。こうなると石油製品に偏り過ぎた反動があり、ある人々は石油製品を使わないものを強く求める。

例えばログハウスやほとんどの材料を自然素材に拘った住宅など。これ自体は賛同でき、私もそう共感する。しかし昔のものが良いとしても、住み方まで昔のようにできる人は、ほとんどいない。冬はやはり暖房するし、家電製品も多く使う。昔の生活は、電気のブレーカーが20AでOKだった。しかし今ほとんどの新築の家は60Aを下らない。電気使用量が増えるという事は、その使ったエネルギーのほとんどが最終的に熱や水蒸気となる。生活環境が変わったのに、それを無視して昔の工法や材料のまま家を建てると、内部結露やカビだらけの家となる。しかし自然派重視の家を宣伝する雑誌などには、今でも平然とこの生活環境が変わったことを無視して、昔のままの工法(防湿シートがない家)がよいといっている。これは専門家としての努力や見識が足りないと感じる。

暖房すれば室外より室内の方が水蒸気圧(所謂湿気)が高くなり、結露の可能性が高くなる。そもそも自然界に存在しない20度以上温度差が空気中に存在する「暖房」という行為において、その互いの空間の隔つ壁を、自然素材だけで作れると考える方がおかしい。冷蔵庫の外皮が自然木で作れるか?と同じ事。また土壁は断熱性能が低いので、今の基準の断熱性能得ようとすると30cmくらいは必要(断熱性能が低い家は、家中暖房が不可能なため内部、表面結露は避けられない)。

いつもTシャツ一枚で過ごしている人が「私は夏に冷房を使わない」と言っても、来客がネクタイを締めてくれば冷房しないわけにいかないし、その家を次に継ぐものが冷房を必要とする可能性は高い。そのためにも高い断熱性能は必要。つまり、家は社会資産であるため、多くの人が望む性能が必要だと言う事を理解する事が重要。

しかし今でも多くの建築士や家を造る者、自然派雑誌やその団体とかが「自然素材で造られ、昔のままの工法だから健康に良い。」等と声高らかに語たる。大変残念な事である。


エネループ完全移行計画

いまや家電製品を始め至るところに使われている電池。特にリモコンの多機能化により消費電力も多くなりあっというまに電池切れ交換と言う事も多い。特に事務所で使用しているエアコンは、リモコンと本体とで常に通信をして温度監理をしているらしく、直ぐに電池切れになる。(事務所では今年から灯油を使うFFストーブの稼働率を落としてエアコン暖房を多く使うようにしている。理由は灯油が高騰しかつエアコンのCOPが高い機種を昨年から使っているから)テレビ、AVなどリモコンだけでも10個以上有るので電池は数多くいる。使い終わると市の再資源ごみに出すのであるが、市で回収をおこなっている電池のリサイクル率はおもったよりも多くない。(個人的にゴミの収集方法から感じるし、電池工業会HPにも充電式小型電池をのぞく乾電池はリサイクルの必要性があまりないように感じる。)そういった背景があるのでエネループと言う充電式電池(ニッケル水素電池の一種でサンヨーさんから発売)に全面移行計画である。繰り返して使える電池は私が子供の頃から発売されており、今の主流は大容量が比較的安価で可能なニッケル水素電池である。(プリウスのバッテリーもニッケル水素)ノートパソコンやデジタルカメラはリチウムイオン電池が主流であるが、高価である事と、電圧制御が複雑なため汎用品の電池はニッケル水素電池である。ところがこのニッケル水素電池は、充電してから直ぐに使う用途には問題ないのだが、時計や目覚まし、リモコン等の長期間に渡って使う用途には不向きである。それはニッケル水素電池の特徴が、高容量ではあるが、自己放電が多いからである。ところが2年ほど前に電池のサンヨーさんが開発した「エネループ」電池は、ニッケル水素電池でありながら自己放電が少ない事が最大の売り。よって購入後直ぐにつかえると言う特徴をもち、また充電してからも長期間に渡って保存してつかえる。これはリモコンなどにもうってつけ。また繰り返し1000回は使えるので、1回リモコン用に使えばその家電機器が寿命を迎えても尚使える。長期間捨てることがほとんど無いのでゴミを出さない。価格は100円ショップ電池の13倍、一般電池の7倍位か?でも長期的に考えれば少なく見ても50倍以上も多く使えるはず。充分経済的であり、お勧めである。(・・・普通のニッケル水素電池は、デジカメのような短期間で使い切るような用途には充分使えるが、やはりメモリー効果もあるのでこのメモリー効果も少ないエネループ電池はお奨め。)


おいしい空気の値段

水を一日10kg飲むことは難しいが、人は一日に空気を体内に10kg以上入れる。これほど空気は多量がゆえ影響を受けやすいが、身近過ぎて忘れがちなもの。今日のニュースで空調機メーカーのダイキンの現代人空気感調査のよると、「おいしい空気を得るために出しても良い金額が月1144円であるとのアンケート結果だった」とあった。この数値はなかなか的を得ている。今の住宅では、法律上24時間換気が義務化されている。この24時間換気は少なくとも、電気を使いモーターで室内に空気を入れたり出したりしている。(新潟県では排気に動力を使う場合が多い。)この24時間換気システムの消費電力は、「緑の家」の標準換気システム場合で400円/月である。一方熱交換換気システム(所謂ロスナイ等)を使った場合は、セパレート型で1200円/月、集中型で2500円/月程度かかる。先ほどの調査結果が1144円なので、セパレート熱交換換気システムの1200円とほぼ同じである。すごいバランス感覚である。

次に「心地よい空気が流れている場所」についての結果は、なんと「屋久島」が一位である。ついで日本アルプスとなるが、先回のブログでご紹介したとおり公園や森など湿気が多く森としての代謝が活発に行われているところは、カビの胞子が室内空気の60倍も多い。これをどう見るか?屋久島の森は、いつも靄がかかるような多湿で人間が住むには過酷な空気ではないとか思うが、心地よい空気が流れているというのは、その場所の雰囲気から決定されるのだろう。おいしいと感じるのと体に良いかどうかは同じではないと思う。


床の素材

Im12g 2日に完成見学会を終えた。お越し頂いた皆様、ご協力頂けたN様にお礼申し上げます。

この見学会で確信したのは、「檜の縁甲板」の床は、長時間立っていても疲れにくいこと。今回のB邸見学会では、1階床が当事務所一押しの「アドモントフロアー」。2階が「緑の家」標準仕様の檜の縁甲板であった。いずれも無塗装で針葉樹系の木(所謂柔らかい木)。連続立っていた時間は昼食休憩15分を含む7時間。最後の2時間くらいが疲れがたまり、床の素材によってどう違うのか比較しやすい。当事務所の所員と一致した見解は、2階に行くと足の疲れが和らぐと言う事。なぜだろう?同じ柔らかい木で、表面温度や熱伝導率も変わらないのに・・・。そこで檜の縁甲板とアドモントフロアーとどこに違いがあるか考えた。すると2階の檜の縁甲板は無垢の天然素材のため、貼り上がりの表面に微妙な凹凸ができる。この凸凹が刺激になるようだ。(そんな健康スリッパもあったような・・・)一方アドモントも天然木ではあるが、年間の湿気変動による木の寸法が変化起きないように、3層無垢構造に加工してある。このため貼り上がりの床表面は、まったいらになる。(これが良い特徴であるが)

考えてみれば、我々のご先祖様は、何万年にわたり土の上(地面)を歩いてきた。土にはまったいらな地面は存在せず、凸凹していてあたりまえ。この凸凹がある前提で足の裏が造られてきている。そう考えると分かりやすい。足の裏で感じる凸凹がきっと心地よいので疲れにくいのであろう。多分そういった科学的実験が過去行われているのではないかと思い、探したが見つからない。もし見つけた方は教えてください。勿論、反論文でもOKです。

折角の無垢の木の床。無塗装でかつ疲れにくい「縁甲板」を使用したいですね。ですが、見学会のように7時間も立ちっ放しという事は普通考えられませんから、アドモントフロアーの寸法安定性という利点で一押しという事は変わりませんよ。